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ビキニハンター  作者: 柴田 洋
旧バージョン(五番目の修正版から読んでください)
2/16

(ボツにしました)

これは旧バージョンです。


この流れはボツにしましたので、第四章までしかありません。


ごめんなさい。




すみませんが、5話目に修正版の第一章を掲載しましたので、そこまで飛ばして読んでください。




 美女の下半身に寄生して意識を操るビキニ型宇宙人を狙って、ボクは水鉄砲に入った特別な液体を何発も発射するのだけれど、それは揺れるミニスカートに防がれてなかなか当たらずに、ただ美女の服や脚を濡らすばかりだ。


 そうしているうちに、美女は坂道を登りきってしまい、ボクは最初のチャンスを逃してしまう。


 すると、研究所にいるスミレ博士の怒鳴り声が、ボクの頭の中に響く。


「クロ! 何してるのよ! そのくらい一発で決めなさい! 泣いてなんかいるから、そんな事になるのよ!」


「すみません、スミレ博士……」


 それで、ボクが水鉄砲を持っていない方の腕で涙をぬぐいながら、深夜の街で美女を追いかけていると、研究所にいる助手のコハクさんが励ましてくれる。


「クロちゃん、さっきは惜しかったわよ!」


「……ありがとうございます、コハクさん……」


 でも、その言葉は、すぐにスミレ博士によって打ち消されてしまう。


「コハクさん、甘やかしてはダメです! クロ、次は地下鉄の通風口に誘導するのよ! その先の道路を左に曲がったら、それがいくつもあるのが分かるわね?」


「はい、分かります」


 そして、ボクはスミレ博士の指示に従って、美女を地下鉄の通風口の上を通るように誘導する。


 そうすると、今度も美女は、ボクの思惑どおりに通風口の方に走って行くので、ボクは美女がその上を通る直前に立ち止まって、確実にビキニに液体をかけられるように、しゃがんで水鉄砲を構える。


 それで、通風口から吹きあがる風で、走る美女のミニスカートがめくれた瞬間に、ボクが発射した液体は、今度こそなんとかビキニに命中する。


 だけど、その時にボクがかけた液体は、まだビキニ型宇宙人の致死量の68%にしか達していない。


 だから、ボクはすぐに立ち上がって、再び美女を追いかける。


 なにしろ、その液体は少しずつ乾いていくから、時間を空けずに液体をかけ続けないと、ビキニ型宇宙人を抹殺する事ができないのだ。


 そうしているうちにも、ビキニにかかった液体は乾いていって、致死量の67%、66%とだんだん減っていく。


 それで、ボクは美女が再び通風口の上を通るように、一生懸命、誘導するのだけれど、かけた液体が乾いていくのが気になって焦ってしまい、それから後はうまく誘導できなくなってしまう。


 さらに、その時、上空を飛ぶ支援用ドローンが、警察車両の接近を感知して、コハクさんがその事をボクに警告する。


「クロちゃん、警察が近付いて来るわ! さすがに、まだチュートリアルの段階で警察を相手にする余裕はないから、ある程度まで近付かれたら中止にするわよ!」


 でも、そこでスミレ博士が叫ぶ。


「クロ! その先の街路樹の上に、ボールが引っかかっているわ! それに液体をかけて落として!」


 それで、ボクは逃げる美女を追いかけながら、その先にある街路樹の上に引っかかったボールを狙って液体を発射して、それを落とす。


 そして、走りながら残り少なくなった液体のカートリッジを捨てて、新しいものと交換したボクは、続けて発射した液体でボールのバウンドを弱めて、それが前を走る美女の足元に転がるようにうまく調整すると、コハクさんがほめてくれる。


「うまいわ、クロちゃん!」


 それから、美女が、ボールを足に引っかけて見事に転び、そのスカートがめくれて丸見えになったビキニに致死量の百%になるまで液体をかけて、ボクはようやくその宇宙人の抹殺に成功する。


 だけど、そこでボクが安心して気を抜くと、すぐにスミレ博士に叱られる。


「クロ、安心するのはまだ早いわ! 警察が来る前に、そのビキニを脱がせて持って帰るのよ! 抹殺したビキニ型宇宙人を、そのまま放っておいたら、他の宇宙人に蘇生されてしまうから!」


 それで、ボクは、急いで気を失って倒れている美女のところへ行くと、すみません、すみません、と謝りながらビキニを脱がせて、それを持って、近くのマンホールから下水道に入る。


 その間に、コハクさんは支援用ドローンを使って、この周辺にばらまいておいた予備の液体カートリッジや、ぼくが捨てた空の液体カートリッジを回収して、ぼくがそこでビキニ型宇宙人を抹殺した痕跡を消していく。


 そして、ボクは、下水道の中を走りながら、自分が持つ、どう見てもただのビキニにしか見えない宇宙人の死体を見て、又、涙があふれてきてしまって、さらにスミレ博士に怒鳴られてしまう。


