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龍の瞳  作者: しろーと
第二章 なんでこんなことに・・・
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第七話 森の中で寝床探し1

「いつまでもへたり込んでいても仕方ないか。」


俺は抜けた腰に力を入れて立つ。大分落ち着いたようですぐに立てた。


「さて、これからどうするか。このままここにいてもまた襲われるだけだよな。」


だったらと思い、刀を腰に差し、先ほどの戦闘で散らばった携帯食料やメダルをポーチの中に入れてそこから離れる。


「取り敢えず、寝床を探そう。今夜は野宿だ。予測ではあるが、さっきのような化け物が夜に活発化するかもしれないしな・・・。」


しかし、ここは森の中。安全な場所何て早々見つかるものではない。むしろ見つかれば幸運といえるであろう。


「適当に歩いてみるか。」


そう呟いて歩き出す。何と無くスキル欄を見てみた。こういうのは小まめに確認していまうたちなのだ。


〈スキル〉

鑑定Level 2

言語Level MAX

魔力抑制Level MAX

剣術Level 3


ん?剣術のスキルが追加されたな。既にレベルが3まで上がっている。ついでに鑑定もだ。早いな、レベルが何処まで上がるのは謎だが。

イモムシを一体倒すだけで3も上がるもんなのか?鑑定もいつの間にか1上がっているし。

鑑定は刀を鑑定したからなのだろうか。これもたった一回で?

