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6/10

やっとお話が進み始めた気がします。10話くらいでおわるのかなぁ。


良かったら評価お願いします★

雑踏の音がする。

ざわざわとした雑踏の音に、工事や電車の音が入り交じる。

広い室内に流れる都会の喧騒(けんそう)は、騒がしくもどこかリズミカルで気持ちが落ち着く。


「あれ?ここ、どこだろう」


呟いた言葉は喧騒に吸収された。誰もがせわしなく動いている中で私は立っている。

左右を見渡すと同じように信号待ちをしている人がたくさん。


塾に行かなきゃ。・・・塾?

そうだ! 私、学校帰りに塾に行く途中で、、どうしたんだっけ??


私はこれから起こることを知っている。

今見ているのもは、その時の回想録。

私は学校帰り、制服でいつものように塾へ向かうために信号待ちをしていて。。。。


「あぶないっ!!」


誰かが叫ぶと、悲鳴と共に人々が逃げてゆく。

私はこれから起こることを知っている。


反対車線にいた車が暴走し、勢いよくトラックにあたり、その反動で信号待ちをしている群れに向かって突進してきた。

1台のトラックのヘッドライトが私に向かって突っ込んでくる。


眩しい・・・


私と同じように足がすくんで動けない人も隣にいる。

本当はほんの一瞬のことなのに、回想シーンは車の動きもゆっくりで。

そのライトが近づいてくるのをじっと見つめる。

足はアスファルトに張り付いたみたいに動かない。動けない。


がんっ!


私の体は宙に浮き、アスファルトに叩きつけられた。

トラックは、私と周囲の人を吹き飛ばし、そのまま突進して建物にぶつかり止まった。


そう。私・・・車にはねられて死んだんだ・・・・

短い人生だった。高校受験本番を目の前にしての事故。

やりたいことも沢山あった。将来の夢だって、部活だって、恋だって。


ジジ・・ジジジッ…‥‥‥‥ジッ・・

機械音のような音が途切れ途切れに聞こえる。

ジッジッ…ジジッ…ジッ

音の出所を探そうとしても体も頭もどこもかしこも動かない。

唯一動く個所は目だけ。

今にも意識が遠のきそうな中でキョロキョロと目を動かすと、目の前にお婆さんが立っている。

髪の毛を団子にして一つに結わえて、洋服も一風変わってる。


「うち、くる?このままだと死んじゃうけど」


<ウン>といいたいのに、声が出せない。頭を動かして頷きたいけど動かない。


お婆さんと目が合ってる状態で、数十秒。

「じゃあ、行こうか」


どこ?

どうやって行くんだろう?


そんなことをぼんやり考えてると意識が遠くなって。

視界に映るすべての色があせていき、セピアになり、最後はモノトーンに変わっていった。



「気づいたか?」


瞼を開けると横から声がした。

リョウ様の声だ。


「戻ってきた・・・・」

「水、飲むか?」


上半身を起し、私の手にコップを握らせてくれる。

コップを持つ手に力が入らず、手が震える。握り続けられずコップは手から滑り落ち下へ落ちる。

素早くリョウがコップを手にし、そのまま、口に運んでくれた。


反射神経すごい。。


ごくっごくっと喉を鳴らして滑らかな水が通過していく。常温の水が飲みやすくてすごくおいしい。


「あれから、どのくらい経ったんですか?」

「3日だ。気分はどうだ?」

「大丈夫です。たくさん寝すぎました」


にこっと微笑み、リョウを見ると安堵を浮かべた笑みを返してくれる。

目の下にはクマができ、うっすら伸び始めている髭あった。


「リョウ様は大丈夫ですか?」


「・・・・・俺も、大丈夫だ・・・」


抱きしめれた。

背中に回された両手。

私の髪に埋めるリョウ様の顔。

唇からこぼれる小さい吐息。


自然と視線が絡み、どちらからともなく瞳を閉じた。


「ふふふ、、リョウ様、髭が・・チクチクします」

「すまない、大丈夫か?最近剃るのを怠っていたな」


安堵の色が浮かんでいた瞳は、会話をするごとにさらに深みを帯びていく。


「ずっと、ついていてくださったんですね」

「覚えているのか?」


うん。全部ではないけど、少しずつ記憶が思いだしてる。

あのとき、車にひかれたのは、私だ。アキではない私。

そもそもこれって、どういう状況?

ちょっとまって、、、あの時のおばあさん、、、、スコーンさんに似てない??

ちょとまって、、、異世界転生?異世界召喚?

ジーク様の奥様のこともあるし、考えること多すぎる。


「記憶ないか?」


「あります。ジーク様の奥様、マドレーヌさんと共有していた時間は、なんていうか・・・・マドレーヌさんが外に出てるときは、声の届かない部屋の中にいる感じで。皆さんの顔、会話、表情、全部見えてましたし聞こえてました。私が体に戻ってこれた理由は・・・・わかりません。ジーク様は?」


「一度帰ってもらった……ジークの、家の方が良かった、、か?」


「目が覚めた時、リョウ様のお顔を見られて安心しました」


「そうか?」


「それとは別に、一度・・・ジーク様とお話をすべきだとは思っています。不安がいっぱいですけれど」


誰もが不安でいっぱいだ。二人の精神が今後どうなるのか。

いったんは、元に戻ったが、いつまたマドレーヌの精神が表面に出てくるか皆目見当もつかない。


「どうして・・・・・」


「こうなったんだ・・・・」


私の言葉を引きつでリョウ様が言葉を繋げてくれる。


やっぱり一度。。。家に戻った方がいいかもしれない。

何か・・・思い出しすかもしれない。


アキは、自宅へ帰ることを決意した。

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