通魔付与(バラエマ)
サンが気配を感じた直ぐ後、後方から炎の玉が20球ほど飛んできた。しかし、既に全員、反魔法を使っているため、防いだ。すると、草むらから、魔使が一体現れた。
「ちっ、防がれてしまった」
そう言いながら、魔使はサンらに近付く。
「初めまして……じゃねぇな」
魔使は更にサンに近付いた。サンはいつでも抜刀できるよう抦に手を置いた。
六班の班員らは攻撃しようとするが、「今は止めろ。俺が指示を出す」とサンに止められてしまった。
サンの目の前に立つと、魔使は「久し振りだなぁ。中尉さん」と言った。魔使とサン身長は差は殆ど無いが、若干魔使の方が勝っている。
階級章を着けずに来てしまった為、魔使に階級を間違われた。
「誰だ、貴様。後、俺はーー」
サンは中尉出ないことを言おうとするが、魔使に止められてしまった。
「俺はクロだ。ベルーシの時に会ったじゃねぇか」
【クロ】という名前を聞くと、サンは剣を抜こうとする。しかし、「クロ=ワレユ将だ」とクロが言うと、サンは力が全て抜け、座り込んでしまった。
「隊長! しっかり、してください」
「その声は……確か軍曹か。少佐に昇格したのか。まずは、少佐方から殺ろう」
クロは背中に背負っていた剣を抜くと、舌で剣身を舐めた。剣身に血が付着している。
「魔剣魔法 魔炎」
「隊長! ここは俺がやるんで、六班とともに、基地へ戻って総隊長に報告して下さい」
「わ、分かった」
サンは六班を連れて、基地へ戻った。
クロの右手に青い魔法陣が描かれる。そして、その魔法陣で剣身を触る。すると、剣身が赤く染まった。
赤く染まった剣をフォレス目掛けて投げる。すると、赤く染まった剣身が燃え始めた。
「魔炎は剣身に油等しい成分を付与する。そのままでは何も怒らないが、火をつけると魔炎が反応して瞬く間に燃える。」
「反魔法 結界」
フォレスの目の前に結界が張られる。その結界は燃えた剣を軽々受け止める。
「次は俺の番です」
フォレスは剣を持ち、クロ目掛けて走った。しかし、容易く止められ、吹き飛ばされてしまった。
「隊長はあの時から元第7剣使部隊隊長 ミン・クレオカ大佐の事を悔やみ続けて来ました。あの時、助けられればと。それも全部、貴方達魔使の所為です。しかし、隊長はめげずに大隊長に上り積めました」
フォレスは立ち上がりながら言った。
「俺はそんな隊長の側に居たいと思い、必死に練習しました。しかし、隊長には到底叶いません。ですがーー」
茂みに隠れて見ていたサンが現れ、フォレスの肩を叩いた。
「これを使え。お前なら使える筈だ」
「隊長。どうして……!?」
「それは後だ。今は目の前の敵に集中しろ。何時も教えているだろう」
フォレスはサンから剣を受けとる。その剣を鞘から出すと、今までの剣より輝きを放っていた。
「天剣バコ。それがそいつ名だ」
「さっきから、ごちゃごちゃ五月蝿いな。封印魔法 獄剣牢」
クロが魔法を使うと、サンは上空に浮き、十字に張り付けになってしまった。そして、サンが身動きとれ無いよう心臓部分に剣の先が向けられた。
「これで邪魔者が居なくなったな。さぁ、その剣を使ってみろ」
フォレスはサンからもらった天剣バコを持つと、剣身に魔法陣描いた。
「水魔法 水湖、天剣魔法 通魔付与」
剣身が水で覆われた。フォレスはクロ目掛けて走った。
「通魔付与か……反魔法 攻撃反射」
クロの目の前に半円球の結界が張られる。天剣バコが攻撃反射にぶつかると、ボヨンっと跳ね返る。フォレス直ぐ後退し、次の魔法を使おうとする。
「水魔法 水湖」
攻撃反射の結界に魔法陣が描かれ、そのから水がフォレス目掛けて発射された。その水はフォレスに直撃すると、後ろにある木にフォレスをぶつける。
「攻撃反射はそっくりそのまま攻撃反射する魔法だ」
水の勢いが止むと、フォレスはその場に倒れた。木にぶつかった衝撃により、あばら骨数が数本折れ、内臓も圧迫されいた為、気を失った。
「フォレス!!」
サンは叫んだ。だが、フォレスは気を失ったまま。
「フォレスと言ったか? 分かったか? これが将の実力だ。お前らが何時も相手している士や尉とは違うんだよ」
クロはフォレスの頭を踏みながら言った。
「しゃあねぇな。俺が止めさしてやろう」
クロは剣の先端をクロの心臓に当てると力強く刺した。そして、剣を抜く。すると、刺し跡から血が噴水のように溢れ出てきた。
「……フォレス?」
サンは無理やり、脱出する。無論、サンの胸には剣が刺さった。サンは痛みを我慢しながらも、フォレスの元へ向かった。
「フォレス? おい! 返事しろ。フォレス!」
サンはフォレスの体を揺さぶったり叩いたりしたが、フォレスは全く反応を示さない。
「中尉。また会おう」
クロは転移するため魔法陣を描く。
「ま、まて……」
サンの視界がいきなり黒くなった。
〈目が開かない……力が入らな………………〉
サンは気を失ってしまった。




