第二章 宇宙人の見付け方
昨日の夕方に、成り行きから、ビキニ型宇宙人のテロリストを抹殺する秘密組織、ビキニハンターのメンバーになってしまった中学二年生の私は、その次の日の昼休みには、学校の中庭で仰向けに寝そべって、そこを通る少女たちのパンツを観察するという変態行為をしていた。
ここは女子校なので、この学校の生徒である私が顔の上に腕を置いてその視線を隠していれば、少女たちはみんな、なんの警戒もなく寝そべる私のそばを通るから、みんなのパンツが見放題だ。
しかし女の私が、同じ女のパンツなど見ても、うれしくもなんともないので、私の横で同じように寝そべる一つ年上のコハク(琥珀)先輩に、小声で聞く。
「……コハク先輩、なんで私たちはこんなところで、みんなのパンツの観察なんかしているんですか?」
すると、中学生とは思えないほどの巨乳の下に、ギブスをはめた腕を吊るして寝そべっていたコハク先輩は、顔の上に置いたもう片方の腕のすき間から目を光らせたまま、小声で答える。
「スミレさん、少女の下半身に寄生して意識を乗っ取るビキニ型宇宙人を見付けるには、どうすればいいのか分かる?」
「え? …………布地の少ない派手なビキニのパンツをはいている少女を探す……でしょうか?」
「いいえ、スミレさん、ビキニ型宇宙人を見付けるには、同じデザインのパンツを毎日はいている少女を探せばいいのよ。宇宙人は自分の姿かたちを変える事はできないから、同じデザインのパンツを毎日はいていれば、その少女は宇宙人に寄生されている可能性が高いという訳よ」
「……あのう、ひょっとしてコハク先輩は、さっきから通る少女たち全員の、顔とパンツを完全に記憶しているんですか?」
「もちろんよ。私の記憶力は完ぺきだから、こうしていれば、必ずビキニ型宇宙人を発見できるはずだわ」
それを聞いた私は、一瞬、この先輩は、その記憶力をもっと世の中のために活かすべきなんじゃないのかと思ってしまったけれど、そういえば、地球の侵略をもくろむビキニ型宇宙人を見付けて抹殺するのは、ものすごく世の中のためになる事だった。
こうして天気のいい昼休みに学校の中庭に寝そべって、少女たちのパンツを観察していると、宇宙人の地球侵略を阻止するために私たちが活動しているという事をつい忘れてしまう。
そもそも、地球を守るために、少女たちのパンツを観察しているというこの状況が、どう考えても普通じゃないんだけれど……。
それからふと思った事をコハク先輩に言ってみる。
「でもコハク先輩、世の中には、いろいろな人間がいますから、同じデザインのパンツを何枚も持っていて、毎日それをはいている子だっていますよね? 特にここは、権力者でお金持ちの子供しか入れない、かなり特殊な学校なんですから、着るものにこだわらない変わった子だって多いですよ。ここは全寮制で、みんないつも制服を着ているので目立たないですけれど、中学生になってもお母さんが買ってきた服しか着た事のない子だって、けっこういるみたいですから」
「分かっているわ、スミレさん。だから、同じパンツを毎日はいている少女を見付けたら、そこから次の調査に移るのよ……」
するとコハク先輩は、そう話している途中で何かに気付く。
「今、通った、白いビキニをはいた少女、もう五日間も同じデザインのパンツをはいているわ。……スミレさん、これから次の調査に移るけど、あなたにもその段取りを憶えてほしいから、これからツキヨちゃんといっしょにあの少女を尾行して、その教室がどこか調べてきてちょうだい」
そう言われて、私は立ち上がると、髪を三つ編みにした一つ年下のツキヨちゃんといっしょに、その少女の尾行を始める。
コハク先輩は、それからも、そこで少女たちのパンツの観察を続けるみたいなので、もしも私とツキヨちゃんが戻る前に別の怪しい少女が見付かった場合は、自分一人で尾行をするつもりなのだろう。