「ちょっとクロ、なんで、又、泣いているのよ! 確かに、さっき私は、泣くのはビキニ型宇宙人を抹殺してからにしなさいって言ったけど、本当に泣く事ないでしょう!」


「……すみません、スミレ博士……」


 その時のボクは、美女がはいていたビキニを脱がせて持っている自分が、恥ずかしくなって泣いたのだけれど、そんな気持ちでいる事を話したら、スミレ博士はもっと怒鳴るに違いないので、涙をぬぐって黙って走る。


 そして、それから、どうにか感情を抑えて研究所に着くと、いきなりコハクさんに抱きしめられて、ボクはビックリしてしまう。


「クロちゃん、すごいじゃない! 本物を相手にしてチュートリアルに成功するなんて、君は才能があるわ!」


「あ、ありがとうございます、コハクさん…………」


 美女のビキニに液体をかけて、それを脱がせて持って帰るという行為には、まだ抵抗があるけれど、それでも、こうして自分の働きをほめてもらえるのは、やっぱり素直にうれしい。


 でも、その喜びも、すぐにスミレ博士に打ち消されてしまう。


「コハクさん、クロを甘やかすのは、いいかげんにやめてください! それは、クロのためにならないですから! それから、クロ! ここに帰ったら、すぐに宇宙人の死体を私に渡しなさい! ビキニ型宇宙人の死体を私が受け取って初めて、その任務が完了するんだから!」


「はい、すみません、スミレ博士」


 そう言って、ボクはコハクさんから離れて、手に持っていたビキニ型宇宙人の死体を、スミレ博士に渡す。


 すると、スミレ博士は、それをじっと見ながらつぶやく。


「今度のヤツは白地にピンクのストライプね……。新しいタイプだわ…………」


「あの、スミレ博士、それ本当に宇宙人なんですよね? ボク、気絶していた美女がはいていたビキニを、勝手に脱がせて持って帰ってきた犯罪者じゃないんですよね?」


「……当たり前でしょう、クロ。あんた、自分の使命に疑問を持ってどうするの。あんたは、ビキニ型宇宙人を抹殺するためにこの世に生まれてきたヒーローなんだから、もっとその使命に誇りを持ちなさい!」


「……はあ……分かりました。……これからは、この使命に誇りを持てるように努力します…………。ところで、スミレ博士、そのビキニの匂いを嗅ぐのは、やめてもらえませんか?」


「あら、なんでよ。これは新しいタイプの宇宙人なんだから、それがどんな匂いか気になるでしょう?」


「えーと……その行為は変態にしか見えません……。お願いですから、人前ではやめてください」


「なによ、うるさいわね! 心配しなくても、他の三人の博士の前ではやらないわよ! でも、あんた、有機アンドロイドのくせに、管理者である私のする事にいちいち指図するなんて生意気だわ!」


 どうやら、スミレ博士が宇宙人の匂いを嗅ぐのは、ここではいつもの事らしく、助手のコハクさんは、そんな事はぜんぜん気にしていないようだ。


「じゃあ、スミレ、クロちゃんのチュートリアルも無事に成功したようだから、私は帰るわよ。明日は……と言うか、もう今日だけど、出勤は昼からにするわ。クロちゃん、初日からよくがんばったわね。お疲れさま」


「ありがとうございます。コハクさん、お疲れさまです」


「お疲れさまです、コハクさん。……クロ、私も寝るわ。ところで、コハクさんとは別の、もう一人の助手が朝早くに出勤して来るから、私が起きてくるまでは、その助手の指示に従いなさい」


「分かりました、スミレ博士。お疲れさまです」


 それからボクが、スミレ博士たちがこれまでに集めたビキニ型宇宙人の資料を検証しながら朝になるのを待っていると、夜が明けてから一時間ほどで、コハクさんとは別の助手の人が車で出勤して来る。


 その人はツキヨ(月夜)さんという名前で、年令はまだ七才だけど、十四才のスミレ博士や十七才のコハクさんと同じように、大学も卒業している立派な社会人だ(昔と違って今は全ての車が自動運転なので、七才のツキヨさんでも一人で車通勤ができるのだ)


 それで、研究所に入って来たツキヨさんは、左右で三つ編みにした髪を揺らしながら、元気にボクに挨拶してくれる。


「おはようございます。初めまして、クロさん。スミレさんの助手のツキヨです。私はクロさんが起動する前から、その姿をずっと見ていたんで、初対面という感じじゃないんですけどね」


「おはようございます。こちらこそ初めまして、ツキヨさん。スミレ博士に管理者になっていただいた、有機アンドロイドのクロです。ところで、ボクの外見は十才ですが、昨日の夜に起動したばかりで、ツキヨさんの方が年上ですから、ボクの事は呼び捨てにしてください」


「あら、クロさん、ダメですよ。有機アンドロイドに対しても、ちゃんと外見の年令に合わせて話さないと、周りの人たちから、変に思われてしまいますから。だから、クロさんは、私の事はツキヨちゃんと呼んでくださいね」


