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シャドウズ  作者: saji
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第14夜 決意

まだまだ書き方に拙い部分がありますが、頑張って自分の作品を分かりやすく伝えていこうと思ってます。

感想ももちろん、「こうしたら見やすくなるかも」みたいなコメントも送ってくれたら、嬉しいです。

 

 しばらくすると、テレビに映っていた大型ショッピングモールが見えてきた。何事もなく、目的地にたどり着けそうだったので、ほっと一息吐く。

 さらにショッピングモールの方へと近づくと、大勢の人々が、がやがやと騒いでいる光景が見えてきた。


「妻と娘がまだ中にいるんです! 早く助けてください!」

「まだ救助できないんですか!? いつごろ救助できるんですか!?」


 その叫び声の先では、パージストたちが壁のように立ち塞がっていた。彼らは、街の住民から次々に声を浴びせかけられ、さらにはマスコミなどからもカメラやマイクを向けられ、質問責めされているようだ。


「今はまだ詳しい情報はお伝え出来ません」

「夜の外出は危険ですので、ご自宅へ戻るようにお願いします」


 しかし、パージストたちは何度も同じようなセリフを繰り返し、誰一人としてショッピングモールの中へは入れない徹底ぶりを見せていた。


(うわぁ、大変だなぁ)


 と思いつつ、自転車を適当に停め、自分も人だかりの中を進んで中を覗こうとした。が、ショッピングモールの入り口らしきところには、頑丈そうなシャッターが下されていた。


 入り口前には広い駐車場があり、車やバイクがまだ多く停まっている。それがショッピングモールで買い物をしに来た人々が利用してきたものであることを考えると、かなりの人数が事件に巻き込まれているということが想像できる。

 パージストたちの乗る緊急車両も点々と見られ、その台数からも、この事件の重大さが伝わってくる。


「中を覗くな! 子供は早く家に帰れ!」


 近くに立ち塞がっていた男のパージストが、俺を後ろに押しやった。


(くそ! シャッターは閉まってるし、これじゃ中の様子は見えないか)


 不満を感じながら人だかりを抜けて戻り、きょろきょろと辺りを見回してみる。

 そして改めて実感する。やはりテレビで放送していたことは本当だったということを――。



 シャドウの襲撃――。


 とても信じられない話だが、今まさにシスト市で前例のない襲撃事件が起こっている現場にいるのだ。


(この街は平和だと思っていたのに......)


 しかし、今はそんなことを考えている場合ではない。何か少しでも、ショッピングモールの中を確かめる手がかりがないか、再び辺りを探っていく。


「ん? あれは......」


 さきほどは気付かなかったが、騒いでいる住民たちから少し距離を置き、じっとショッピングモールの方を見ている二人の姿が目に入った。彼らのこと――どこか見覚えがある。


(......っ! あれは、今日助けてくれた――)


 名前は確か、霧生と工藤――だったか。


 俺は二人のもとへと近づいていった。


「あ......あの」

「ん? おや君は」

「お前も来ていたのか、明希也」


 この人たちもパージストだ――って言っていたし、何か知っているかもしれない――。


「これって......何が起こってるんですか?」


「シャドウの襲撃ですよ。 それも計画性の高い襲撃です。 まだ多くの人質があの建物の中に取り残されています」


 再び、ショッピングモールの方に目を向ける。


 ここに押し寄せている大勢の人たちも、俺と同じなんだ――。


 シャドウの活動が活発化する、夜の危険な時間帯に外出してでも、家族や友人の身を案じて、ここに来ているんだ。


「姉が......俺の家族が......まだあの中にいるかもしれないんです!」


 不安で満ちた市民の空気にあてられ、俺も我慢できずに抱えていた不安を打ち明けた、


「それは......」

「なんとかなりますよね!? パージストがみんな助けてくれますよね!?」

仮初(かりそめ)の望みは持つものじゃない。 もう死んでいてもおかしくない状況だ」


 言われて、


「お前は早く家に帰れ。 俺たちの準備ができ次第、迎えに行く」


 ――そうだよな。今日会ったばっかの人に助けを求めても、こうなるよな......。


 でも――俺はまだ――諦めきれない。

 結衣とも約束したんだ。


 ――必ず姉ちゃんを連れて帰るって。



「俺は......あんたらと一緒には行けない。 俺は最後まで――家族を助けられるまで、情報を集める」

「お前に何ができるんだ。 数時間前のことだって、俺たちがいなければ、お前は死んでいたんだぞ?」

「くっ......うるせぇ、そんなの分かってんだよ......」


 事実を突きつけられ、いら立ってしまった。


 そんなこと、自分がよく分かっている。それでも――


「大切な人が危険な目に合ってるかもしれないなら、何かできるように動くしかないだろ」

「......霧生さん、どうしますか?」

「......勝手にしろ」

「だそうです。 明希也くん、よかったですね」

「......え、なにが?」

「許可が出たんですよ。 とりあえず、私たちの知っている情報を提供します。」

「......っ!」


 やったぞ。

 これで美奈を助ける手掛かりがつかめるかもしれない。


「今からとある人物に会いに行きます。 そこに私たちの仲間もいます。 そこで、シスト市の抱える闇と直面することになると思いますが――覚悟はできてますか?」

「その闇を見て、まだその決意が揺るがないなら、お前の家族の救出の件――考えてやってもいい」

「覚悟はできてます! 俺の決意が固いってことを証明して見せます!」


 迷わず、そう答えた。


 ――この時、俺は小さな希望の糸を手繰り寄せた感じがしたんだ。


 それをみすみす手放すわけにはいかない。なんとしてでも美奈を助けるんだ。



 俺の言葉を聞き、霧生と工藤が移動を開始する。



『このままシスト市にいれば死ぬ――』


 工場で工藤の言っていたその言葉が、頭の中で思い出される。


 まだ、その言葉の意味をよく理解できていない。

 それも二人についていけば分かるのだろうが――なんだか、自分が深い闇に潜ろうとしている気がしてならない。


 とはいえ、今は二人についていくしか選択肢はない。

 美奈を助けるためにも、彼らから情報を聞き出さなければ――。


 強い決意を胸に、俺は二人の後を追うことにした。


読んでいただき、ありがとうございました。

次話もぜひよろしくお願いします。

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