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Full metal judgement  作者: 直線T
13/19

十三

「銀か・・まぁあいつ以外に考えられねぇ」

 「おそらく銀君でしょうね・・・」

 「・・銀君・・・・」

この結果はいい方に傾いた。武の働きで他のチームは第四地区のマークのついた者を見かけてもほとんど襲わなくなった。

 「柄にもなく目立ってしまった・・まぁ名前が明かされないだけましか・・」

 「でも武って見た目そんなにだから怖がる人いないんじゃない?」

たしかに武は目を見るまでは普通の人間にしか思えないだろう。しかし目を見てしまえば敵は臆してしまう。

 「ここで追加の報告があります。第四地区の一名により第三地区が完全に殲滅させられました。これにより第三地区は失格とさせていただきます」

 このアナウンスを他の場所で聞いていた藤堂はにやりとした。

 「佐野じゃな・・・」

佐野はまだ能力は出ていないが武と同等、もしくはそれ以上と行っても過言ではないほど強い。

 「私の正義の前では勝利をあきらめざるおえない・・・」

佐野は立ち上がって転送の扉を開けた。開けるとそこは第二地区の巨大なビルの前だった。民家の前から一人のよわよわと見つめる男がいた。

 「ねぇ、アイアンマンって知ってる?あれ大好きなんだよね。私もあんなヒーローになりたい。私を狙うのはやめた方がいい・・・」

男はおびえて走り去っていった。

 佐野は鉄の鎧をまとった。それはまさにアイアンマンのようだった。そしてとてつもないスピードでビルを駆け上がっていた。

 「ここで観察させてもらいますよ」

 武は第二地区の駅に着いていた。第四地区、第一地区とまわってみたがだれとも出くわさなかったから第一地区の駅で休んでいたのだ。

 「武ー。なんか暇だねー」

 「戦わないに越したことはないんじゃないのか?」

たしかに初戦で三人も倒したのだ。少し休める程度で丁度いい、しかしレベルアップのこともも踏まえて考えねばならない。

 「あとどれくらいでレベルアップだ?」

 「んー、柴谷が15000、さっきの三人が一人あたり12000だから51000だね。もうレベルアップできるけど?」

なるほどな・・・しかしやはり今レベルアップするのも・・・どうしたものか。

 「今はいい・・」

今は敵を早く倒して終わらせることに専念しないとな。少し周りを探してみるか。

 武は扉を開けると第二地区に飛んだ。そこはマンションの前だった。相変わらず敵は見当たらない。しかし音が聞こえた。

 「どこかで戦闘が行われているな・・様子を見に行くか」

マンションから少し歩いた民家の裏に隠れながら戦闘を見た。胸のマークを見るとどうやら敵は第五地区の残り二人だった。そして向かい合っているのは吉崎。

 「あの・・なんでしょう・・・」

 「さっき俺の力みせたろ?あれは単なる警告だが次はマジだ。今降伏するなら気づ付ける気はないぜ?」

 「そうそう、降伏しちまえよ。お前は女だし弱そうだから見逃してやるっていってんだよ」

どうやら吉崎がからまれてるようだな・・しかしあいつらの発言はいただけないな。第四地区の大会で最後まで勝ち残ったメンバーを性別だけで弱そうなどと・・ここは出るべきではないな、自分で片づけなければならない問題。

 「女だし・・・・?ぐっ・・・」

吉崎は唇を噛んだ、目からも怒りが伝わってくる。吉崎はあまり自分の話はしないが武が少しだけ聞いた話があった。

 吉崎は有名な発明家の娘だった。大きな会社も設立しており、それなりに楽しい生活をしていた。

 「私・・大きくなったら父さんの会社継ぐ・・・」

 「そうか・・ありがとな」

娘が一人しかいない吉崎家のあとを継ぐのは燈子しかいなかった。腕も親の意思を受け継ぐいい腕をしていた。しかし部下はあまりいい気はしていなかった。

 「まずい・・・ネジが数本はずされている!君たち逃げろっ!爆破する!」

ネジをはずしたのは部下の一人だった。

 「両親が亡くなったのは非常に残念なことだ・・あとは私にまかせてきなさい。君の父さんに負けないように会社を育てるよ」

優秀な部下の一人が無理やり社長になった。腕はもちろん良いが吉崎には劣る。それに吉崎は納得できなかった。

 「あの・・私が・・」

 「君は女の子だ。こういうのは男にまかせなさい」

納得できなかった。すぐにこの人が犯人だと悟った。

吉崎の能力は武も見ていない。

 「お?やんのか?」

 「俺達、西島兄弟をなめないほうがいいぜぇ?」

西島兄が口が悪い方、人の意見に乗りながら発言するのが西島弟。どちらもあまり良い性格はしていないようだ。

 「いくぜっ!」

西島兄が吉崎に向かって走り出した。吉崎は一度能力を見ているからか、後ろに避ける。

 「逃げるんじゃないっ!」

二島弟も吉崎に向かって走りだした。弟の方が足が速いようだ。吉崎は弟につかまったがすぐに振りほどいた。

 「意味はない。ふれることに意味があるのだからなっ」

弟は空を掴んで自分に引き寄せるような身振りを見せた。すると吉崎は西島兄弟のいる方に引き寄せられてしまった。おそらく磁石のようなものだろう。そして兄の周りに何か円のようなものが展開された。

 「あれは・・たぶん円に入った物を消し飛ばす能力・・・」

 「その通りだぁぁぁ」

まずいな、あれでは殺されてしまう・・・。しかし俺も危うい・・。

 「ぐあっ」

弟が武に蹴り飛ばされた。そして兄の円へと吹っ飛んでいく。

 「まずいっ」

兄は弟を円の中に入れないために円を閉じた。しかし一足遅かったらしく、弟の頭の半分が消し飛んでしまった。

 「うあああああああ、弟よおおおおおお。すまないいいいいい」

泣き叫ぶ兄に吉崎が近寄る。

 「今・・楽にしてあげます・・・」

 兄が殺意の目を向けた途端、吉崎の横の何もない空間から人二人分くらいの長さと丸太のような太さの手が現れた。それは現れた瞬間、兄をふっ飛ばした。

 「!?」

何も抵抗など出来なかった。円を展開する暇もなく飛ばされた、骨はほとんど砕けてしまった。

 「お前の能力・・・」

 「私は攻撃なんて出来ません・・相手の攻撃を感知して発動します・・・」

吉崎の能力は正当防衛の能力。相手が攻撃してきたら自分を守るための拳が振り下ろされる。

 「じゃあ俺はここで」

 「あ・・はい・・」

アナウンスが始まる。

 「報告のアナウンスをさせていただきます。第四地区二名により、第五地区が殲滅させられました。これにより第五地区を失格とさせていただきます。第一地区五名により、第二地区の三人が殲滅させられました。報告は以上にな・・な・・・」

 ジジ・・という音でアナウンスが切られた。


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