目的
$ザクロ休養基地外$
クロの攻撃を受けて、倒れたサンは気合で起き上がった。
「23年前……俺はフォレスを失った。全ては貴様の所為だ。クロ!」
「俺らは王の意のままに動いている。それが神に反する行為だとしてもな。貴様らが俺らを罪悪非道だと思っているだろう。それは構わない」
「何が言いたい? そうやって時間を稼いで魔法陣を描いているのは知ってるぞ」
「バレてたか。まぁ良い。完成したからな。起源魔法 魔剣」
クロ肩に背負っていた剣から禍々しい粒子が漂う。クロはその剣を抜く。その剣身は紫色に染まっていた。クロは深呼吸をすると、サンに斬りかかった。サンは咄嗟に腕で受け止めた。クロは後退する。腕の斬り跡からは、血が溢れでている。
「っ……! まだ、だ」
サンは腰に佩いている神剣エルを抜き、黒に斬りかかった。
キーン、キーンと剣同士が斬り合う。
「魔力が持たない……っ」
ワースは後退し、膝が地面につく。
「俺の勝ちだ、黒。約束通り教えて貰おう」
サンは一応、剣檻を使い、黒が逃げられないようにし、神剣エルを黒の喉元に向けた。
「分かった。話そう。俺の知っている全てをーー王はこの世界を制圧する為に戦っている訳では無い。王は別世界を創ろうとしている。3000世界じゃない主要世界だ。新たな秩序を創ろうとしているのだ。しかし、それには今ある魔界を3000世界に降格させなければならない。大天使長、お前は主要世界の条件は何か知っているか?」
「そう言われてみると、詳しくは知らないな」
「主要世界に世界創造主の承認、居住が必要不可欠だ。世界創造主の過半数が承認しなければ、世界の理に刻まれない。そしてもう一つが、世界創造主の居住だ。魔界には現在、王であられるルサノ様が住まわれており、天界にはルビエルとエル? だっけなが住んでる。世界創造主が住む事によって主要世界は機能していると言っても過言ではない。王は何故、天界に二人も世界創造主が居るんだと疑問になられている。そこで王はルビエルかエルのどっちかを魔界に堕とし、そこに住まわせることで、新たな主要世界を創ったとしても、世界創造主が居るから、3000世界に降格しなくても良くなるんだ。それでずっと戦ってきた……王の意のままに」
「そんな身勝手な事で幾らの命が失われたと思ってる!? それだったら、直接交渉すれば良いじゃないか?」
サンは理不尽な理由を聞いて、理性が保てなくなり、神剣エルでクロの胸を貫いた。
「ゲホッ」
クロは倒れ込み、血を吐く。
「こ、これでワースの元に…………逝け、るーー」
クロは目を閉じた。サンの勝利である。
サンは神剣エルを落とし、上を向き、「フォレス。貴様の仇は討ったぞ……」と天に向かって叫んだ。
$同時刻、ザクロ休養基地外$
サンがクロと交戦し、離れている為センキがサンの役を代わりに行っている。
「しぶといな」
草槍ハリスを使い、触王の触手を斬っているが、弱まるどころか斬ると増殖するため、触手は最初の5倍ほどになっている。
「アナ! 残りの魔癒は?」
「後、10個くらい」
「分かった。ここからは、魔力を無駄にはできないぞ。ルドルフ」
ルドルフは天剣カヤノに使っていた魔法を消し、素の力で触手を斬る。
「そろそろ、私の魔力も4分の3に減ってきました。なので、あれを使いましょう」
ルドルフらの足元に巨大な魔法陣が描かれる。その魔法陣が光るとルドルフは天剣カヤノを落とした。
「魔力磁場か……。魔法がつかえなっ……い」
「起源魔法 魔力磁場は、魔力磁場を発生させ、魔力磁場内にいる者の魔力を吸い取り、使用者に付与する魔法です。そして、あなた方はここから出ることはできません」
「呪縛魔法 逆流」
センキが魔法を使うと、魔力磁場が無くなった。
「な、なんで魔法が使えるのですか……!? ま、まって下さい。そ、その魔法は……」
ドウラはその場に倒れ込んだ。
「逆流は魔法の効果を逆にする魔法だ。貴様の魔力磁場を逆流によって逆にした。意味が分かるか? この魔力磁場は逆流の効果が続く限り、使用者から魔力を吸い取り、魔法力磁場内にいる者に魔力を付与する魔法に変わったんだよ。貴様はこれで終わりだ。ルドルフ、とどめをさしてくれ」
ルドルフは倒れているドウラに近づき、天剣カヤノの先端をドウラの背中に付けた。そして、全力でドウラの背中を貫いたーーがドウラは砂に変化した。
「惜しかったですね。残念ですが、それはただの砂です。センキ様が逆流を使った時に砂を私の形に変化させました」
主要世界とは、天界や魔界といった世界の事です。主要世界は3000世界を含む全世界の秩序を作り出している世界です。条件として、世界創造主から過半数の承認、世界創造主の居住等様々あります。条件は後々明かされていきます。