どうやら、こうした事を、今まではコハク先輩とツキヨちゃんの二人だけでやっていたようだけど、これから私がその段取りを憶えれば、それを三人でできるようになるので、怪しい少女が三人まで現れても同時に尾行ができるようになるという事らしい。
私とツキヨちゃんは、周りにいる少女たちから変に思われないように、普通におしゃべりをしながら、なにげないふりをして白いビキニの少女の後ろを少し離れて歩く。
「いいですか、スミレ先輩、ビキニ型宇宙人に寄生されている少女がどこに隠れているか分かりませんから、友達や知り合いに聞いてまわって情報を集める事はできません。ですから、怪しい少女が見付かったら、こうしてこっそり尾行して、その教室がどこかを調べるのです」
「……なるほど。それで、教室がどこか分かったら、放課後にさらに尾行して、寮の部屋がどこかを調べる訳ね?」
「ええ、そうです。周りの人たちに聞く事さえできれば、こんなふうに地道に調べる必要はないのですが、ビキニ型宇宙人がどこに潜んでいるのか分からない以上、誰かを頼る事はできませんから、私たちだけでこうやって調べるしかないのです」
それから、白いビキニの少女の教室が分かった後で、私たちが中庭に戻ると、コハク先輩はすでにいなくなっていたけれど、それはたぶん別の怪しい少女を見付けて、それを尾行するために、ここを離れたのだろう。
すると、ツキヨちゃんが口を開く。
「ここみたいに携帯電話の使用が禁止されている学校は多いですが、人里離れたこの周辺には基地局そのものがないですから、隠し持っていても使えないので、こういう時は不便ですよね。先生や職員なら衛星携帯電話を持っていますけど、あれは建物の陰だと使えないので、こっそり持っていたとしても、この学校でつながる場所は少ないみたいですし……。でも、この中庭で待っていればコハク先輩は必ず戻って来ますから、ゆっくり待ちましょう」
それで、しばらく待っていると、コハク先輩が戻って来て、私たちに聞く。
「スミレさん、ツキヨちゃん、あの白いビキニの少女の教室はちゃんと分かった?」
その質問に、ツキヨちゃんが答える。
「はい、あの少女は一年生の教室でした」
「あら、それじゃあツキヨちゃんの教室の近くね。……私はあの後で、緑のビキニを毎日はいているメガネをかけた少女を見付けて、それを尾行していたの。そのメガネの少女は二年生で、スミレさんのとなりの教室だったから、本当ならスミレさんが担当するのがいいんだけど、今回は私が担当するわ。スミレさんとツキヨちゃんは、その一年生の尾行を放課後もやってちょうだい」
そして、放課後になってから、急いで白いビキニの少女の教室の近くまで行った私は、すでに待っていたツキヨちゃんと合流して、廊下でさりげなく、その少女が教室から出て来るのを待つ。
しばらくして、教室から出てきたその白いビキニの少女の尾行が始まってから、私はツキヨちゃんに聞く。
「ところで、ツキヨちゃん、あの白いビキニの少女の寮の部屋が分かったとしても、それからどうやって、本当にビキニ型宇宙人に寄生されているのかどうかを調べるの? だって、あの少女の様子がおかしくないかを周りの人に聞いてまわるのはダメなんでしょう?」
それにツキヨちゃんが答える。
「そうです、スミレ先輩。でも、たとえ周りの人に聞いてまわっても、そんな事ではビキニ型宇宙人に寄生されているかどうかは分かりません。なぜならビキニ型宇宙人だって、バカじゃありませんから、同じパンツを毎日はいているのを怪しまれないように、ちゃんと偽装しているからです。」
ツキヨちゃんは、さらに続ける。
