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ビキニハンター  作者: 柴田 洋
旧バージョン(五番目の修正版から読んでください)
4/16

(ボツにしました)

これは旧バージョンです。


この流れはボツにしましたので、第四章までしかありません。


ごめんなさい。




すみませんが、5話目に修正版の第一章を掲載しましたので、そこまで飛ばして読んでください。




 ギンは、美女の下半身に寄生しているビキニ型宇宙人に致死量の百%になるまで特別な液体をかけて、その抹殺に成功すると、気絶した美女から脱がせて手に持ったその死体を高らかに上げて叫ぶ。


「ビキニ、ゲットオオオオオオオオ! ギシシシシシ!」


 それを見て、ボクはあわててギンを止める。


「ギン、ダメだよ! そんなに目立ったら! もっと、こっそりやらないと!」


 でも、ギンは叫ぶのをやめず、その公園の周りにいる大人の男の人たちが、ギンを捕まえようと集まって来て、同時に、周りの女の人たちは、たぶん警察を呼ぶためだろう、いっせいに携帯電話を掛け始める。


 そして、研究所にいるツキヨちゃんの警告が、ボクたちの頭の中に響く。


「クロさん、ギンさん、警察車両の三台がその公園に向かっています! 最低でも六人の警察官が来る事になりますから、気を付けてください!」


 さらに、研究所にいるショウビ博士がギンを怒鳴る。


「おい、ギン! 貴様、あと二人いる美女を逃がしたら承知しないからな! 絶対にその二人のビキニも抹殺して回収するんだぞ!」


 だけど、離れた場所にいて、ショウビ博士にふっ飛ばされる心配のないギンは、その言葉にも強気で答える。


「ショウビ博士! 俺に任せてくださいよ! ウシシシシシシ! こら、クロ! 俺に付いて来い! キシャアアアアアア!」


 それでボクは、奇声を上げて大人の男の人たちから逃げるギンを追いかけながら注意する。


「ギン! 目立ちすぎだって! もっとおとなしくしてよ!」


 でも、研究所にいるスミレ博士は、冷静にボクに言う。


「クロ、ギンが必要以上に目立っているのを、うまく利用しなさい。公園にいる一般の人たちや、これから来る警察官たちも、みんながギンに気を取られるから、その隙にあんたが残る宇宙人を抹殺するのよ!」


「はい、分かりました、スミレ博士!」


 そう答えたボクは、ギンを追いかけるのをやめて、ギンとは違うルートで二人目の美女がいる方へ走る。


 すると、スミレ博士が言うとおり、周りにいる人たちはみんな、奇声を上げるギンの事だけに気を取られていて、ボクは誰にも邪魔されず、簡単に二人目の美女がいるところまで行ける。


 そして、その公園はかなり広くて、その場所ではまだギンが起こした騒ぎは伝わっていないらしく、その美女ものんびりと散歩をしているので、寄生している宇宙人を抹殺するのは簡単そうだ。


 だけど、その美女の後ろから近付いたボクは、すぐに問題がある事に気が付く。


 その美女は、大きな犬を連れて散歩をしていたのだ。


「……あのう、スミレ博士、このままあの美女に液体をかけたら、絶対にあの犬はボクを襲ってくると思うんですけど……」


「クロ、あんたのその水鉄砲に入っている特別な液体は、ビキニ型宇宙人を抹殺するだけじゃなくて、他の生物を一時的にマヒさせる事もできるのよ。だから、それをかけて、その犬を動けなくすればいいわ」


「え? でも、スミレ博士、前のチュートリアルで美女の脚に液体をかけた時は、マヒなんてしませんでしたよ?」


「それは、ビキニ型宇宙人に寄生されている美女だけは、宇宙人に意識を乗っ取られているせいで、身体がマヒする事がないからよ。でも、寄生されていない生物なら、その液体は必ずマヒさせる事ができるはずよ」


 それを聞いたボクは、公園の歩道から芝生の斜面を下った場所に腹ばいになって、そこから美女のミニスカートの中に見えるビキニに液体をかける。


 すると、その美女は悲鳴を上げながら持っていた犬のリードを離して、その犬がボクに向かって走って来るので、ボクは落ち着いてその犬にも液体をかけて動きを止める。


 そして、さらにボクは立ち上がって、しゃがみ込んだ美女にもっと近付くと、再び腹ばいになって、ミニスカートの下から致死量の百%になるまでビキニに液体をかけて、その美女に寄生している宇宙人を抹殺する。


「スミレ博士、二人目の美女に寄生していたビキニ型宇宙人を抹殺しました!」


「その調子よ、クロ。すぐにその宇宙人の死体を回収して、最後の美女のところへ向かってちょうだい。もうすでに六人の警察官が公園の中に入っているから急ぐのよ!」


「はい、スミレ博士!」


 それからボクは、気絶した美女のビキニを脱がすものの、ギンのように奇声を上げていなくても昼間の公園には多くの人の目があるので、さすがに何人かがボクの行為に気が付いてこっちに向かって走って来る。


