剣の国
投稿サボりました。すみません。
$天界政メーチ支部内【天剣の間】$
そこでサンは天剣エルを使い、修行をしていた。
「今の俺はこの剣を使う器ではない。今回の戦いではあいつ等のおかげで倒せた。俺は何もして……いない。ただ、フォレスを失った悲しみを奴にぶつけただけだ。そして、怒りに身を任せてしまった。剣聖なんて称号は俺には相応しくない……俺なんかよりよっぽど、ルドルフ。あいつの方が似合っている。俺には荷が重すぎる……」
ここ、メーチ支部内にある天剣の間は天界が統一される前、90億年以上も前から神聖な場として崇められており、天剣の間をぐるっと囲むように球体状の高度な反魔法が張られている。古来より聖なる剣の使い手、剣聖。そう呼ばれる者にのみ立ち入りが許可されている場所だ。
「――こう嘆いていても、現状は変わらない。ここの民、いや天界全ての民をこの脅威から救うために俺はこの紋章を付けている。奴らの王、ルサノを倒すにはこのままではいけない!」
サンの胸元には、金色に輝く蓮の花の紋章が神々しく輝いている。代々、ここメーチ国で受け継がれている剣聖之証だ。
額から流れ出た汗が体を伝い、剣先に流れ、床にぽたぽたと落ちる音が天剣の間に響く。汗を拭うと、サンは天剣を鞘に納め、天剣の間を後にした。
天剣の間に張られている反魔法から出た瞬間、音声通信の発信音が鳴り響いた。センキからだ。
「どうした?」
『あ! やっと出た。ルドルフが起きたってよ。さっきアナから連絡があった。てか、お前今どこにいるんだよ』
「メーチだ。そうか、やっと起きたか……」
『たく……それはそうと早く来い、俺も今向かっている』
「ああ、分かった」
サンは音声通信を切ると、メーチ支部前政営使民転移魔法陣に向かった。
$1時間後、天界軍事基地本部附属軍事病院緊急患者専用入院室$
センキより一足先に、ルドルフの元へ来たサンは現状に困惑していた。
「来たは、いいが……どうすればいいんだ?」
サンの視界には、壁に持たれかかって寝ているアナと、ベッドで寝ているルドルフが居る。
「一先ずは、センキが来るまではどうすることもできない」
$数十分後$
引き戸が開き、息を上げたセンキが入ってきた。
「は、ぁ。はぁ。すまん遅れたって、なに……やっているんだ
「剣の磨きだ。もう直ぐ終わる。なぁ、ちょっと見てくれ。研磨剤を新調したんだ。昔のやつのもよかったが、今回のやつは輝きが凄い。まるでガラスのようだ。流石はメーチから支援を受けているだけある」
「そんなに良いなら数個やるよ。俺の従弟の店だし」
「そうなのか? なら言葉に甘えよう。できれば砥石もくれ」
「分かったよ。後で言っておく。それはそうと、ルドルフたちをどうするんだ?」
「起こすしかないだろう。センキはアナを頼む。俺はルドルフをやる」
「やるって……お前が言うと殺るに聞こえるんだが……。とりあえずは、あの毛布を退かすか」
センキは、アナに掛かっている毛布を勢いよく退かし、付着している血に触れないように、肩をトントンと叩いた。
「姉ちゃん、起きて!」
「……ん? 何?」
「何って、ルドルフが起きたから今後について話し合うって姉ちゃんが言ったことじゃん」
「そうだっけ。最近忙しいから忘れちゃってた。……眠い」
アナは欠伸をしながら、起き上がった。
「それじゃあ、着替えてくるね」
アナは、入院室を後にし、走りながら着替えをしにいった。
「おい! ルドルフ起きろ」
中々起きないルドルフに、サンは怒っていた。
「仕方ない、鞘で殴るか……」
サンは腰に佩いている天剣を鞘ごと抜き、抜刀した後、天剣を床に置き、鞘を持った。そして、ルドルフの腹に狙いを定め、勢いよく振りかざした。
「……痛ってえええええええぇぇぇぇぇ……」
ルドルフは飛び上がるように起きた。
「やっと、起きたか。少し待て、もうじきアナが来る。そうしたら今後に話し合う」
「痛って……。それは分かった。アナから堕天使之救が新たに活動を開始したと、報告があった。それは本当か?」
「ああ、残念ながらな。現在、第12部隊と政の治安維持課が対処にあたっているが、堕天使之救は2個師団規模と報告ではあがっている。しかし、実際はもっと多いことが予測される。それに対し、現在の我々の規模は学生を含めると、およそ200個師団規模だ。全部隊を用いて、力でゴリ押せば何とか対処できる。が、それをして万が一魔界のやつらが襲ってきた時に対処が困難になる」
「それなら、本土部隊をやれば……」
「本土にいる部隊は約50師団規模。そして現状、損耗や疲弊がない部隊は第12部隊と第49魔導部隊のみだ。現在、第49魔導部隊には偵察を行っている」
「皆、お待たせ」
急いで着替えてきたアナが扉を開けながら言った。
「ふむ、これで全員揃ったな。それでは只今より、臨時大天使長会議を執り行う」




