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天界の主  作者: 月花
第2章天魔戦争編
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個人練習 day6 ver.センキ

$6日目$


 (8)時。センキは起きた。

 「はぁ~」と欠伸しながら立ち上がり、テントの外に出た。


「いい天気……では無いが、空気は旨いな」


 センキの故郷は都市部の中でも、工場等が並ぶ所謂産業地帯。故に空気は何時も濁っていた。

 センキは5日目の最後、手帳にアナと練習と書いており、普通なら迎えに行くが、アナはセンキと長く過ごしている為、アナが捌時には絶対起きないことが分かっていた。その為、センキは再度テントの中に戻った。センキはアナが起きるであろう拾壱(11)時まで、ミクロラの手伝いをしようと、決めた。その為、センキはザクロ休養基地本部へ向かった。

 ザクロ休養基地本部の出入口には依然としてコーンが置いてあった。センキがどうやって、入ろうか数分悩んでいると、出入口から白衣を来たミクロラが現れた。センキは直ぐ様、ミクロラの名前を叫んで、ミクロラを止めた。


「お~い、ミクロラ!」

「あっ、はい。何かご用でしょうか?」

「拾壱時位まで、手伝わせてくれないか? 今日はアナと合同練習するんだか、あの呑気姉は寝てるもんでな。それで、多分起きるであろう拾壱時まで、時間潰ししたくて」

「分かりました。では、備品備蓄室の中の(薬品備蓄のω(Z)-4)の鎮痛剤をここに持ってきて下さい」

「了解だ」


 センキはミクロラに指示された通り、備品備蓄室へと向かった。

 センキが備品備蓄室に入ると、中にはチューエに出会った。チューエはセンキを見つけると、直ぐに敬礼した。この時、チューエの服装はTシャツにジーパンというラフな格好をしていた。


「あ、センキ様! すみません、こんな格好で……」

「すまんが、チューエ、薬品備蓄は何処にある?」


 センキとチューエは第9部隊の先輩と後輩で面識があった。因みに先輩がチューエである。

 センキは一般教養課程を最良で修了したことにより、第9部隊に配属された。その後も順調に昇格し、一般教養課程を修了して43年で大天使長にまで成り上がった。チューエは一般教養課程を再良で修了、第9部隊に配属され、中佐まで昇格後、本人の希望で第26治療部隊に配属された。


「それは……ここの一番左奥にある赤色の暖簾の奥にあります」

「ありがとう」


 センキは棚の備品を落とさないように慎重に薬品備蓄の棚へと向かった。センキは暖簾を潜り奥に入る。すると、今まで棚だったのがショーケースに変わっていた。センキは棚番が書いてある真ん中を見ながら歩く。しかし何処にもωという棚番は見当たらなかった。センキは疑問に思い、別の医療品備蓄の方を見ると、一番端に(薬品備蓄ω)と書かれたショーケースがあった。(薬品備蓄ω)には鎮痛剤の他に解熱剤等、使用される頻度が高い薬が置いてあった。

 センキは鎮痛剤が入った瓶を43本を魔法で収納し、ミクロラの元に戻った。


「すまん、ミクロラ。遅くなった」


 謝罪しながらセンキは走った。


「い、いえ。全然大丈夫です」

「鎮痛剤はこれで足りるか?」


 センキは先程収納した鎮痛剤の入った瓶を地面に置いた。


「はい。大丈夫です。ありがとうございます。これで、軽傷者の手当は大丈夫そうです」

「そうか……他に何か手伝う事はないか?」

「そうですね……負傷者の手当を本当はして欲しいのですが、センキ様は治癒魔法は使えませんので。そうなるとーーーーでは、ザクロ休養基地の外周をパトロールしてきて下さい。私やチューエ中将は負傷者の手当であたれませんし、ルドルフ様やセンキ様も皆さん、向こうで練習していますので」


 ミクロラは数十秒悩んだ末、センキにパトロールを命じた。

 魔使が襲撃してきてから、まだ2日しか経っておらず、何時魔使が襲ってくるか分からない状態だ。その為、軍に要請して部隊を配備したいが、ザクロ休養基地には大天使長が4人も居るため、要請はしていない。しかし、これは誤算だった。大天使長は各々の練習があり、常時パトロールに当たれない。しかも、あのドウラがもうすぐここに来るというのだ。本土に居る軍の上層部はあと一人、現大天使官長の妹にして、実施的な天界の主、そして自分をここの基地長に任命したエルのみ。


$6ヶ月前、天界軍事基地本部$


「フラウ・ミクロラ中佐。貴方をザクロ休養基地の基地長に任命します。それに伴い、貴方の階級を中佐から少将へ昇格させます」


 白色の制服を纏ったエルはミクロラに任命書と賞状を渡した。しかし、ミクロラは困惑していた。


「え、ちょっと。待ってください。何故私が基地長何ですか!? 私より、もっと優秀な方は沢山居ますよ? そんないきなり、ザクロ休養基地を運営しろって言われても困ります」

