13 血圧計測と睡眠不足
朝食後血圧を測って手帳に記入するように医者から言われたので、桐子はおばあちゃんが朝食を食べ終わった頃に1階へ血圧を測りに行くのだが、おばあちゃんの頭の中でそのことがどう処理されているのか、どういうわけか明け方4時や夜中の2時ごろになると階段の下で叫ぶようになってしまったのだ。
「はやく血圧測ってよ」
「いつも6時過ぎに測りに行ってるでしょ。まだ寝てるんだから起こさないでよ」
こうした会話が毎朝繰り返されるようになり、桐子は何度か激怒してしまったが、同じことがまだ続いていた。
桐子は毎日睡眠不足気味で眠くて困っていたので、この問題を解決しないとこちらがダウンしてしまうと思い、色々と考え、朝は自分で測ってもらうことにしたら、どういうわけか起こされなくなった。
自分で測ることが前提になっているので、桐子は7時半頃起きて薬を持っていって飲ませ、というのもおばあちゃんは薬の管理ができず、すぐに何処かに持っていって無くしてしまうからだが、飲ませた時に血圧手帳を見ると案の定計測していないので目の前で計測させ、手帳に記入させるのだ。
これでは食後の計測になってしまうのだが、今のおばあちゃんでは物事を厳密にきっちりやろうとするとどういう思考回路になっているのか分からないがあまりにも大変で人間関係もギクシャクしてしまうのでこの辺はアバウトにやるしかないと思うようになった。
血圧は朝薬を持って行った時には服薬後目の前で測らせ、しばしば巻きつけ方が不十分でエラーが出るので、その時は正しく巻きつけるのを手伝ったりはするのだが、だいたい自分で測れるようなので、夕方は二階から電話をして夕方の血圧を測るように指示すれば自分で測っている。
最もこちらが指示するのを忘れることもあるし、おばあちゃんも指示を受けても実行するのを忘れてしまうこともあるが。最近は朝薬を持って行った時に血圧手帳を見るとその日の朝の分は自分で既に測ってあることがあるので、そんな時はちょっと褒めたりしているのだが、そんなある日血圧手帳を見ると既に測ってあるのはいいのだが、上の数値が198になっていた。
おばあちゃんは血圧が高いとは言っても普段は150前後であり、130前後のことさえある。198などという数値はあり得ない。そこでもう一度測り直すことを提案し、その結果上は128だった。
おばあちゃんはその数字を声に出して確認しながらボールペンで手帳に記入するのだが、188と言ったのだ。2を8と読み違えている。
訂正すると、次に低い方だが、そちらも1を7と読んだりしているので驚いた。またこんなこともある。例えば145と表示されていて本人は145と声に出して言いながら書いているので大丈夫だなと思うと、145と言いながら手は別の動きをしていて146と書いたりしているのだ。
これでは他にも違う数値を記入してある恐れがある。それでは医者も正しく診断することができないではないか。
従って今後は朝だけでなく夕方も必ず目の前で測らせ、正しく書き写せているかどうか数値のチェックまでしなければならなくなってしまった。こうしておばあちゃんに関してはやることがどんどん増え、細かくなっていくのだ。




