9 牛乳の効用
「ところでしばらく聴いてないんだけど」
「何を?」
「桐山さんの得意なちょっとエッチなお話よ」
「ははは。私のことをそんな風に思っているのか。まあ、いいや。じゃ、そうだな。桐子ちゃん、牛乳好き?」
「特に好きっていうわけじゃないけど、普通に飲むわよ。1〜2日に一回くらいはね」
「へえー、そうなんだ?」
「それが何なの?」
「反町隆史さんと竹野内豊さんていう、もう若くはないんだけど、カッコいい俳優さんがいるでしょ。知ってるよね?」
「もちろん知ってるわ。カッコいいし、あの年齢だと渋いわよね」
「彼らが30年くらい前、多分駆け出しの頃だと思うんだけど、『ビーチボーイズ』っていう連続ドラマにW出演したんだ。二人とも自分探しっていう感じで夏の海辺の旅館に来て寝泊まりしながらバイトするんだ。その旅館のオーナーの娘が広末涼子ちゃんなんだ。高校生ってことで、セーラー服を着てるんだ」
「へえー、広末涼子ちゃんがセーラー服着たらかわいいでしょうね。でも夏の海べで若い男女が一緒にいたら、すぐ恋に陥ってセックスの場面になりそう」
「ところが全然セックスとかそういう感じじゃなくて、さわやかで、いろいろ考えさせられるお話なんだ。その中でこんな場面があるんだ。
反町さんがネギやきゅうりを切ったりしてお客さんに出す料理を作っていて、彼に対して淡い恋心を抱いた広末涼子ちゃんがそばで見ているんだ。
すると反町さんが料理をしながら広末ちゃんに話しかけるんだ。それも大きな声で」
「どんな風に?」
「『おまえ、もっと牛乳飲めよ』ってね。どうしてそんな事言ったのかな。これがクイズ」
「もちろん牛乳飲めば健康にいいからでしょ。あっ、美容にも、お肌にもいいとか?」
「反町さんは次にこう言ったんだ。『おまえ、もっと牛乳飲めよ、そうすればもっと乳が大きくなるぜ』ってね」
「やだあ。女子高校生にそんなこと言っちゃダメでしょ。あっ、桐山さん、今、私の胸をじっと見てなかった?いやらしい!」