「何しろ、この学校の寮は必ず二人部屋ですから、いつも同じパンツをはいていれば、もう一人の子に変に思われるのは、あたりまえの事ですからね。それで、その偽装の方法ですが、ビキニ型宇宙人は、ちゃんと自分と同じデザインのパンツをたくさん買っておいて、シャワーを浴びた後でそれにはき替えたふりをしているのです」
「え? でも、それじゃあ、結局、同じデザインのパンツを毎日はいている少女を見付けても、本当にビキニ型宇宙人に寄生されているのかどうかを調べる方法がないんじゃないの?」
「いいえ、スミレ先輩、ちゃんと方法はあります。その方法は、あの白いビキニの少女の寮の部屋が分かってから説明します」
それから、寮まで尾行して、その白いビキニの少女の部屋を突き止めた後で、ツキヨちゃんはその説明の続きを始める。
「スミレ先輩、これから私たちは、あの白いビキニの少女が洗濯物をクリーニングに出すところを見張ります」
「クリーニング?」
「ええ、そうです。権力者でお金持ちの子供しかいないこの学校には、生徒が自分で洗濯をするような場所はないので、みんな必ず洗濯物をクリーニングに出しますよね? ただし、クリーニングの受付があるのは寮の一階ですが、みんな自分の部屋に係の者を呼んで、洗濯物を渡すのが普通ですから、こうやって部屋の前で係の者に洗濯物を渡すところを見張るのです」
それを聞いて、私は気が付く。
「ああ、そうか、クリーニングの受付は、朝から夕方までだけど、みんな朝は忙しいから夕方に洗濯物を出すのが普通だものね。だから、こうして放課後に部屋の前で見張っていれば、洗濯物をクリーニングに出すところが分かるという訳ね。…………でも、そんなものを見張ってどうするの?」
ツキヨちゃんは、三つ編みを揺らしながら、それに答える。
「さっき私は、ビキニ型宇宙人が寄生している少女は、毎日パンツをはき替えるふりしていると言いましたよね? でも、本当はぜんぜん汚れてないそのパンツも、クリーニングに出さないと同じ部屋の子から変に思われてしまいますから、洗濯物の中には、はき替えたふりをしたそのパンツが必ず入っています。だから、クリーニングされる前のそのパンツを調べれば、その少女が本当にビキニ型宇宙人に寄生されているかどうかが分かるという訳です」
「え! ちょ、ちょっと待って、ツキヨちゃん! 調べるって、もしかして……」
「そうです、そのパンツの匂いを嗅ぐのです。どんな少女のものでも、一日はいたパンツは、それなりの匂いがしますから、本当にはいたのかどうかは必ず分かります。だから、同じデザインのパンツを毎日はいていて、さらにクリーニングに出したそのパンツの匂いが薄ければ、その少女はビキニ型宇宙人に寄生されているという事になるのです」
「いや、それはそうかもしれないけど、少女がクリーニングに出したパンツの匂いをこっそり嗅ぐのは、いくらなんでもダメでしょう!」
そう私が言うと、ツキヨちゃんは私をたしなめる。
「スミレ先輩、私たちは、宇宙人の侵略から地球を守るという重大な使命を背負っているのですよ! 少女たちのパンツを観察するのも、少女たちがクリーニングに出したパンツの匂いを嗅ぐのも、全ては地球のためなんです! スミレ先輩は、この使命の重要性がまだ分かっていませんね! そんな事では立派なビキニハンターにはなれませんよ!」
「でも……だって…………」
「スミレ先輩! あなたはビキニハンターになったんですから、でもという言葉も、だってという言葉も禁止です! もっと心を鬼にしてください!」
……心を鬼にして、少女がはいていたパンツの匂いを嗅ぐのかよ。
とんでもない組織に入ってしまった…………。
「……ツキヨちゃん、もっと別な方法で、ビキニ型宇宙人を見付ける事はできないの? 前に私が寄生された時、ツキヨちゃんはすぐにそれに気が付いたんでしょう?」