 それで、脱がせたビキニをしかりと握ったボクは、急いでその場所を離れると、十才の小柄な身体を利用して、公園の植え込みの間をすり抜けながら、追いかけてくる人たちを振りきって最後の美女のところへ行く。


 すると、そこにはすでにギンがいるんだけど、その周りで大勢の人が、具合が悪そうにしゃがみ込んでいるので、ボクはビックリする。


「ちょっと、ギン、なんでここの人たちは、みんなしゃがみ込んでいるの?」


「俺がこの液体をかけて、マヒさせたからだ! ギャハハハハハハ!」


「ええ! ギン、人間をマヒさせたら、それは傷害行為で、完全な犯罪だよ!」


「地球を侵略する宇宙人を抹殺するためなんだから、しょうがないだろ! ウリャアアアアアア!」


「あーー! 警察官をマヒさせちゃダメだって! この国でそんな事したら、発砲されるから!」


 それで、ついに周りにいた警察官がギンに向かって発砲するようになって、あたりは騒然となるんだけど、その混乱の中でボクはなんとか最後の美女がはいているビキニに致死量の百%になるまで液体をかけて、その宇宙人を抹殺すると、その死体を脱がせて叫ぶ。


「スミレ博士、最後の美女のビキニを抹殺して、その死体を回収しました!」


「よくやったわ、クロ、すぐにギンを連れてそこから脱出しなさい! ツキヨちゃん、支援用ドローンを使って、その周辺に発煙筒をばらまいて!」


「はい、スミレさん!」


 そして、ボクはギンを連れて、煙が充満する公園から脱出しようとするものの、まだ興奮状態のギンは奇声を上げるのをやめようとしない。


「キョエエエエエ! 俺を止めてみろ! ウリャアアアアアア!」


「ちょっと、ギン、逃げるんだから静かにして!」


 でも、いくら注意しても、ギンの勝手なふるまいは直る気配がないので、ボクは研究所に帰ったら、この事をスミレ博士に相談しなければと思う。


 それでボクは、奇声を上げ続けるギンを無理やり引っ張り、なんとか警察の追跡を振り切って下水道に降りると、そのまま研究所へのルートを戻る。


 ただ今回は、ボクも、ギンの常識はずれな行動で混乱してしまって、何も考えずに美女がはいているビキニに液体をかけて、その死体を回収したけれど、冷静になってみると、やはりそういう行為には罪の意識を感じてしまう。


 だけど、まだそんなふうに感じている事がバレたら、又、スミレ博士に怒鳴られるので、ボクは感情を抑えて無言で走る。


 そして、研究所に着いてから、ボクはスミレ博士に、ギンはショウビ博士に、それぞれ持っていたビキニ型宇宙人の死体を渡して任務が完了すると、さすがにこの時ばかりは、ショウビ博士もギンをねぎらう。


「ギン、貴様のようなクズでも、どうにか世の中の役に立つ事ができたようだな。今回の働きに免じて、もうしばらくは貴様を生かしておいてやろう」


 それで、ギンの方も、さすがに研究所に帰ってショウビ博士の前に立つと、奇声を上げる事もなくなり、まともな受け答えをするようになる。


「はいっ、ありがとうございます、ショウビ博士! これからも世の中のために、がんばります!」


 それからショウビ博士は、ボクたちに向けてもお礼の言葉を言う。


「スミレ博士、クロ、ツキヨちゃん、今回、ギンに本物の宇宙人を相手にさせる事ができたのは、三人のおかげだ。本当にありがとう」


 すると、スミレ博士もギンの働きに感謝して、お礼の言葉を返す。


「いえ、ショウビ博士、最初の美女に寄生していた宇宙人を抹殺して、その死体を回収したのはギンの実力です。それと、警察官がいる場所で、三人の美女に寄生した宇宙人を全て抹殺できたのは、ギンが警察官を全て引き付けてくれたおかげですから、こちらこそ、ありがとうございました」


「そんなふうにスミレ博士に言ってもらえると、うれしいよ。あと、ギンが抹殺したこの宇宙人の死体は博士に預けるから、ここで管理してくれ」


 ショウビ博士はそう言って、持っていたビキニをスミレ博士に渡すと、ギンを連れて研究所を出て行き、その時にギンは、自分がはめていた腕輪を外してボクに投げる。


「クロ、明日、お前は別の有機アンドロイドと組むはずだから、その腕輪はそいつに渡してくれ。俺のものは、又、新しく作るから」


 そしてボクは、受け取ったその腕輪を持ったまま、ショウビ博士とギンが見えなくなってから、スミレ博士にギンの事を相談する。


「ところで、スミレ博士、ギンはさっきの公園で、美女のビキニに液体をかける事に異常に興奮していましたが、あれでは、まるで変質者です。あんな状態のギンに、ビキニ型宇宙人の抹殺をさせては、騒ぎが必要以上に大きくなって危険です。ですから、ギンにはもっと落ち着いて行動するように指導してほしいのですが…………」


 すると、スミレ博士は困った顔をして言う。


「……言っておくけど、クロ、ギンみたいに、美女のビキニに液体をかける行為に興奮するのは、男の子だったら普通の事なのよ。むしろ、あんたみたいに、そういう行為に抵抗を感じる方が普通じゃないわ」


