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20 ジェルボールとグミ

おばあちゃんは食事はかなり適当になってきているようではあるが、時々野菜炒めを作ったりしている。洗濯も何とか自分でやっている。おばあちゃんは昔ながらの粉末石鹸を水で溶かして使っている。


桐子はもっと楽にできた方がいいという感じがしたので、粉の洗剤はちょっともったいないとは思いつつ処分し、今度はジェルボールを使えばもっと簡単に洗濯できることを説明し、ジェルボールを買ってきて洗濯機のすぐそばに置いておいた。


ところが翌日洗濯をしているのを見て、

「粉末よりジェルボールの方が簡単でいいでしょ?」

と聞くと、

「ジェルボールって何だっけ?」


と言うので洗濯機の周囲を確認すると、何と新しい粉の洗剤が買ってあったのだ。説明や話したことをすぐに忘れてしまうのと、新しいことはなかなか覚えられないためにこうなってしまうらしい。


しかもジェルボールのことが分かっていないとすると、危険なのではないか。ジェルボールは触った感じがお菓子のグミそっくりだ。


ひょっとしたらおばあちゃんはジェルボールを触ってみて、これはグミの大きいやつだと思って食べてしまうかもしれない。


そこで桐子は1階のジェルボールは引き揚げて2階での自分の洗濯に使うことにした。おばあちゃんはいろいろと想定外のことをやってくれちゃうので油断は禁物なのだ、と改めて思う桐子だった。


 夜になってガールズバーに行くと何と桐山さんにリクエストされた。ちょっとうれしかったがそんな気持ちはすぐに挫かれることになる。


「私のことリクエストしてくれるなんて珍しいわね。まさか、真奈ちゃんより私の方がよくなっちゃったとか?」


「そんなわけないでしょ。今夜は真奈ちゃんがお休みでいないから君を呼んだのさ」

「何だ、ちょっとガッカリ。ところでどうするの、真奈ちゃんは」


「その話はやめてもらいたい。今度言ったら怒るかも。私には恋愛に積極的になれない理由があるのさ。それは女性の心理はよく分からないと言うことなのさ」


「何か辛い過去があるの?真奈ちゃんの件の他にも?」

「そうなんだ。聞いてくれる?」

「もちろんよ。私と桐山さんの仲じゃない。それに『桐』の縁があるし」

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