「スミレ先輩、ビキニ型宇宙人は、寄生した少女の頭の中の情報を引き出しながら、いつもどおりの行動を再現しますから、それを見付けるのは本当に難しいんです。もちろん宇宙人も、完全には行動を再現できないようなので、いつもとはちょっとだけ違う行動になってしまって、本当に親しい人間なら、なんか少し変だなとは思いますけど、それでも普通の人間は、まさか宇宙人に寄生されているとは思わないですからね。それに寄生した宇宙人は、その少女しか知らない事も全て言える訳ですから、親しい人間ほど逆にだまされてしまうんです」
ツキヨちゃんは、さらに言葉を続ける。
「それから、スミレ先輩が寄生された時の事を言えば、その時は、たまたま同じ部屋でずっといっしょに生活していたのが、ビキニハンターの私だったので、すぐにそれに気が付く事ができた訳で、そんなのは特殊な例外にすぎません。そして、そんな例外は滅多にありませんから、こうやって地道に探すしかないのです!」
私はツキヨちゃんの言葉に全く反論できず、それからしばらくすると、白いビキニの少女が、部屋に呼んだ係の者に洗濯物を渡したので、そのまま私たちは、その係の者の尾行を始める。
「……ツキヨちゃん、どこで洗濯物を奪うの?」
「寮の廊下なんかでは絶対に奪ったりはしません。いつ誰に見られるか分かりませんからね。さっきも言ったとおり、ビキニ型宇宙人が誰に寄生しているのか分かりませんから、誰にも見られないようにしないといけないのです」
そしてツキヨちゃんは、クリーニングの係の者が、寮の一階にある受付の中に入って行くのをちゃんと確認してから、私を連れて寮を出て建物の裏にまわり、そこで二人で夜になるのを待つ。
「ここに集めた洗濯物を実際にクリーニングするのは、寮から離れた建物の中なんです。それで、夕方以降に集められた洗濯物をその建物へ運ぶのは明日の朝になるので、夜になってクリーニングの係の者がいなくなれば、この中にある洗濯物は誰にも見られずに調べ放題になるという訳です」
……調べ放題っていうか、匂い嗅ぎ放題だよね…………。
これから毎日、こんな事を続けるのかと思うと、なんだか泣けてくる。
それから夜になって、建物の裏口からクリーニングの係の者たちが出て行って、そこの窓の明かりも消えたのを確認してから、さらに十分待った後で、ツキヨちゃんは裏口の扉をカードキーで開けて中に入る。
「このカードキーは、この学校の全ての扉を開けられるマスターキーです。予備がありますから、スミレ先輩もこれを持っていてください」
そのマスターキーを受け取った私は、小さな懐中電灯を持ったツキヨちゃんといっしょに、裏口から洗濯物を保管する部屋に入る。
するとツキヨちゃんは慣れたもので、真っ暗な部屋の中を、小さな懐中電灯の明かりだけで、どんどん進んで、すぐに白いビキニの少女が出した洗濯物を見付けて、それが入ったビニール袋を私に差し出す。
「さあ、スミレ先輩、お願いします」
「ええ? パンツの匂いを嗅ぐのは、ツキヨちゃんがするんじゃないの?」
「今日は私もいっしょですが、明日から怪しい少女が三人以上見付かれば、スミレ先輩は一人で自分が担当する少女の調査をしなければいけません。だから、ちゃんと今からやってもらいます。さあ、どうぞ!」
うわー………………。
昨日から突然、これまでの十四年間になかった、初めての体験だらけになっちまったよ…………。
それで私は、しばらくためらったものの、ツキヨちゃんはまじめで融通が利かないし、寮の部屋もいっしょで逃げても無駄だから、覚悟を決めるとその袋に入った白いビキニの匂いを嗅ぐ。
「ぐえ! げほげほげほ! これはちゃんとはいたパンツだよ! くそー! 他人がはいた後のパンツの匂いを嗅いじゃったよ! おえー!」
「そうですか……。残念です」
残念どころじゃないよ、まったく!