「ええ! そんな事ないですよ! だって、そういう行為は犯罪なんですよ!」


「いいえ、クロ、そういう性的な行為が犯罪になるかどうかは、その相手が許容するかどうかで決まるから、絶対に犯罪になる訳ではないわ。もちろん公共の場所とかですれば絶対に犯罪になるでしょうけれどね」


「……それは確かにそうですが……」


「それで、私たちの目的は、美女に寄生した宇宙人を抹殺する事なんだから、その目的から外れない限り、任務中の行為で興奮するのはぜんぜん問題がないのよ。戦争中は敵の兵士を殺す事に興奮しても問題がないのと同じね」


「…………いや……そうですけど……」


「クロ、変質者というのは、自分の欲望を抑える事ができない人間の事よ。もしもギンが、一般の女性まで無差別に狙うような事があれば、それは変質者と同じだけれど、ちゃんと目標の美女だけを狙っている限り、彼は変質者ではないわ」


「……でも……」


「よく聞いて、クロ。今は地球が宇宙人に侵略されようとしている非常事態で、いわば戦争中と同じなのよ。その状況で、敵を抹殺する行為に興奮するギンと、敵を抹殺する行為に抵抗があるあんたと、どっちが地球を守るヒーローに適しているのかが分かる?」


「……………………」


 それで、ボクが黙り込んでしまうと、ツキヨちゃんがボクをかばってくれる。


「スミレさん、いくらなんでも、それは言いすぎです! クロさんは、四体の有機アンドロイドの中では、最も倫理に厳しい性格に設定されているのですから、ビキニ型宇宙人を抹殺する行為に抵抗があるのは、しょうがないです!」


「ツキヨちゃん、ギンのように倫理なんてぜんぜん気にしない性格の者ばかりでは、さすがに危険だから、クロのような性格の者も入れた訳だけれど、だからと言って、クロがずっと宇宙人を抹殺する事に悩んでいてもいい訳ではないわ」


「…………それは分かっています……」


「クロ、あんたは地球を守るヒーローなんだから、いつまでも悩んでないで、いい加減に割り切ってちょうだい。そのためには、ギンのような者を認める事も必要よ」


 そのスミレ博士の言葉には納得ができなかったけれど、反論する事もできないボクは、仕方なくうなずく。


「………………分かりました、スミレ博士……」


 それでボクは、ちょっと落ち込んでしまい、スミレ博士はそんなボクを見て、まだ何か言いたそうだったけど、そのうちに手に持ったビキニの匂いを嗅ぎ始めるので、ボクはツキヨちゃんに連れられて博士から離れる。


「クロさん、スミレさんが言った事は、あんまり気にしない方がいいですよ。それより、さっきの公園での騒ぎがどんなふうに報道されているのか、ネットで確認してみましょう」


「…………はい、ツキヨちゃん……」


 それから、ボクとツキヨちゃんは、ネットでの報道を見てあぜんとする。


「クロさん、ものすごい騒ぎになってますよ……」


「…………三人の美女がはいていたビキニを持ち去っただけでなく、一般の人たちや警察官たちを大勢マヒさせて、警察官たちが発砲する事にまでなりましたからね……」


 その報道を見ながらボクは、この騒ぎによって確実に、明日からの宇宙人の抹殺は、かなりやりにくくなるだろうと思って、げんなりする。


 さっきスミレ博士は、ボクよりもギンの方が、宇宙人の侵略から地球を守るヒーローに適していると言っていたけれど、やっぱりギンの行動はもう少し抑えてもらわないと、後々で大変な事になるだろう。


 その事は、次にギンに会った時に、しっかり話し合わなければと思う。


 そして、午後からコハクさんが出勤して来ると、スミレ博士とツキヨちゃんは回収した宇宙人の死体の解析を始めるので、ボクは何もする事がなく、博士たちがこれまでに集めたビキニ型宇宙人のデータの検証をずっとやって、一日が終わる。


 それから、ツキヨちゃんもコハクさんも自宅に帰って、スミレ博士が居住空間に戻った後で、研究所に残ったボクが、朝になるまで一人でビキニ型宇宙人のデータの検証を続けていると、真夜中になって、なぜかスミレ博士が再び研究所に入って来る。


「……どうかしましたか、スミレ博士?」


「…………ちょっとね……」


 そう言ってスミレ博士は、研究所の椅子に座って黙り込んでしまう。


 そして、それからしばらくすると、スミレ博士はボクに言う。


「クロ、地球を守るヒーローに適した者だけど…………」


 それから、再び黙り込んだスミレ博士は、さらに時間をあけてから、小さくつぶやく。


「…………いいえ、なんでもないわ」


 それで、スミレ博士は、そのまま研究所を出て行こうとするので、ボクは言う。


「……スミレ博士…………その頭に被ったビキニで、本当に宇宙人の残留思念が読みとれるのですか?」


 その時、スミレ博士は、少しだけ立ち止まったけれど、結局、何も言わずにそのまま研究所を出て行く。


 それでボクは、博士はどうしたんだろうと思いながらも、再びビキニ型宇宙人のデータの検証を続ける。

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