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6 無心に楽しむ

するとケアマネジャーさんは

「1週間とか2週間くらいショートステイできる施設で老人保健施設というのがあり、そこにおばあちゃんがステイしている間にリフレッシュしておばあちゃんが帰ってきたらまた頑張るのはどうでしょうか」


と提案してくれたので、桐子はおばあちゃんと一緒にお勧めの施設に見学に行くことになった。おばあちゃんを連れて見学に行き、説明を聞いたが、おばあちゃんは老人ホームに入れられるのではないかと過度に警戒するようになってしまった。


というのも親戚の方でまだ元気で動けるし普通に生活できるのにその娘にいつの間にか施設に入れられてしまった方が2名いて、そのことが、なんでもすぐに忘れてしまうおばあちゃんでも深く脳裏に刻まれているようなのだ。


 再度ケアマネさんに相談すると、これまでは午後のみのデイサービスに通っていたが、朝からほぼ丸一日やっているデイサービスが他にあるということで、とりあえず月、水の二日間の午後のみのデイサービスを丸一日にすればおばあちゃんのいる時間が減り、ホッとできる時間が増えるだろうという話になった。


問題はおばあちゃんが気に入ってくれるかどうかだ。おばあちゃんを連れて見学に行き、なかなかいいところだと思ったが、おばあちゃんはまだどうしてここに来たのか、ここは老人ホームであり、ここに来たが最後家に帰れなくなるのではないかと心配ばかりしているようであった。


 今夜は悲惨な思いをして以来初めてのガールズバーだった。あの時はもう辞めてしまいたいなどと思ったが、おばあちゃんのことで心機一転頑張っている間にサバサバした気持ちになり、桐山さんへの淡い恋心は忘れて色々なお客さんたちとの会話を楽しむことにしようという気持ちになっていた。


こんなに早く自分の気持ちを整理できてしまうなんて桐子は我ながらすごいなどとちょっとだけ自分を褒めてあげた。


ふと周囲を見渡すと桐山さんが真奈ちゃんと楽しそうに談笑している。彼女は超美女であり、頭脳明晰であるが、桐子は顔立ちはまあ普通だし、勉強もいつも平均的な成績だったし、特に何か楽器などの特技があるわけでもなかったが、そういう点で真奈ちゃんと自分を比べるのはやめて自分が今持っているもの、例えば健康とか、何とか食べていけてることなどをありがたく思って今という時を楽しむことにしていた。


 真奈ちゃんはお客さんの間で大変な人気者であり、いつもリクエストがかぶっていたので、桐山さんがリクエストしても15分から20分もすると他のお客さんたちを渡り歩いている感じだった。


桐子は以前はそんな時にヘルプで彼の所に行けることを願っていたが、今はその点では不思議なくらい無心だった。お客さんは誰でもいい、それぞれいいところを見つけてあげて楽しく過ごしてお給料をいただこうと割り切っているせいか、以前よりも気楽に楽しめるようになってきた。

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