これを明日から毎日やるのかよ!
なんでビキニ型宇宙人は、よりによって、この学校に来たんだ!
宇宙人がこの学校にさえ来なかったら、私はノーパンで学校を歩いたり、昼休みに少女たちのパンツを観察したり、少女がはいたパンツの匂いなんて嗅がなくてもすんだのに!
私が心の中でそんな怒りをぶちまけていると、突然、真っ暗な部屋の中で、裏口の扉のロックがカードキーで開けられた時の、電子音が響く。
ツキヨちゃんは、すぐに持っていた小さな懐中電灯の明かりを消すと、私の身体に手をまわして、完全な闇の中で音を立てないように私をその部屋の隅に誘導する。
だけど、もしも、今、入って来たのが、ここの係の者ならば、すぐに部屋の明かりを点けるはずだ。
しかし、部屋はまだ完全な闇に包まれたままだから、この状況でここに入って来た者は、二人しか考えられない。
その一人はコハク先輩だけど、先輩がもしも私たちの様子を見に来たのならば、真っ暗な部屋の中に入って来ても、私たちが混乱するだけなのは分かるだろうから、外で待つはずだ。
そうなると、今、ここに入って来た者は、昨日、金属バットでコハク先輩の片腕を折った、黒いビキニの少女という事になる。
その黒いビキニの少女は、昨日は本気でコハク先輩を殺そうとしていたから、もしも、今、ここに入って来たのが本当にその少女ならば、これはかなり危険な状況だ。
なぜなら、ここが広い教室ならば金属バットを振り回されてもなんとか避けられるけど、この部屋は多くの棚が配置されて迷路のように入り組んでいるから、その攻撃を避けるのはかなり難しいと思われるからだ。
……いや、逆にこの部屋では、金属バットを振り回すのも難しいはずだから、むしろ安全なのか?
でも、ここに入って来たのが昨日と同じ少女だったとしても、今、持っている武器が昨日と同じ金属バットとは限らない。
もしも、その少女がナイフでも持っていれば、私たちは簡単に殺されてしまうだろう。
そう私が考えていると、その完全な闇の中で、私たち以外の何者かが、部屋の中を移動しているのが気配で分かる。
そして、その者は少しずつ私たちのそばに近付いて来て、その距離がほんの二~三メートルくらいになる。
すると、私の身体に手をまわしたツキヨちゃんが、耳元で本当にかすかな声でささやく。
「目をつぶって」
その次の瞬間に、カメラのフラッシュの強烈な閃光が周りを照らし、何者かがうめくのが聞こえる。
どうやらツキヨちゃんは、この学校では携帯電話が禁止されているので、その替わりに、いつも普通のデジカメを持ち歩いているようだ。
すぐに目を開けた私は、小さな懐中電灯を点けたツキヨちゃんが、私にまわした手をほどいて、すぐ目の前にいる何者かに向かって勢いよく身体をぶつけるところを見る。
そして、その次の瞬間には、揺れる懐中電灯の明かりの中で、その何者かが後ろに倒れる。
ツキヨちゃんは、私の手を引っ張ると、小さな懐中電灯を照らしたまま、何者かが倒れた方とは反対側をまわって棚の間を走り抜けて、裏口の扉をカードキーで開けて外へ飛び出す。
それで、ツキヨちゃんといっしょに夢中で走った私は、寮の部屋に飛び込むと、すぐに自分のベッドに入って毛布を被ったのだけれど、ずっと震えが止まらない。
そしたら、私のベッドに上がったツキヨちゃんが、同じ毛布の中に入って私を抱きしめてくれる。
「大丈夫ですよ。スミレさん。私がついていますから…………」
それから私は、その日は夕食も食べず、ツキヨちゃんの身体にしがみ付いたまま、いつの間にか眠っていた。