「……分かりました。ツキヨちゃん」


「でも、よかったです。クロさんがスミレさんを管理者に選んでくれて。コハクさんと二人で、誰もスミレさんを選ばなかったらどうしようと言っていたんですよ。本当はクロさんも、他の三人の博士から選ぶつもりだったのでしょう? でも、迷っているうちに、一人だけ残っていたスミレさんが、かわいそうになったんですよね?」


「えーと……ボクがスミレ博士を管理者に選んだ理由は秘密です…………。ところで、ツキヨちゃんは朝が早いんですね」


「ええ、私は大学を卒業したとは言っても、まだ七才ですから、家の門限は夜の六時で、八時には寝ないと両親に叱られてしまいますので、どうしても朝が早くなってしまうんですよ。……それより、クロさん、スミレさんの事をよろしくお願いしますね」


「はい、いえ、ボクの方こそスミレ博士の期待に応えられるように、がんばらないと……」


 そんな事を話していると、二人の人物が乗った車が、研究所の敷地に入って来る。


 それは、一人の人間と一体の有機アンドロイドで、この研究所の敷地に入る門を通過した時点で、その情報はボクの人工知能や、ツキヨちゃんの腕の端末にすぐに通知されたので、ボクたちはその二人が研究所に入って来るのを待つ。


 その一人は、スミレ博士の一つ年上になる十五才のショウビ(薔薇)博士で、ビキニ型宇宙人を抹殺するための有機アンドロイドを、スミレ博士と共同で開発した三人の博士の一人だ。


 ショウビ博士は、ストレートの髪を腰まで伸ばして、脚は悪くないはずだけど杖を持ち、とてもきれいな女性なんだけど、目が鋭くて恐い感じがするから、なんとなく近寄りがたい。


 そして、そのショウビ博士といっしょにいるのは、ギン(銀)という名前の、ビキニ型宇宙人を抹殺するために作られた四体の有機アンドロイドの一体で、ボクと同じように十才の少年の姿をしている。


 でも、昨日の夜に起動された有機アンドロイドたちは、その後すぐに自分が管理者に選んだ博士の研究所に連れて行かれたので、ボクも、ギンがどんな性格なのかは知らなかった。


 すると、ツキヨちゃんが、研究所に入って来たショウビ博士に挨拶する。


「おはようございます、ショウビ博士。今日はずいぶん早いですね。スミレさんは昼まで起きて来ないとは思いますが、起こしてみましょうか?」


「おはよう、ツキヨちゃん。スミレ博士は起こさなくていいよ。今日は、ちょっとクロと話がしたくて、早めにここに来たんだから。クロ、あなたは昨日の夜にやったチュートリアルで、いきなり本物のビキニ型宇宙人を抹殺したんだね?」


「えっ、クロさん、そうなんですか?」


「おはようございます、ショウビ博士。それは、そのとおりなんですが……」


 ボクがそう答えていると、突然、ギンが話に割り込んでくる。


「おい、クロ、お前、本物の宇宙人を抹殺したからって、いい気になって…………」


 その言葉の途中で、ギンの身体はショウビ博士の杖でふっ飛ばされて転がり、口から血を吐きながら謝る。


「ス、スミマセンでした、ショウビ博士……。つい出すぎたマネを……」


「ギン、床に落ちた貴様のけがれた血は、貴様がなめてきれいにしろ。……いや、貴様の唾液が付くと、ここの床が腐る。ツキヨちゃん、すまないけど、ここの掃除用ロボットで、ギンのけがれた血を拭き取ってもらえないか」


「いえ、ショウビ博士、掃除用ロボットは、自動的に汚れを感知して勝手にそれを拭き取りますので、床の血は放っておいて大丈夫です。それよりギンさんは、大丈夫なんですか?」


「ああ、こいつは有機アンドロイドなんだから、このくらいの傷はすぐに治る。そうだな、ギン?」


「ハイッ、ショウビ博士! このくらいの傷は、すぐに治ります! ツキヨ様、お心づかい、ありがとうございます!」


 そのギンの言葉を聞きながら、ボクは、ショウビ博士を自分の管理者に選ばなくて本当によかったと思っていた。


「クロ、すまない。私の管理不行き届きで、あなたに不愉快な思いをさせてしまったようだ」


「いえ、ショウビ博士。ボクは何も不愉快な思いはしてません」


「そうか、それならよかった。今日の午後から、あなたとギンが二人で組んで宇宙人を抹殺する訓練が予定されていて、ギンとは仲良くしてもらわないと困るからな」


 それを聞いて、ボクがギンを見ると、ギンはニヤリと笑って言う。


「クロ先輩! いきなり本物を抹殺した腕に期待してますよ! でも、あんまり調子に乗って、俺の足を引っ張らないでくださいね!」


 その次の瞬間に、ギンの身体は再びショウビ博士によってふっ飛ばされる。


「スミマセン、ショウビ博士。つい減らず口を叩いてしまって…………」


 このギンと、二人で組んで宇宙人を抹殺するなんて、なんとなく嫌な予感がするんだけど、本当に大丈夫なんだろうか…………。

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