表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさん3匹異世界記  作者: 三色アイス
3/48

第1章1話 「やっぱダイの○冒険でしょ」

どうにも話の展開が遅いです。

とはいえ、おっさんですから若い主人公と違って色々考えてしまいます。

作者共々宜しくお願い致します。

とりあえず、詳しい話は明日で良いという流れにはなった。

3人共かなり飲んでいるのはあきらかだし当然の判断だろう。

ただ、最小限お互いの自己紹介だけはおこなった。

最初に僕等に近づいて来て話かけて来た少女は


「私はアマスラント帝国皇帝アレクシア・ラ・ソラキスと申します」


そう名乗り、


「この度は私達の勝手な都合で勇者召喚の儀にて貴男方を召喚して申し訳ありません」


と頭をさげた。

うん?勇者?テンプレかもしれんが聞き捨てならん単語だ。

しかし、今は聞き流しておこう。


「すぐに部屋を用意させますので、用意出来次第そちらでお休み下さい。

そちらの要望通り詳しい話は明日、落ち着いてから致しましょう」


そう言ってもう一度頭をさげた。

いや、あきらかに地位が上の相手、しかも大きく年下の女性に頭を下げられるって、すごく罪悪感と気まずさをかんじる。

いつの間にか僕の横に来てた二人も同様なようだ。


「お聞き届けありがとうございます、皇帝陛下。

私は石井冬彦と申します。

事情は良くわかりませんが、宜しくお願い致します」


と早速石井ちゃんが自己紹介し、軽く頭をさげた。

続いてヨッシーが


「自分は吉田武彦であります、お見知りおきの程宜しくお願い申し上げます、陛下」


と頭を下げ自己紹介した。

おい、いつもと言葉使いが違いすぎだろ、ヨッシー。

最後に僕が、


「僕は小西宏美と申します。

性、つまり家名が小西、名が宏美です。

こちらの二人も同様で、僕等の国では家名が前に来ます。

どうぞ宜しくお願い申し上げます、陛下」


と自己紹介した。


「突然異郷に連れてこられ、混乱や戸惑いもあるでしょうに、丁寧な挨拶、痛み入ります。

さすがは伝え聞くヒノモトのダンシですわね。

御三方、こちらへついて来てください。

私を支える重臣達を紹介致します」


え、ヒノモト、ダンシ?言葉が通じているのも驚きだが、日本や日本人を知っている?

まあ、召喚するなら相手の事知っていてもおかしくは無いかな。

でも、部屋を用意するとはどういうことだ?

召喚するなら予め用意してるだろう。

色々疑問があるな。

そうして、僕等の異世界生活は始まった。



あの後、皇帝陛下から重臣の方々を紹介された後、部屋の用意が出来たとの事でそれぞれの部屋へ案内された。

案内されたが、飲み残した酒やツマミが勿体無いので宴会の続きをしたいと言ったら問題無く許可された。

そこで、僕の案内された部屋に3人で集まった。



しかし、勿体無いって普通に通じたな。

あれって日本特有の言葉だよな、海外には該当する言葉が無いって話だ。

地球ではそうだったはずだ。

僕等に掛かっている翻訳の魔法がすごいのか、それとも別の理由があるのか。


「で、小西さんは何を話たいんだ?」


とテーブルの席につくやワインをグラスに注ぎながら石井ちゃんは言った。


「え、単なる宴会の続きじゃないのか?」


ヨッシー、それは呑気すぎるだろ、流石に。


「こんな状況で吉田さんじゃ無く小西さんが飲み会の続きを言い出す。

らしくないだろう、何かあると思うさ。

小西さんなら酒を飲むより状況の整理とか考える時間に当てそうだ」


さすがは石井ちゃんだ。


「いや、それ程たいした事を話すつもりじゃ無い。

ただ、状況認識の整理と共通化、それと方針の統一化をしておきたかったんだ」


そう言うと石井ちゃんは僕のグラスにワインを注ぎながら少し笑い、


「それをたいした事じゃ無いとは豪気だねぇ。

十分重要な話だと思うよ」


と言った。


「そうだな、十分重要な話だ」


ヨッシーも同意する。


「でも、それなら飲み会じゃなくても良いよね、そう言う事なの?」


うわー、石井ちゃんするどすぎ、さすが頭の回転が良い。

そして話が早い。


「どういう事なんだよオメエ等」


とヨッシー。


「一応の警戒ってこと。

僕等はこの状況でも呑気に酒飲でます、無条件で信用しちゃってますって事。

警戒なんてしてませんって事」


そう説明する。


「そうこの国の連中に思わせて裏でコソコソか?

