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シャドウズ  作者: saji
21/55

第18夜 問題児?

18話です。それでは、どうぞ〜!

 

「ほ、本当に呼ぶんですか?」


「あぁ。 あいつなら十分に戦力になるだろう」


 眉間にしわを寄せ、なんとも渋っている様子の工藤。あの冷静な人もこんな顔をするんだなと、話を聞いている横で感じていた。


「あの子、俺より問題児だし大丈夫かなぁぁぁぁ~。 一回考え直さないですか?」


「カイト、自分が問題児だっていう自覚はあったんですね」


「あの子といると、毎回私の計画が丸潰れになります。 大幅な時間のロストです。 今すぐ作戦の変更を求めます」


 霧生に対して抗議する三人。

 それを目にすると、なんだか不安になってくる。


「そ、そんなに問題児なんですか?」


「見た目は結構可愛いんだけどね~」


(『可愛い』ってことは......女性、なのか!? なんかめっちゃ気になってきた!?)


 やれやれ、というように霧生が頭をかく。


「そうは言っても、お前ら三人じゃ心もとないんだろ? あいつを連れていけば、明希也を守りながら簡単に作戦をこなせると思うぞ。 おれ、いらないかもな! ハッハハハハ!」


 それを聞いた三人の間に沈黙が降りる......。


 霧生の笑い声だけが鳴るこの状況はいったいなんなんだ。


 と考えていると、何かを決意した顔つきでカイトが詰め寄ってくる。

 俺の肩をつかむと、真剣な表情を笑顔に変えてみせた。


「いや~ごめん! あきやんには悪いけど、俺たちがぜっったいお姉さんを救出するから! だからここで帰りを待っててくれ!」


 引きつっていた。あからさまに笑顔が引きつっていた。


「なっ! さっきはなんか、味方してくれてたじゃないですか!?」

(てか、あきやんってなに!?)


「背に腹は代えられぬ」

「ホントにどうしたんですか!?」

「それほど、カイトも私たちも嫌なんだよ」

「明希也さん、私からもお願いします」


「お前ら、いい加減にしろ!!」


 その霧生の一喝は、この場全員を動から静へと強制的に移り変えた。


「あいつもパージストだ。 まだ訓練兵だが、場数はかなり踏ませてあるし、実力はお前らならよく知ってるだろ」


「いや、実力とかは全然、全く、これっぽっちも心配してないんですが」


「じゃあ何が不満だっていうんだよ」


「価値観の違い......とか? 会話が成り立たない時がよくあるし」

「奇想天外なところです」

「何を考えているのか、誰も分からないので、組織で行動をするには向いていない人種なんですよ彼女は」


 ほぼ間を空けずに、即答する三人。


 聞いている限りだと、悪いイメージしかないが――ホント、いったいどんな人物なのだろうか。



「はぁ......いいかお前ら、どんなやつにもクセの一つや二つあるものだ。 そういう奴らと同じチームになった時にしっかりと連携が取れるようになっておかなきゃ――」


「だから、あの子はパージストの中でも例外的におかしくって――って......何度言ってもダメか。 霧生さんには伝わらないことだ。これは」


「どこか似ている部分がありますしね」


「霧生さんが鍛えただけありますよね」


「そりゃどうも~」


「「「ほめてないですよ」」」


 今までの会話、そして三人の呆れたような顔を見て、霧生と彼らの付き合いが、苦労の絶えないものであるのだと察することができた。




 ドクン......。


「......っ!」


 ――それは唐突に起こった。


 誰かが、窓ガラスを突き破って入ってくる未来が見えた。


「窓ガラスから誰か侵入してきます!!」


 敵か味方かは分からないが、警戒する必要があると判断し、霧生達に報告する。


「うわぁ! いきなりどうしたの!? そんな大声出して」


「いや、ほんとに――」


 耳を切り裂くガラスの割れる音が、カイトとのやり取りをかき消した。


 予知で見た通り、誰かが窓から侵入してきたのだ。


 身体を曲げ、低い体勢でかがんでいる侵入者。


 いったいこいつは味方か、それとも――


「やっと来たか、リナ」


「......え?」


 霧生が侵入者に声をかけた。


(ってことはこの人が――)


 跳ねるような勢いで立ち上がったかと思うと、こちらを向いて、彼女はニッとほほ笑んだ。


「やほっ!」


読んでいただき、ありがとうございました!

次回もよろしくお願いします!

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