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Full metal judgement  作者: 直線T
17/19

十七

そのころの第五地区。ここには佐野がいる。

 「私に何か用ですか?」

 「私は『服部 源内-はっとり げんない-』という者。放送は聞いているはず。手合せ願いたい」

服部は忍者のような姿をしている。そんな格好をしているのだから口調まで統一しようとは思わなかったのだろうか?というツッコミはしてはいけない。

 「私は佐野 正義。まぁお手柔らかに・・・」

佐野は一瞬でスーツをまとった。しかしその隙に服部は姿を消していた。決して目を離していたわけではない。

 「あれ?あの忍者の人は・・・」

おかしいですねぇ・・・。さっきまでちゃんといたんですが・・。

 「うっ・・・」

佐野は強烈パンチを食らった。しかし佐野はなんの反応もない。まるで敵を探そうとしていないようだ。

 「あの忍者の人はどこへいったんでしょうか・・・」

今はそんな暇ではないはずだ。

 「私の能力は姿を消すのではなく認識できなくすること。殴られても貴方は殴ったのが私だという思考にはいたらない。いるのは分かっていてもいるとは思えない。矛盾しているかもしれないがどうにもならない。というかこの言葉すら私だと思えない・・・認識できないでいるだろう」

なんです?何か声のようなものが聞こえましたが・・そういえば一体あの忍者はどこに?ではあの声は一体・・・忍者は帰ったのですか?・・・。

 相手が何をしようとそれが服部だという考えにはいたらないし存在を知ることもできない。どうしようない能力なのだ。

 「自分で言っていて・・ぐっ・・頭がおかしくなってきまし・・ぐっ・・た・・さっきから腹部が痛いですが・・・」

話の途中で殴られていてもどうすることもできない。佐野はひたすら考えていても答えはでてこないのだ。

 「考えていても始まりませんね。では私も能力を発動します。あの忍者さんがどこかへいってしまったんのが不思議ですね・・あの人を認識しましょう」

何を言っている・・?私は認識できない。それは能力発動前の私をたどったところで同じ。一体どうするつもりですか・・。

 「いましたね。そこです」

 「!?」

佐野は服部を見つけると腹部に強烈なパンチを入れた。

 「ごふっ・・・」

あれ?どこかで声がしましたね・・あの忍者の人とこの声は何か関係があるのでしょうか・・・もう一発入れておきますか。

 「うぐっ・・一体・・・・どういうことだ・・・」

「あなたの能力はわかりませんが殴られていても一向に相手がわからないので能力を発動する前だった忍者を対象として発動させていただきました」

忍者を・・対象?・・。なんのことだ・・。

「私の能力は正義。私の正義に基づいた行動を現実のものとする能力です。つまり私に忍者は見える。そして認識できないあなたでも私は殴れる。認識できないあなたとでも私は会話できる。そういう能力です」

なんだって・・・チートじゃないか・・私が攻撃してもそれは正義の下に避けられる・・・。馬鹿げてる・・・。どうしようもないじゃないか・・。今まではただ思考が追い付いていないだけで避けられたというのか・・・。

 「自分に嘘をついて自分の正義に反する行動は現実に反映されません。私は自分の願いを叶える正義の下にあなたに制裁を下します」

 私は貧しい家庭にいた。食べ物もほとんどなく・・・餓えて死にそうな毎日を送り続けていた。そして両親は私を奴隷としてある組織に売られた。そこではいつも重い何かが入った箱や白い粉を渡され、主人の家に届けるのが仕事だった。しかしある日、家に着いた途端警察がはいって来た。

 「違法銃器密輸および麻薬の取引で現行犯逮捕する!」

私が主人の元に運ぶまでで警察につけられていたいたようだだった。主人の私を見る目がとても恐ろしかった。

 「坊主・・これからは俺ん家に来い。お前はこんなとこで終わっていい人生なはずはない。正しい正義を持て」

その数年後。父は何者かによって暗殺された。街中でナイフを刺されて倒れていた所を見つかったそうだ。路地裏で犯人を見つけた。殴り殺した。

 「これが正義ですか・・・」

今まで曖昧だった自分の正義のぶれが無くなった。

 「私の正義の糧となってください」

今度は顔にパンチを食らわす。

 「ぐっ・・・一時離脱するか・・・」

服部は素早くその場から逃げていった。足は速く、民家の間をすばやく隠れていった。おそらく常人では追いつけないほどのスピードである。

 「少し頭がよろしくないようですね・・・私はあなたに追いつける。そういう速さを私は持っている」

とてつもないスピードで服部に追いついた。

 「何っ・・・そうか・・・私は馬鹿だった・・・」

 「私と当たらなければおそらく勝利していたでしょう。いや、能力がわからない人が多いですからなんとも言えませんが・・。それでもあなたの能力は十分つよい、ただ相手が悪かったんです。というかもう能力が解除されてるんですね・・そうですかあなたが忍者ですか・・驚きましたよ」

服部は膝をついて倒れた。

 「私を認めてくれますか・・・。大会では卑怯だのと罵られてきましたがあなたのような人もいるんですね・・」

 「私も人の事いえませんしね」

二人は笑いあった。さっきまで戦っていたとは思えないほどだった。

 「殺してください・・もう悔いはないですから・・」

 「あなたを殺すことは私の正義に反します。殺してしまっていい人ではない。私はそう思います・・つまり私はあなたを殺せない。正義に反する」

服部はくすりと笑った。

 「そうですね・・・死まで人に頼ってしまうとは私も愚かでしたね。最後まで私は情けなかった・・・」

そう言ってふところから小さな刀を取り出した。地面にあぐらをかき、その刀を自らの腹に突き刺した。

 「ぐっ・・・あなたに頼んで殺されれば私は悔いが残っていたでしょう・・・それに気づかせてくれたあなには感謝しています・・」

あっという間に佐野の戦いは終わった。これが一人で第三地区を殲滅した男の力。味方ならば頼もしいが敵だったと思うと・・。

 「ここで報告のアナウンスをさせていただきます。第四地区四名により、第一地区四名が倒されました。また、第一地区一名により第四地区一名が倒されました。現在第四地区は三名、第一地区は一名となっております。報告は以上です」

報告のアナウンスが終わった。チームの一人が第一地区の者によって倒されたがのこされたメンバーは三人。

 「私です、残っている者は応答してください」

 「あ・・私も・・います・・」

 「こちらGrowっ!無事です!」

となると残った者は私と吉崎さんと銀君くんですか・・菅田くんとはあまり相性は良くなかったですが残念ですね・・・。

 「あの・・・残りの一人は?」

 「あ、はい。そうですねぇ・・・私は能力上いけませんのでどちらかお願いしたいのですが・・頼めますか?」

佐野の能力は正義・・・敵が一人で自分たちが三人というこの状況が本人の正義に反するらしく、このゲームではもう戦闘を行えないらしい。

 「俺が行こう・・・」

 「・・・わかりました。吉崎さんもそれでいいですか?」

 「あ・・はい・・でも私も戦闘を自発的に出来るようになったのでいつでも援護できますから・・・」

 「ああ、分かった」


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