第六章・追込
目線:一ノ瀬俊次
「………!」
康介が驚きの表情を浮かべる。それはそうだろう。この五ヶ月間、誰からもその事実を咎められなかったのだから。逃げられると思うなよ。
俺は銃口を康介に向けたまま、諭すように口を開いた。
「…お前が殺したんだろ?康介」ずっと訊きたかった。この男に。俺や美雪の親友に。「…なんでだよ?俺たち三人、あんなに仲良かったのに…なんで美雪を殺したんだよ…?」
俺の声は、無意識に昂ぶっていた。感情的になっているのが自分でも解る。当然だ。この五ヶ月…その答えだけを求めていた。そのために何人もの人間を殺し、康介を精神的に追い込んだ。
あの日、いるはずのなかった康介が、何故美雪のマンションを訪れていたのか。
なんでそのことを話さなかったのか。
どうして美雪を殺したのか。
康介は黙っていた。苦悩に歪んだ表情で、頭を抱えている。その様子がやけにイラついて、俺は声を荒げて彼を追い詰めた。
「…答えろよ!」
康介が大きく目を見開く。
「…う…うわあああああああっ!」
彼は突然膝をがくっ、と折り曲げ、地面に身体を落として叫びだした。
隠していた記憶の断片を、強制的にこじ開けられたような叫び声だった。




