第1章6話 「アーメン」
少し短いですが、話の区切り上これで投稿します。
宜しくお願い致します。
僕はその場に立つと頭から順番に足まで力を抜いていった。
勿論立っているのだから、足や腰を脱力しきる事は出来無い。
しかし、出来るだけリラックスさせ深呼吸する。
3度程深呼吸したところで、呼吸を4泊呼吸に切り替える。
4泊呼吸とは、4つ数える間深く息を吐いて、次に2つ数える間息を止める。
そして4つ数える間息を吸って、又2つ数える間息をとめる。
これを胸式呼吸で繰り返す呼吸法だ。
この途中、力を抜いたはずの場所に力が入りそうになってしまうが、意識して脱力。
脱力しながら意識を呼吸に集中して、頭を空っぽにしていく。
そしてリラックス出来たと感じたら、人差し指と中指を揃えて伸ばしたまま、他の指を握る。
いわゆる剣印というやつである。
頭の上、拳一つ位上に太陽の様な光源をイメージする。
その光源に剣印の先を当てる。
その状態で息を深く吸い、はるか頭上、それこそ宇宙の彼方から光の柱が降りてくる様イメージ。
同時に、その光を剣印で引き下ろす感じで額に触れる。
息を吐き言う。
「アテー(汝)」
更に剣印を下げ胸の中央に当て、
「マルクト(王国)」
右肩に剣印を当て、
「ヴェ・ゲブラー(峻厳と)」
左肩に剣印を当て、
「ヴェ・ゲドゥラー(荘厳と)」
剣印を解き、両手を祈りを捧げるキリスト教徒の様に胸の前で組む。
そして、
「レ・オーラム・アーメン(永遠に、かくあれかし)」
同時に、今までは開ける事の出来なかった何かの扉が、僕の中で開き出すのを感じた。
向こうの世界では開けられなかった扉だ。
良し、続けよう。
周りが騒ぎ出しているが、止められていない以上続けよう。
再び剣印を握ると正面に五芒星を描き中心を指す。
「ヨド・へー・ヴァウ・へー」
右を向き正面に再び五芒星を描き中心を指す。
「アー・ドー・ナイ」
更に右を向き正面に五芒星を描き中心を指す。
「エー・へー・イー・イエイ」
更に右を向き正面に五芒星を描き中心を指す。
「アー・グラ」
更に右を向き、最初の向きになおると、最初の五芒星の中心を指す。
そして、両腕を水平にあげ唱えた。
「我が前にラファエル。
我が後ろにガブリエル。
我が右手にミカエル。
我が左手にウリエル。
我が周りに五芒星は燃え、柱の上に6つの星は輝く」
剣印で十字を切りながら再び唱える。
「アテー・マルクト・ヴェ・ゲブラー・ヴェ・ゲドゥラー・レ・オーラム・アーメン」
次の瞬間、僕は自分の中から何かが弾けるのを感じた。
それは圧倒的な力と快感をもたらした。
そして、快感の中で意識を失った。
次回、石井ちゃん視点で小西の魔法を。
第1章7話「姉上、危険は無いのだな」
読者様とおっさん達に幸多からんことを。