疑問が尽きないが、その事は頭の隅に置いておいた。どうせ考えても無駄なのだ。

と、そこまで考えたところであの幼女神の言葉が頭に響いた。


〈レベルは一般人の2倍ほど早くなるようにしたわ。〉


そんな声が聞こえ、思わず聞き返したが、返事は返ってこなかった。多分俺がそう言う思考をしたら勝手に再生されるものだったのであろう。

ていうか、2倍ってかなりエグいくない?他の人より2倍少ない数を倒すだけで、その人に追いつくってことでしょ?うん、十分チートだわ。


「でも、まだレベルが低いからさっきのイモムシを倒して、有る程度上げるしかないか。」


レベルが上がるのが早いとはいえ、いきなり強い敵と当たって、死にましたー。では話にならない。


「剣術Levelが追加されたから、多少はこの刀を上手く使うことが出来るのかな。」


俺は腰の刀を抜き、軽く素振りをして見るが・・・

やはり素人、というのは変わりない。本当に少し、しっくりくる程度にはなったが。それも雀の涙ほどである。


「やっぱり、さっきのイモムシは雑魚中の雑魚らしいな。何せ剣術のスキルがない状態で倒せたんだからな。」


そう考えると顔が羞恥に赤くなる。そんな雑魚相手に「来るなぁ!」なんて叫んだのだ。これは恥ずかしい。


「冷静になれば、大丈夫なはず・・・よし、大丈夫だ。」


俺は気持ちを引き締めて、刀を腰に再度差す。

取り敢えずは寝床探しだ。俺はキョロキョロと周りを見ながら歩き出した。












「まぁ、何にも出会わない分けないよな。」


俺の目の前には2体のイモムシがいる。どちらもこちらを見て、捕食しようとしているようだ。

俺は刀を抜く、今度は大丈夫だ。と自分に言い聞かせ、力をを一旦抜く。


「・・・よし。出来る。」


俺は決意を固め、再度力を込める。最初に動き出したのは右側にいるイモムシだった。

体当たりをしてくる。


「プギュイィィ!」


相変わらずよ不快な声で此方に突っ込んでくる。俺は今度は少し身体をズラして、それを避ける。

その背中にさっきの時と前の戦闘の時と同じ様に斬りつけようとした、が。


「ぐあっ!」


後ろから体当たりをくらい、俺は地面に吹き飛ばされた。そこまでの威力はないものの、それでも殴られた事がまったく無い俺には苦痛だった。

もう一体のイモムシが突進して来ていたのだ。二体いる事を知っていたのにうつつを抜かしてしまった。


「くそッ、目を離すんじゃなかった!」


そう毒付きながら俺は素早く立ち上がる。

我ながら敵から目を離すなんて馬鹿なことをしたと思う。そんな自分に苛立つが、今は目の前だ。

多少ダメージを受けたものの、そこまでキツイものではなかったので、意識を二体のイモムシに戻す。


「さぁ、どっちからでもかかってこい。」


俺は挑発のようなものをする。攻撃を受けた身からしたら無様極まりないが、そんなことは気にしない。

また右側にいたイモムシが再度突進してくる。

今度は刀を構え、左に避け、相手の通り際に右から真っ直ぐ前にイモムシの右側を斬りつけた。


「くらえ!」


俺は通った後に攻撃しようとすると、後ろから突進されるから避け際に攻撃することにしたのである。


「プギュイィィ!?」


いつもの苦痛の声を上げる。しかしそんなことを気にしている場合ではない。既にもう一体が突進して来ているのだ。

右脚を軸にし、左脚を右脚のほうへ持って行った。そして、イモムシの左側を同じ様に斬りつけた。要するに、さっきの逆バージョンをしたのである。

二体の苦痛の声が上がり煩いが、俺は振り返り、悲鳴を上げている一体に向けて、何度か切り刻む。

返り血を若干浴びてしまったが、一匹を絶命させた。


「よし!一匹!」


すぐさまもう一匹の方を向くと、体制を立て直した様で、引きずりながら、だんだんと距離を取っていた。


「逃がさない!」


俺はイモムシに向かって走り出す。それはすぐに追いついた。


「おら!おら!」


もう気持ち悪さなんて感じてる暇がないのでその気持ちを押し殺して、斬る。

やがて、イモムシは絶命した。


「はぁはぁ、ふぅ。」


俺は落ち着いて血のついた刀を何度か振り、血を落とした。どういうわけか、綺麗に落ちた。それこそ何も付いてなかったかのように。


「これも神様の力かな?」


こんな綺麗さっぱり落ちる何て普通はありえない。

これはあの幼女神の力なのであろう。


「何にせよ、貴重な水を使わないで済むのは幸いだな。」


そういいながら、刀を鞘に納めた。

二体のイモムシを倒したから、スキルレベルが上がっているかもしれないので確認をする。


〈スキル〉

鑑定Level 2

言語Level MAX

魔力抑制Level MAX

剣術Level 6

自動回復Level 2

回避Level 3


剣術スキルは6まで上がっていた。そして新しいスキルも追加されていた。取り敢えず後にしてまずは剣術Levelに付いて調べた。

もしかして、イモムシにもLevelがあるのだろうか。

ちょっと気になったので、あまり近づきたくはないが、イモムシに向かって鑑定!と念じた。

すると・・・


〈種族〉

魔物

〈名前〉

ジャンボイモムシ

〈スキル〉

突進Level 4


と出た。なるほど、生きてる物は種族と名前が出てくるのか。てか名前まんまか!少しは捻ろうぜ・・・。

やはり、読んだ通り、突進のLevelがあり、一体一体違うようだ。

もう一体も鑑定したら突進Levelは2だった。それは俺が体当たりを受けたほうだ。運が良かったみたいだ。


次に自動回復Levelに付いて思考してみる。そういえば、突進された後暫くしたら痛みが消えていた。だからイモムシを走って追い掛けられたのだ。

たぶん、このスキルの習得条件はダメージを受けることなのだろう。


「この自動回復Levelは一般人にも適用されるのか?だとしたらここの世界の人達は小さな怪我は瞬間的に回復するのか。」


最もLevelを上げるには攻撃を受けるしかないのだが。たぶん。


「ん?そういえば、Levelが2って俺が食らった突進も2だったよな。」


もしかして、相手の放った攻撃のLevelに沿って、このスキルはLevelが上がるのだろうか。

だとしたら、上のLevelの攻撃を受ければ受けるほど、上がって行くのか。

いや、偶然かもしれないので結論を出すのは早い。


「なんかその上げ方は嫌だな。そうなると慢心していまう可能性があるな。」


要するに、どんな攻撃を受けてもすぐに治るから、ダメージを受けても気にしなくなる可能性があるのだ。俺はそんなマゾにはなりたくない。


「まぁ、その辺はおいおいわかってくるか。」


次に回避だ。これはそのまんまであろう。俺は冷静になって避けただけだが。これは敵の攻撃を避ければ避けるほど上がっていくのだろうか。そうなると例えば、訓練する時とかには便利だ。何せ避けるだけでLevelが上がるのだ。これのLevelをあげて損はないだろう。


「中々有用性のあるスキルが取れてラッキーだな。この世界の人達はどのくらいのスキル、どんなスキルを持ってるんだろうな。」


俺は安心していた。この世界でも生き残れる可能性が出て来たからである。

しかし、ここでの目標は自分の目についてと、この目を俺に転移させた者の捜索である。

それを達成するためには強くならなくてはいけない。そして、生き延びなけれならない。俺は気を引き締めて、取り掛かることにした。


「さて、引き締めたはいいが、時間がヤバイな、日が落ちてきてる・・・。本格的にヤバイんじゃねこれ?」


今の目標は安全な所での休息であった。


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