性格悪いぞ小西。

この国と敵対する気か?」


とヨッシー。


「それをこれから話そうってんでしょ、ねえ小西さん。

これはそうなった場合への布石でしょ」


「ホント鋭いねぇ、まあ、僕としては敵対するつもりは無いけど一応ね」


そう言いながらワイングラスを揺らしながら鼻に近づけ香りを嗅ぐ。

うん、中々良さそうなワインだ。

一口飲んで話を続ける。


「前提条件として今の状況を整理すると、僕等3人以外で確実に味方と言える人間はいない。

更にここは異世界で情勢もわからないし、物理法則なんかも元の世界と同じかは確実じゃ無い」


僕がそう言うと石井ちゃんが続けて言う。


「とりあえず呼吸はできるし、重さも大して変わらないみたいだから物理法則まで考え無くても良いんじゃない」


「そうだ、そこまで考えるのは細かすぎだろ、オメエらしいけどよ」


とヨッシーも返す。


「うん、そうなんだけど、場合によっては必要になるかもしれない。

とにかくわからない事ばかりで、表向きこの国に敵対どころか頼らないと一切の行動ができない、というのが僕等の現状だ」


ホント無理ゲーだろ。


「うん、それはわかった。

で、小西さんの方針としてはどうなの?私としては様子見に徹するしか無いと思う、無論警戒は怠らずというのは当然として」


と石井ちゃん。


「そうだろうな、選択の余地が無いだろう、これじゃ」


とヨッシーも同意する。


「まあ、ここまでは話すまでも無く結論が出ているも同然だからねぇ。

むしろ本題はここからさ。

さっきの皇帝の発言で気になる事がいくつかあった。

一つは部屋を用意すると言った事だ」


それに対しヨッシーが


「別に部屋を用意してくれる位当たり前だろ、親切で良いじゃないか」


と言った。


「あっ、そういう事か、召喚する事がわかっていて事前に部屋を用意して無いのはおかしいか」


石井ちゃんは話が早いな。


「そういう事。

つまり、3人が召喚されたのはイレギュラーかもしれないという事。

おそらく部屋は一つしか用意してなかったんだ、勇者のための部屋は。

更に考えを進めれば、僕等が召喚されたこと自体がイレギュラーの可能性がある」


「ちょっと待て、勇者ってなんだ、勇者って」


とヨッシーが慌てて返す。

なんだ、ヨッシーは聞き逃していたのか。


「皇帝は言ったよ。勇者召喚の儀って」


「小西さん、それってやっぱり」


「うん、石井ちゃん、僕等は勇者として召喚されたんだ、この世界に」


「ちょっと待て、なんで俺等が勇者なんだ、ただのタクドラだぞ俺等は」


「ヨッシー、それをこれから考えるんだ、石井ちゃんもいいね」


「ええ、そこは考えとかなきゃまずいでしょ。

最悪の状況まで想定して」


うん、最悪の場合、僕等は間違いで召喚されたのかもしれない。

もっと勇者にふさわしい人間と。


「二人は勇者と聞いてどんなものを思い浮かべる?」


石井ちゃんは


「やっぱダイの○冒険でしょ。

私はゲームやアニメは詳しく無いからこれくらいかな。

さすがにジャ○プは読んでいたからね」


ヨッシーは


「俺もそうだな。

ちなみにおれはクロ○ダインのおっさんが一押しだ」


「じゃあダイの○冒険に絡めて状況を整理しようか」



石井ちゃんは普段はニッシー、ヨッシーと呼んでますが、真剣な話の時は小西さん、吉田さんとなります。

次回 第1章2話 「自衛隊は十分チートです。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