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⑫異界世紀末記―最後の聖女―  作者: 邑 紫貴
第六章:転移者 マリー

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④結:調整


私の役目が何か。そう考えながら生きてきたけれど。

この世界に来なければ出会わなかった人。

その人との未来を繋ぐ。それを役目と考えてもいいだろうか。

「レジェス先生、私は。」

「マリー、来なさい。見せたいものがあります。」

連れられて向かったのは、学園の地下。

螺旋階段を随分歩いた先。そこには女神レイラリュシエンヌ様の像と。

「隣は天使、リューテサッセウス様だ。」

天使。像は穏やかに微笑み、女神レイラリュシエンヌ様と並んで。

仲睦まじく見える。けれど。その名は。

これが何を意味するのか。

「驚いているね。きっと君の情報にはないだろう。この世界レティッシラは、お二方の加護で守られていたのです。天界で天使の反逆が起きました。天の使いの役割は、人間には理解も及ばない神の領域。まして反逆の経緯など。天の使いも子を産み、家族を構成するのでしょう。反逆した一族、その一人がリューテサッセウス様。つがい、レイラリュシエンヌ様は反逆かリューテサッセウス様を裁く側になるか迫られました。天界を追われ、この世界に転生し。」

転生?レイラリュシエンヌ様が、この世界に。

驚いたけれど、口を閉ざしていた。

ゲームにはない設定。情報に。私はただ茫然とする。

「リューテサッセウス様を、今も探しているのです。それが歴史として繰り返され。魔王の復活と討伐。」

前回の記録も、偶然発見されるくらいの年月。

復活とは。何故、繰り返すのか。

神の領域。転生。それは。

「何故、私にその話をしたのですか。」

「……今回も失敗した。それでも、私の気持ちに嘘がないのだと。マリー……真理、あなたに知って欲しかった。」

今回も失敗した?

何を言っているのかわからない。

けれど、私に告げてくれたこと。

重要な事を隠さず、私がこの世界にいる意味を見出したようで。救われる。

「レジェス先生、私はあなたと生きたい。もし死ぬなら、あなたの為に命を懸ける。」

「いいえ、残念ながら。共に死ねない。死ぬのは私だけです。今回は。……最後に、一度だけ。先生をつけずに呼んで欲しい。」

最後?まるでお別れみたいな。

私は首を横に振って、目を閉じた。

頬に優しく手が添えられ。

目を上げると。優しい額へのキス。

「レジェス。私は、あなたが好きだった。ゲームの中のあなた。でも今は、憧れ以上の感情がある。共に死ぬ事も出来ないなら、私は命を自ら断つわ。」

「駄目だよ、出来ないように魔法を掛けた。生きて。今回は。」

それはまるで、私が死んだことがあるような言い方。

繰り返し。今回も失敗した。

そこからわかるのは。

「ループしているのね。」

「そう。何度となく繰り返し、やっと見つけたこの像。これが最後のアイテムの隠し場所。さぁ、君はどうする?ロレイン。」

レジェスは私を背に回し、誰もいない場所を睨む。

すると人影が生じ。

「心配しないでよ。お父さんは死ななかった。君だろ、レジェス先生。おかげで、今回の生活に苦労はなかった。家族は無事。だから勇者が変わったのかもしれない。ジークハルトの決意が時を変えたのも一因かな。……さて、どうするか。俺の探していた魂。魔王が持っているとばかり思っていたけれど。こんなところにあったとはね。今回、勇者になって王城に入ったのに気づかないわけだ。」

敵意は感じられない。

けれど、違う未来で私はロレインに殺されたのだろう。

あの火災で、ロレインの家族を殺してしまったのだ。

「ロレイン。回避されたとはいえ、私の魔法があなたの家族を奪った未来が存在するなら。私は許されていいとは思わない。」

「うん、だから殺した。君を炎で。」

あぁ、自分が包まれる炎の記憶。

それは潜在的に刻まれた恐怖。

「オリアンヌがまだ幼いから、時を巻き戻してやり直したいんだよね。どうせなら、魔王討伐に全員を揃えて。この世界の終わり。消滅を。」

「どうして!何の為にやり直すの?消滅って。未来を回避するために、ループしてるんじゃないの?」

「いや、ループさせているのはゲームでいう悪役令嬢エルティナだよ。」

今の状況も把握できないのに。

ゲームとは違う設定に、多くの情報。

未来回避のためのループではなく。それは。

「簡単に殺せば終わるかと、手を出した途端に巻き戻し。彼女の死がループのスイッチになっているみたいだね。」

「それって、今からエルティナを殺すってこと?」

「あー、それもありと言えばありなんだけどね。君も分かる通り、今回の元凶ジークハルトをどうにかしないといけないかな。……だろ?」

そう言って、後方に数回ジャンプして。素早い移動。

そのいた場所に、矢が3本刺さる。

「悪かったって。俺だって、探していた彼女を見つけて舞い上がったのが今回に影響が出るなど分からんよ。それもさ、隠していたのは、オリアンヌだからな。お前を殺せば、もう全て解決じゃね?」

弓矢を構え、殺気立ったままのジークハルト。

依頼を一人で受けて、行ったのだとばかり。

「魔王は別にいるんだぜ?俺を殺したからと言って、解決ってわけでもないだろ。……しかし、俺を追って転生とか悪趣味だな。」

ジークハルトの手には黒い星形のアイテム。それが発動し。

私達は繰り返す。







to be continued


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