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⑫異界世紀末記―最後の聖女―  作者: 邑 紫貴
第七章:未来人 田中 地球(たなか そら)

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⑦終焉


俺の名前は、田中たなか 地球そら

未来から来た。

だから知っている。リセは聖女ではないと。

この未来、宇宙の果てに連れてこられたリセ。

彼女が目にした世界。それを模したゲーム。

リセが召喚された時、そのゲームは存在しない。

何故ならリセは地球に帰って、夢だったゲーム制作に携わり。

出来上がったのが『レティッシラの聖女~女神の加護を受けし者は世界を救う~』。

何故、召喚の対象になったのか。

それは未来回避をするユニアミに情報を伝えるためだ。

神の領域。そう。何故、過去から連れてきたのか。

一度きりの召喚。知識もないリセを。

全ては、この世界を救うため。

タイトルはリセの魂に刻まれていたのだろう。

魔法使いマリーから聞いた時には、記憶にあるタイトルだと認識した。

けれど元の世界に戻ったリセは、そのゲームが存在しないことを知る。

作るのは自分だと。

転移者と転生者。

確実に、シナリオを記憶した世界を救う者が奮闘する。

この世界を救うために。

それなら俺の役目は。

ゲームに登場しない人達が誰なのか。


「ソラ、そろそろ魔法の効果が切れる時間だ。起きているか?」

寝返りをして、片足を布団から出す。

両腕を上方に伸ばして、欠伸。

涙を拭うようにして目を擦りながら、身を起こす。

俺を起こしに来たのは、側近の騎士フリック。

「一気に情報が入って、頭がパンクしそうだよ。」

「熱は出すなよ。明日、魔王の討伐を行う事が決定した。」

そんなタイミングで登場した俺。

その役割は。

「討伐を、お前も見るか?」

「あぁ。この世界は救われるさ。そうじゃなきゃ繰り返す意味がない。」

ループする意味。神の領域からの干渉。これは世界の終末記。

それならば、この異界世紀末は乗り越えられると信じる。俺は。

「先に言っておく。これはゲームじゃない。現実だ。この世界の理。誰の理解も求めない。」

ゲームじゃない。

それは一連の繰り返しを見てきたから分かる。

「もう繰り返すことがない。リセットできない。ゲームではないから。」

その意味が、俺には分からなかった。

一度、この世界で死んだリセがループにより生き返り。

元の世界で、この世界を模したゲームを作り。

運命に導かれたゲームを知り尽くした転移者と転生者。

何度も死を繰り返して、聖女リセのように生きることを願ったエルティナの覚悟も決まった。

生贄。それは。


俺は自分が乗ってきた宇宙船を整備する。

俺が作った船。この世界を探すために。

宇宙船も珍しくない時代。安価に作れて、一般家庭でも手が出せる代物。

俺たちの世界は貪欲にも宇宙に住める星を探し、各国が代表者を決めて宇宙を旅をした。

俺の目的は違う。


魔王討伐前の最後の晩餐。

高揚する。ゲームじゃない。分かっているさ。

この世界が消滅するかの瀬戸際。

でも神様の干渉があって、この世界は未来を回避してきた。

楽観視するなと言われても。

晩餐の静けさを見ても、悲観するような恋人たちの表情も。

俺にとっては現実ではなかった。


なかなか寝付けず、朝日が昇る。

朝食を終え、一気に張り詰める空気。

俺も、用意された鎧や装備を黙々と身に着けていく。

重く圧し掛かるような沈黙。

魔法で見た過去。

繰り返した日々、冒険に参加した者たち。


向かった先は、外ではなく長く続く螺旋階段。

最下層。それはまるでボスダンジョン。

二つの仲睦まじく並んだ像。

そこに向かったのはオリアンヌとロレイン。

足台に置かれた星形の、ゲームクリアには必須のアイテム。

それを手にしたのはオリアンヌ。

すると眩い光に包まれて、背に羽が生えた。

まるで女神レイラリュシエンヌ様。

ロレインの手には、黒い星形のアイテム。

それはじわじわと闇を生み出して、ロレインにまとわりつき。

背中に羽を形作っていく。

まるでその姿は。

「ロレイン、あなたは私が殺す。」

「……オリアンヌ、最期だ。名前を呼んでくれ。レイラリュシエンヌ、何故、転生してその役目を負った?」

「リューテサッセウス。あなたを愛していたから。誰にも譲らない。私があなたを殺して、私も死ぬ。あなたが私を殺すなら、私はそれを望む。」

何が起こっているのか分からなかった。

聖女と魔王が恋仲。

殺し合い。聖女は生贄。

「オリアンヌ!約束が違う!!」

叫んだガーネットを留めるのは、勇者ジークハルト。

「いやよ、もう失うのは嫌だからここに来たの。ジークハルト、あなたは私の味方でしょ?」

「君さえ無事なら、俺が二人を殺す。恨まれても。それが、俺の役目だ。ガーネット、君だって分かって来たんだよね?」

ゲームの主要人物。王子ユーリス、側近騎士フリック、聖女エルティナ。神官ライオネル。レジェス先生。

転移者の魔法使いマリー。転生者のユミアミ。

全て部外者だった。

これはゲームじゃない。

世界の理。

誰の理解も望まない。

俺がここに来た意味は。


「人では償う事など出来ない。この星の管理者、レイラリュシエンヌとリューテサッセウスは存在の消滅を持って。この星と共に消える。言葉には力がある。願いは神のご意思に反し。何度となく繰り返して未来を望んだ結果。誰かを守り。誰かの為に生き。命を懸けて。死を望んだ。」


全ては無に帰す。

終焉







to be continued?




読んでくださり、ありがとうございました。

あなたにとっての聖女は誰でしょう?

私にとっての聖女が“あの人”なので“この結末”です。

活動報告に長々と適当な事を書いています。(気分で消します)

感想を頂けると嬉しいなぁ(小声)


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