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Full metal judgement  作者: 直線T
12/19

十二

そして音はやんだ。

 なるほどチーム戦か、しかし合流するまでは個人。仲間と会う前に殺されるか殺すか、そして仲間に出会ったとしても相手の罠や、単純に能力で一気に殺される可能性もある。個人で行動した方の利点をとるかチームでの利点をとるか・・なかなかシビアなゲームだ。

 「武、とりあえずワープ機械さがそっ。たぶんそうしないと始まらないし。自分たちの場所で待つのが定石だろうけどそれだといつまでたっても終わらないし・・」

 「ああ、そこまで時間をとるゲームじゃあないだろうし範囲は歩いて10分程度の距離だろうな。ゆっくり探そう」

武とGrowは家に入り、食糧などをさらに追加した。ゲームの説明を聞き、長期戦を予想し、持ち合わせでは不安になってきたのだ。

 「さて、探しにいくか・・」

とりあえずワープを交通手段と考え、近くの駅に向かった。武の予想は正しく、このゲームの参加者が送られた場所はすべて駅まで5分から10分程度の場所だ。

 「ねぇねぇ武っ!あの扉何?」

Growが指した方向には駅にはそぐわぬ一般的な扉があった。

 「あの扉・・・開けてみるか」

武がドアノブを開けるとそこはまったく違う場所だった。ここは第五地区のE市。

 「ここは第五のE市か・・さて、ここら辺に敵は・・・」

周りを見渡してみるが敵の姿は見えない。転送される場所は駅ではなく武のような民家の前だった。あまり高い建物は無く大きな駅が少し先に見えた。歩いて七分ほどだろう。

 「完全に気配を消しているかただいないだけか・・とりあえず駅に向かおう。隠れるとすれば駅に向かうまでじゃないと出会うこともないしな」

 「よっし、行きますか」

二人は駅に向かって行った。そして歩いて五分のところ、突如地面が爆破した。

 「ぐっ」

 「うあっ、武大丈夫!?」

カチッという音に気づき瞬時に避けた事で軽傷ですんだ。おそらく地雷のようなものがしかけてあったのだろう。しかし幾度の戦いを潜り抜けてきた参加者がこんなもので死ぬはずはないと敵も気づいている、つまりこの近くでとどめを刺そうと待ち構えているはずだ。

 「くくく、やはりこの程度では死なんか・・」

 「ちょっとこの程度って罠を仕掛けた私に対する侮辱?」

 「てめぇら黙ってろ」

武の前に一度に三人も現れた。体格のがっちりした男と小柄な女の子にちゃらちゃらとした、菅田の性格を悪くしたような男。

 「ちっ・・めんどうだ・・」

武は戦闘態勢に入る。

 「俺から行かせてもらうぜ。俺の名は『松本 俊平-まつもと しゅんぺい-』だ」

松本は大きく口を開ける。すると舌には小さな丸い菓子のようなものが入っていた。戦闘中に菓子を食べる余裕の見せつけなのだろうか。

 「くらえ!」

その丸いものを武に飛ばした。

 「なんだあれは」

武は避けるとその球体が後ろの民家に当たった。するとその球体はいきなり爆発し、民家の一部が崩れ落ちた。一つにさほどの威力はないようだがあれが人間に当たると考えると恐ろしい。

 「なるほど・・・体内で小型の爆弾を生成する能力・・・といったところか」

 「ご名答。罠を作ったのはたしかにあいつだが元の爆薬は俺のだ」

さてどうする・・当たると厄介だが接近に持ち込まなくてはこちらとしても話にならない・・。

 「武、どうする?バッグのやつ使う?」

 「ああ、Fで行く」

武はすかさずGrowのガントレットをまとうと敵に向かって走って行った。

 「馬鹿だなお前はっ!能力を見れば接近するのは困難だとわかるはずなのになっ!」

武は飛んできた爆弾にポケットから出したハンカチを当て、自分は左に転がりながらよけた。ハンカチの当たった爆弾は爆発した。どうやら何かに当たると爆発するようだ。

 「そう何回もできるかねっ」

もう一度飛ばそうと口を開いた瞬間武は今度はポケットからシャーペンを取りだし、松本の口に向かって飛ばした。吹き出す前に爆弾は松本の口の中で爆破し、顔のほとんどが消し飛んだ。

 「ちょっとあいつやばいんじゃない!?」

起き上がった武にはガントレットが無かった。

 「次は俺の爆弾だ」

何かの気配を感じて二人は振り向くと後ろにはGrowがいた。手に持っているのは 閃光弾、それが二人の元で思いっきり炸裂した。閃光弾は武が部屋にあったのをとってきたものだ。このゲームでは武器使用不可のルールは無かった。なぜそんなものが部屋にあったのかは武とGrowは知らないがこれは会長が用意したものだった。

 「ぐっ・・・目が・・・」

 「何にも見えないっ!」

二人はひたすら逃げ道を探そうとしたが何も見えないでいる。そして二人同時に頭を掴まれた。そして武は手を放して民家の後ろに隠れた。

 「奴は・・奴はどこに・・・」

前のように満身創痍じゃない。二人同時だからといってたいしたことじゃない。

 「もうっ!どこいったの」

 二人はあたふたとしていた。武が指を鳴らすと二人は同時に体中から水を吹き出して叫ぶ暇もなく倒れてた。

 ガチャっとノイズが聞こえる。アナウンスのようだ。

 「状況報告をさせていただきます。第一地区・・五名、変わりありません。第二地区・・三名、第三地区三名により戦闘不能となりました。第三地区・・四名、第二地区一名と相討ち。第四地区・・四名、変わりありません。第五地区・・二名、第四地区一名により戦闘不能となりました。状況の報告は以上です」

他の全員が驚いた。第三地区三名で同じ数相手に一人をさいたのに第四地区の一人はたった一人だけで三人を殺した。


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