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Full metal judgement  作者: 直線T
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ぷつり、と音声が切れた。これ以上の報告がないことを確認すると各自ベッドに横になって睡眠をとることにした。

 「武今回はかなり危なかったね。一回戦でこれだとかなりやばいんじゃない?余裕を持つくらいじゃないと勝ち残っていけないよ?」

 「ああ、分かってる・・直接的な相手は得意だが木場みたいなタイプは経験がない、他にもあんな奴が現れた時のために対策を練らなきゃだめだな・・・」

自分では余計な感情を消していたつもりでいた・・・まだまだ未熟だと言うことか。しかしおれには開催者を殺すという目的がある・・なんとしてでも。

 「それはそうと一つ聞いておきたいことがあるんだがいいか?」

 「なんだい?」

 「Fastの能力のことだ。『Atom』は元素を自在に操る便利な能力だ。かなり応用もきく。しかしそれでは物足りないんだ・・そこで聞いておきたいのはそろそろレベルアップの頃合いじゃないか?ってことだ」

Growの能力は大きく言うなら成長。戦いでの一連の流れをポイントとして計算し、その良し悪しで合計経験値が決まる。その経験値を余りなくすべて使い果たし、レベルアップの一定ラインを越えていると新たな能力へと段階を進められる。しかしその反面過去の能力は使えなくなる。

 「そうだね、うん。そろそろレベルアップの時期かな、ていうか遅いくらいだよー。まぁしかたないけどさぁ」

するとGrowは卵の形になって光を発した。武もGrowのレベルアップを見るのは初めてだ。Growの中から何かぶつぶつと声が聞こえてくる。

 「馬谷 清・・1000、菅田 虎彦・・10000、Ghost×80・・8000、合計19000。レベルアップ可能です。しますか?しませんか?」

なんかゲームみたいだな。まぁしかたないか。

 卵からいきなり光のボタンが照らしだされた。『YES』『NO』と書かれている。武は迷わずYESを押した。すると卵が割れてGrowが出てきた。しかしその姿はいつもと違っていた。今までの芋虫のような姿が今度は小さな幽霊のような姿に変わった。手足は短く下半身はぼやけていて無いに等しい。

 「お前・・・見た目すごい変わったな。赤ん坊の幽霊っていうか・・・まぁ相変わらず変なお面つけてるけど。」

 「ちょっとちょっと聞きづてならないねー。結構気に入ってるんだけどなぁ・・・それに顔見られるのあんまり好きじゃないんだよねぁ。」

そういうとこなんか女っぽい感じがする。実際性別でいうとどっちなんだ・・。まぁ男だろうか。分からない・・。

 「なんだ恥ずかしいのか?」

 「んー。まぁ、そんなところですかねー。ていうかどっちでもいいじゃないかー。とりあえず寝ようよっ」

二人は深い眠りについた。武が寝る前に気づいた事だがGrowは時折消えたり出てきたりするがちゃんと寝るらしい。話をしていても思ったが単なる精神の塊のような存在なわけではないようだ。武が絶対いなくならない友達を欲したように、Growは生き物と類似しているのかもしれない。

 「ふぁあ、よく寝た。武起きなよ・・・あれ?武?」

武はすでにベッドにはいなかった。元々朝は強い方だが、いつも散歩に行ったりするようなキャラでもない。

 「俺はこっちだ」

 「ん?ああ、よかった。そんなところで何してるのー?」

武は部屋の隅のバッグを整理していた。普段からバッグとか持ち歩いていないはず・・・どこからだしたのだろう?とGrowは思っていたが開けっ放しのタンスにいろんな種類のバッグが置いてあったのが見えた。ホテル内を散策し、物の持ち運びが必要な時用にという配慮だろう。武は何枚かのシーツを器用に畳んでバッグの中に入れていた。その他いろいろバッグの中に入れていた。バッグはドラム型のだ。

 「部屋の物を持ち出すなとは書いてなかったろ?まぁだめなら返せばいいだけなんだが・・何かに使えるかもしれないと思ってな。たとえば・・・」

武はバッグの中に入れていた。救急箱から消毒液と包帯とテープを取り出した。それを腕に巻く。そしてリストバンドで傷口を隠した。武はいつ怪我をしたのだろうか。今回の戦いで切り傷をするような場面はなかった。

 「その怪我どうしたの?右手のそれだけのようだけど・・・」

 「これか?ああ、木場との戦闘の時にナイフを分解させただろ?あれを分解させたのはいいんだが脳が強制支配下にあったためか精神状態が不安定でな。分解が中途半端だったんだよ。それで腕に少し切り傷を負ってしまった。心配かけたか?」

事実として挙げると武は戦闘において傷を負ったことが一度もない。もともと近接でも遠距離でもない武は体が強いとはいえない、どっちつかずだ。だから武は傷を負う戦いを避けてきた。しかし今回は一回戦であっさりと傷つけられた・・外面的にも内面的にも・・。昨日のレベルアップは武の臆病ではないらしい。

 「心配したさー。もー、気を付けるんだよ?」

 「次からは気を付けるよ・・」

 一回戦で50人だった参加者は10グループに分けられ40人となった。次のゲームでも同じように減らされるだろう・・・。

 「次のゲームについての発表が行われます。至急、ホールに集合されますようお願いいたします。なお、遅れてもこちらは一切責任をとりません。集合は今から10分後となっております。」

 アナウンスが終わると各自走って会場に向かった。遅刻で退場など洒落にもならないからである。しかしこのような時でも武はマイペースである。

 「武ー。いそごうよぉ。間に合わないよー?」

二人が会場に着くと自分以外の全員が集合し終えていた。すでに藤堂が真ん中で話す準備をしている。こちらを見て周りを確認した。

 「全員そろったようだな。では次のゲームを決めるとするか・・・そうだなぁ・・君に選んでもらおうかのぉ」

指差した方向にいたのは菅田だった。指されたのにびっくりしたのかいつものことなのかはわからないがどうしようもないアホ面をしている。どうやらこのゲームの決定権を託される者はランダムで決めるらしい。

 「え?俺っすか?まいったなぁ・・へへ、なんか緊張する。そうだなぁ・・・俺はこの大会のトップを目指してるんでね、『tower』だ。天を突きぬける塔。登りがいのある塔をいっちょたのみますよぉー」

 「フハハハハ。ふむふむ・・・なかなか君らしい答えだのぁ。では次のゲームは塔にする。ルールは十階建ての塔を上り、十階にあるフロアにいち早く到着した30名を次のゲームへと連れて行こう。詳細は一回戦と同じようにルールカードに記して渡しておくので見たまえ。では開始!」


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