第18夜 問題児?
18話です。それでは、どうぞ〜!
「ほ、本当に呼ぶんですか?」
「あぁ。 あいつなら十分に戦力になるだろう」
眉間にしわを寄せ、なんとも渋っている様子の工藤。あの冷静な人もこんな顔をするんだなと、話を聞いている横で感じていた。
「あの子、俺より問題児だし大丈夫かなぁぁぁぁ~。 一回考え直さないですか?」
「カイト、自分が問題児だっていう自覚はあったんですね」
「あの子といると、毎回私の計画が丸潰れになります。 大幅な時間のロストです。 今すぐ作戦の変更を求めます」
霧生に対して抗議する三人。
それを目にすると、なんだか不安になってくる。
「そ、そんなに問題児なんですか?」
「見た目は結構可愛いんだけどね~」
(『可愛い』ってことは......女性、なのか!? なんかめっちゃ気になってきた!?)
やれやれ、というように霧生が頭をかく。
「そうは言っても、お前ら三人じゃ心もとないんだろ? あいつを連れていけば、明希也を守りながら簡単に作戦をこなせると思うぞ。 おれ、いらないかもな! ハッハハハハ!」
それを聞いた三人の間に沈黙が降りる......。
霧生の笑い声だけが鳴るこの状況はいったいなんなんだ。
と考えていると、何かを決意した顔つきでカイトが詰め寄ってくる。
俺の肩をつかむと、真剣な表情を笑顔に変えてみせた。
「いや~ごめん! あきやんには悪いけど、俺たちがぜっったいお姉さんを救出するから! だからここで帰りを待っててくれ!」
引きつっていた。あからさまに笑顔が引きつっていた。
「なっ! さっきはなんか、味方してくれてたじゃないですか!?」
(てか、あきやんってなに!?)
「背に腹は代えられぬ」
「ホントにどうしたんですか!?」
「それほど、カイトも私たちも嫌なんだよ」
「明希也さん、私からもお願いします」
「お前ら、いい加減にしろ!!」
その霧生の一喝は、この場全員を動から静へと強制的に移り変えた。
「あいつもパージストだ。 まだ訓練兵だが、場数はかなり踏ませてあるし、実力はお前らならよく知ってるだろ」
「いや、実力とかは全然、全く、これっぽっちも心配してないんですが」
「じゃあ何が不満だっていうんだよ」
「価値観の違い......とか? 会話が成り立たない時がよくあるし」
「奇想天外なところです」
「何を考えているのか、誰も分からないので、組織で行動をするには向いていない人種なんですよ彼女は」
ほぼ間を空けずに、即答する三人。
聞いている限りだと、悪いイメージしかないが――ホント、いったいどんな人物なのだろうか。
「はぁ......いいかお前ら、どんなやつにもクセの一つや二つあるものだ。 そういう奴らと同じチームになった時にしっかりと連携が取れるようになっておかなきゃ――」
「だから、あの子はパージストの中でも例外的におかしくって――って......何度言ってもダメか。 霧生さんには伝わらないことだ。これは」
「どこか似ている部分がありますしね」
「霧生さんが鍛えただけありますよね」
「そりゃどうも~」
「「「ほめてないですよ」」」
今までの会話、そして三人の呆れたような顔を見て、霧生と彼らの付き合いが、苦労の絶えないものであるのだと察することができた。
ドクン......。
「......っ!」
――それは唐突に起こった。
誰かが、窓ガラスを突き破って入ってくる未来が見えた。
「窓ガラスから誰か侵入してきます!!」
敵か味方かは分からないが、警戒する必要があると判断し、霧生達に報告する。
「うわぁ! いきなりどうしたの!? そんな大声出して」
「いや、ほんとに――」
耳を切り裂くガラスの割れる音が、カイトとのやり取りをかき消した。
予知で見た通り、誰かが窓から侵入してきたのだ。
身体を曲げ、低い体勢でかがんでいる侵入者。
いったいこいつは味方か、それとも――
「やっと来たか、リナ」
「......え?」
霧生が侵入者に声をかけた。
(ってことはこの人が――)
跳ねるような勢いで立ち上がったかと思うと、こちらを向いて、彼女はニッとほほ笑んだ。
「やほっ!」
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