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3 苦闘ー携帯電話

今日も桐子の苦闘は続いている。おばあちゃんが買い物などに出かけて具合が悪くなったりした時にいつでも連絡できるように携帯を使うようにいつも言っているのだが、まるでその気がないし、最も簡単な操作法を教えても覚えられなくなってしまった。


妹もおばあちゃんが携帯を使えるように、つまり習慣化するように故意に固定電話ではなくおばあちゃんの携帯にかけてきたりするのだが、おばあちゃんは寝るときはベッドに携帯を持って行ってしまい、そのこと自体はいいのだが、朝起きるとベッドに置きっぱなしになってしまい、いつかけても手元になくて離れた寝室で鳴っていて聞こえないということになってしまうのだ。


いつもいるテーブルに置いておくようにいくら言っても寝る時に寝室に持っていってしまい、そのままになってしまう。


何度教えても単に電話をかけたり電話を受けることもできないし、だんだん携帯そのものを毛嫌いするようになってきてきてしまい、毎月の契約料等は捨てているのと同じになってきてしまったので、時代の流れとは逆行するとは思ったが、桐子はおばあちゃんを連れて携帯ショップへ行き、仕方なく契約をやめる手続きをした。


 今の時代、どう考えても携帯を使えた方がおばあちゃんのためにも有益だと思って、固定電話は使えるんだから携帯も同じようなもので簡単だよ、と励ましながら相当忍耐強く時間をかけて日を変えたりして教えたがとうとう駄目だった。


馬を水辺に連れて行けても水を飲ますことはできないということだなと思った。桐子は毎日おばあちゃんに振り回されながらも頑張ってきたが、改めて今回の携帯の件は彼女を大いに落胆させたのだった。


今夜はバイトの日ではないので、何とか読書と音楽鑑賞で明日のバイトまで気を紛らせなければ、と思う。明日の夜、いつものガールズバーに行きさえすれば、と自らを励ました。

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