死せる孔明、生ける仲達を走らす
ここは五丈原の戦い。
諸葛亮孔明率いる蜀の軍と、司馬懿仲達率いる魏の軍が激突したのでした。
しかし、孔明は病床の身で余命幾ばくもなかったのです。
五丈原の戦いが終わりに差し迫ったとき。
「我が命もここまでか」
孔明の命が尽きるときだったのです。
「悔しいなあ、仲達の奴に一泡吹かせてやりたいなあ……。 そうだ!」
孔明は死の間際に何かを思いついたようだった。
しかし、死亡してしまったのです。
仲達も孔明のことを探っていたのです。
そして、密偵から孔明の死の情報を得たのでした。
「チャンスだ!蜀軍の息の音を止めてやるとするか」
天幕の中で追撃の計画を練っていると……。
「うらめしや~」
孔明の幽霊が現われたのです。
「うわーでたー!」
仲達は逃げ出したのです。
そして大将逃亡により魏の軍は撤退したのでした。
おしまい
本来は司馬懿が諸葛亮が死んだと判断し蜀軍に攻め込んだが、生前に諸葛亮が作らせた彼の木像を見て肝をつぶし撤退したことからこの故事が出来たようです。
ここでは『幽霊にびびって逃げ出したこと』意味ですが、本来は『既に亡き人物が生きている人物に大きな影響を与えることの喩え』の意味となっています。