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シャドウズ  作者: saji
24/55

第21夜 千里眼?の相談者

 

「ねーねー、開かないよ~?」


 屋上にあった階段室の扉をリナが確認する――が、どうやら開かないらしい。

 けっこう頑丈そうな扉の上部には点灯が赤く光っており、電子錠がかかっているようだった。


「どーする? 壊して中入っちゃう?」


「その場合、できるだけ音は立てないようにしてくださいね。 中の敵がどこにいるかは分かりませんが、気づかれると厄介なので」


「ある程度は音出しても大丈夫じゃない? 聞こえないって~」


「カイトさんじゃ、そんな器用な壊し方できないもんね」


「リナっちうるさいよ~」


「さて、どうしましょうかね」


 扉の前で少しばかり行き詰っていると、突然ポケットに入れていた携帯が鳴る。

 工藤たちにちょっと詫びを入れてから、携帯を取り出してみると、『倉治』の文字が画面に出ていた。


 待ってましたと言わんばかりのタイミング――


 半分呆れながら、俺は電話に出た。


「もしもし?」


「どうやらお困りのようだね?」


 ホント......毎回毎回、お前はどっから見てるんだよ。


「まさか、この状況、何とかできるなんて言わないよな?」


「そのま・さ・か! 出来ちゃうんだな~。 ちょっと待ってて」


 そう言うと、なにやらカタカタと、パソコンを操作しているような音を鳴らし始めた。


「なになに? 誰からなの?」


「ええと......僕のとも......だち? が何かしてくれるそうです」


 携帯越しでしかほとんど話したことがないやつのことを、友達と言っていいのか一瞬迷った。


「ドユコト? ()()ってなんだ?」


「なんだか怪しいですね。 やはりここは私たちで――」


 突如として鳴る、ピッという電子音――


 扉の方に目をやると、上部にあった赤い点灯が緑色に変化していた。


「開い......た?」


 カイトが恐る恐る、取っ手をつかんで扉を開けてみる。

 すると扉は奥へのすき間を作った。


 中へ入れるようになった......ようだが、みな互いに顔を合わせ、怪訝な表情を浮かべていた。

 リナを除いて。


「おぉー、 あきやくんの友達すごいね!」


「怪しい......怪しすぎますね。 その友達は何者なんですか?」


「......すみません。 僕もあんまり分かってないんです。」


「もしかしたら、罠なのかも――」


「あっ、ちょっと待ってください......あの、工藤さんに代りたいそうです」


「私にですか?」


「はい、なんか話したいそうです」


「......まぁ、いいでしょう。 私が見定めますよ」



 携帯を渡して工藤に代わる。


 工藤が俺たちと少し離れた場所まで移動し、電話を耳にあてた。



 ――しばらくして、工藤が携帯を切り、俺たちのもとへ戻ってきた。


「まだ疑惑はありますが......私たち――というか、明希也くんを助けたいだけだと言っているので、彼はただ、友達想いの強い人なのかもしれませんね」


(倉治......)


「遠隔でドアのロック解除するなんてすごいね! わたしも話してみたーい!」


 手を出して携帯をおねだりするリナ。

 工藤はそれを相手にせず、話を続けた。


「それと......彼からここの構内図を送ってもらいました。 この構内図を頼りに、まずは監視制御室を目指し、監視カメラを使って情報を集めようと思います」


「おけー」

「異論ありません」

「ちょっと! 無視しないでください~!」


 不貞腐れるリナをカイトがなだめて、扉の奥へと背中を押して運んでいった。

 時任もそれに続いて入っていく。


「工藤さん」

「はい?」

「その......あいつ怪しいですけど、悪い奴じゃないんで大丈夫だと......思います」


 倉治について、俺もほとんど知らないので、ちゃんと答えられないことは申し訳ないと思った。

 でも、霧生同様、なぜか俺の手助けをしてくれるあいつのことを、信用してしまっている自分がいる。根拠はないが、悪い奴ではないと感じるのだ。


「......真剣な口調で言ってましたよ『友達の助けになりたいだけだ』って」

「そうですか......」

「完全に信じるわけではないですが、今は彼の助けを素直に受け止めましょう 」


 ――いつか倉治には、直接礼を言ってやりたい。そう思った。


 先に入った三人の後を追いかけるように、工藤と俺も暗闇の扉の中へと足を踏み入れた。


読んでいただき、ありがとうございました。

次回もよろしくお願いします!

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