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おっさん3匹異世界記  作者: 三色アイス
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プロローグ1

初めまして、読み専でいられなくなった作者です。拙い駄文ではありますがよろしくお願い致します。

「私の言葉がわかりますか?異世界のお方」


薄暗い石造りの部屋で目の前の少女が話かけてくる。

窓の無い閉ざされた空間。

松明の灯りだけが光を灯している。

湿度を考えると地下室かなと酔った頭でかんがえる。

金髪、碧眼、白い肌、それに推定年齢十代前半とくれば、大きいお友達にはどストライクだろう。

その上、西洋人形の様な感じで容姿も整っていれば文句無しだと思う。

ホント、こんな状況じゃなければ。

更に言えば僕が35歳のおっさんじゃなければ。

せめて20年前にあいたかった。

本気でそう思った。



さて、どう答えるか考えなくてはならない。

そう考え後ろを振り返る。

そこには、さっきまで飲み会キャンプをしていたまんまの状態の同僚2人がいる。

二人共、動揺と混乱が表情にこれでもかというほど現れている。



トラブル発生時に頼れるのはヨッシーより石井ちゃんだ、と考えると頭を丸坊主にした30後半から40前半に見える男性の方にアイコンタクトを試みる。

丸顔で温和な雰囲気の顔を困惑に曇らせた彼は小さく首を振る。

迂闊な言質は避けろ、と言う事か、それともどう対応するべきかわからないという事か。



とはいえ、何も答えないというのもまずいだろう。

状況が進まない。

意を決し彼女に向き合う。

こういう時は日本の大人の必殺手段だ。


「すいませんが、今、だいぶ酒に酔ってます。

詳しい説明やお話は後日に出来ますか」


人はこれを問題の先送りと言う。

しょうがないじゃん、本当に酔ってんだから。

一体、どうしてこうなった。



キャンプのきっかけは先月の会社の組合有志のバーベキューだ。

僕たちの勤務する横浜都市交通というタクシー会社の労働組合は、営業所ごとに支部を置き、支部ごとにイベントをひらくことがある。

バーベキューもその一つだ。

普段なら参加しない僕だが、今回は飲み友達のヨッシーと石井ちゃんが参加するというので初めて参加した。



ヨッシーは本名、吉田武彦よしだたけひこ33歳、入社は僕より先輩で、営業所では風俗王の一人として知られてる。普段は無口で静かな感じだが酒が入ると一気に体育会系のノリになる。カラオケの定番は六甲おろし。



石井ちゃんは本名、石井冬彦いしいふゆひこ37歳、僕の半年後に入社したほぼ同期で、現在組合の支部役員をしている。変わり者の多いタクシードライバーにしてはかなりの常識人で、後輩の面倒見もよく皆に慕われるムードメーカーでもある。頭を剃った丸顔で温和な雰囲気は徳の高い坊さんみたいだが、赤ワインをこよなく愛し、結構おしゃれさんなところもある。



僕は小西弘美こにしひろよし35歳、現役のオタクで基本、家で一人ですごすのが一番好きなヒキコモリ予備軍だ。

残念ながら魔法使いにはなれ(ら?)なかった、一応言っておく。



自宅警備員になるには金も頼る相手もいないので仕方なく働いてるのが現状だ。

そんな僕だがこのバーベキューで、実は究極のインドア派と自称していたが、たまにソロキャンプをしているアウトドアマンだったということが皆にばれた。



だってしょうがないじゃない、ミリタリーがはいればト○ンギアのストームク○カーとか、メタルマッチとかハンティングナイフに憧れちゃっても。

春とか秋のオフシーズンに一人で山に入ってアンニュイな感じで紅茶をのんでもいいじゃない。

わかってるさ、キモヲタの僕がやっても絵にならない事ぐらい。

でも、やりたい時があるんだ男の子には。



そんな話の中で、たまには違った形で酒を飲もう、そう三人で飲み会キャンプをやろうという話になったのだ。

行くのは僕の行きつけの県内山奥のキャンプ場。

山奥でも管理小屋の周辺はWi-Fiがおkの優れものな場所。

スマイリー動画のソロキャンパー達にも人気の場所だ。

ヲタはネット環境がないと不安で死んでしまうwww。



テントも用意した。

ヨッシーには後輩のなんちゃってバイカーの鈴木から借りて用意した。

月明かりの名前で有名なバイカー定番のテントの2型だ。


「小西さん、いっそ一万で買いません?俺もうちょっと背の高いのに買い替えたくて。」


そう言う鈴木に使い勝手を試して、よかったら考えるという事で借りた。

無論、買う気は全くない。

だって、僕はカーキャンパーだから。

無理に小さいテント使う必要は無いし、今は殆んどテント自体使って無い。



そして、石井ちゃんには僕の愛用してた雪のマークのメーカーのアメ○ティを貸す。

このア○ニティは値段の割にフライシート(テントの一番外側に張るシート。)で居室の前に前室が出来るタイプのテントで、そこに荷物をおいて雨露から守る事が出来る上、高さもそこそこあって気に入っていたテントである。

更に雨天のキャンプでは前室で調理も出来て便利この上無い。



そして僕だが、テントは使わない。

ついにキャンプの暗黒面、いや道具集めの暗黒面と言ったほうが良いかもしれん。

キャンピングカーに手を出してしまったのだ。

堕落だとは思うが、年を取ると楽したくてwww。

いつか皆にもわかる時が来るさwww。



国内某メーカーの1BOXの改造車で俗に言うバンゴンというタイプだ。

つまり外観はノーマルと殆んど変わらず、室内をフラットに出来、シンクや水タンク、予備バッテリーや追加のヒーター等が付いてる程度のシンプルなタイプだ。

僕のには左側面上部にタープになるサイドスクリーンが付いている。

5ナンバーの中古のこれを去年、ついに買ってしまった。



テントを張らないキャンプ、楽だー。

特に雨天での撤収はすごく楽になった。

堕落した、との自覚はすごく有る。

だってしょうがないじゃない、人間なんだもの。



その他残りのキャンプに必要な道具は僕が持っている物でまにあわせた。

ソロキャンが基本でも、道具集めの泥沼にハマるキャンパーは多い、そう多いんだよ。

だから寝袋やなんかもみんなそろった。

そして、乗務スケジュールを調整し、10月のある日、僕達はキャンプに出発した。

いよいよ始まったおっさんサーガ。いまだ執筆ペースが良くわからないので不定期になるかもしれません。ご容赦下さい。出来れば週1位をめざしたいです。次回プロローグ2「こまけぇこたぁいいんだよ」

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