「これは、確定事項です。魔界軍がリバゾを占領し、前哨基地を建てた今、私や大天使長も警戒しています。それで、私達はこの警戒マニュアルに則り、一番若い佐官以上の天使を試しに基地長にして見ることにしました。ザクロ休養基地はヘブン・エンターの藁那(わらな)方面で唯一本土帰還固定魔法陣があります」

「…………分かりました」

「では、フラウ・ミクロラ。明明後日までに荷物を準備して下さい」

「は、はい!」


$現代、ザクロ休養基地外周$


 センキはミクロラの言われた通り、外周をパトロールしていた。パトロールといっても、ただ単純に外周を辺りを見ながら散歩するだけ。

 センキは先ず、一周目を普通に歩き、もう一周を訓練と兼ねて走り、三周目は羽で飛びながら回った。

 三周回り、何も無いことを確認すると、センキザクロ休養基地本部へ戻った。本部の中には軽傷者は居らず、中傷者のみだった。センキは〈姉ちゃん、こういう場所、馴れてるんだ〉と思いながら、ミクロラが居るであろう備品備蓄室へ向かった。

 備品備蓄室に入ったセンキは、手前の(食料備蓄α-1)から順に奥の(薬品備蓄)の棚のところまで、探した。が、ミクロラは居なかった。センキは「まあ、良いか……もうすぐ、約束の拾壱時だし」とミクロラを探すのを止め、寝専11室に戻った。

 寝専11室に着いたセンキはテントの外に槍を魔法で出した。その槍の柄は紺色に塗装されており、敵にバレないよう草々が装飾されていた。

 草槍(そうそう)ハリス。これがこの槍の名だ。この槍はセンキが直接、ゴクヒナ山脈の麓の町、ゴクラの鍛冶職人に作って貰った槍だ。草槍ハリスは草属性で、呪縛魔法で敵の動きを鈍らせ、草槍ハリスの槍術で倒す。剣技魔法が苦手なセンキはこれで魔使を倒していった。

 センキは草槍ハリスの穂を鑢がけし、錆を落とし、特殊な液体を塗った。草槍ハリスがピカピカになると、センキは魔法でしまい、テントの中に入った。

 中に入ると、センキは昨日読んだ、天才の俺が異世界では底辺の続きを拾参(13)時まで読んだ。


$拾肆時$


 天才の俺が異世界では底辺を5巻まで読み終えたセンキはアナを起こしに行くために、寝専9室へと向かっていた。そして、センキの手には水が満タンに入ったバケツがあった。

 寝専9室に着くと、センキは女性が寝てるかもしれないというのに、何の躊躇いも無く中に入った。


「はあ~。やっぱり寝てる。姉ちゃん」


 拾肆時というのに、まだ寝てるアナに対しセンキは少し、呆れていた。

 固唾を飲むとセンキは、バケツの水を勢い良くアナにかけた。水をかけられたことにより、アナは起きた。


「寝すぎ。姉ちゃん」


 水をかけられたことにより、アナはム~と口を膨らませた。


「何で~? 良いじゃん、別に。個人練習でしょだったら、私の好きにして良いじゃん」


 ミクロラを手伝った時にアナが昨日手伝った事を聞いているセンキは、明日は作戦会議なのに魔法一つも練習しないアナを叱った。


「いやいや、個人練習と言っても、拾肆時まで寝ちゃあ駄目じゃないか? 後、姉ちゃんは魔法の練習をした? 昨日は負傷者の手当してたって聞いたし、今日しか無いんだ。分かる?」


 センキは皆と居るときは普通だが、アナと二人きりになると、昔の口調に戻ってしまう。


「…………魔法は明日練習すれば良いんじゃん」

「え、明日は作戦会議って、ルドルフが言ってたぞ。知らないのか?」

「嘘……そんな聞いてないよ」

「いや、俺はちゃんと言ったぞ、手帳とかに書かない姉ちゃんが悪い」

「そんな~~」


 アナの瞳から涙が流れる。それを見たセンキは〈やっべ、流石にやりすぎた〉と悪びれた。

 しかしながら寝間着で練習をされては困るため、センキはアナに着替えを要求した。


「まあ、とにかく着替えて。俺は後ろを向いとくから」

「本当? 少しでも此方を向いたら怒るからね」

「分かったから」


 センキが後ろ向いて、5分後。アナは「着替え終わったから、良いよもう」と言い、センキは前を向いた。センキの視界には、治療部隊の徽章を付けた紺色の作業服を着たアナの姿があった。

 天界軍は訓練の時などは作業服で行う者が多い。作業服は汚れが落ちやすい加工が施されており、伸び縮みする為、皆好んで使う。因みに作業服の値段は上が、59銀。下は34銀と安くはない。


「それで、私は何をするの? ……まさか、一緒にするとか言わないよね」


 アナはいきなり着替えさせられ、困惑していた。


「………………その通りだけど? 姉ちゃん、誰かが居ないとサボるじゃん。何時も」

「まあ、良いけど……」

「じゃ、転移するよ」


 センキが床に魔法陣を描き、「移動魔法 軌道(イリア)」と詠唱すると、二人は光とに包まれ転移した。


$同時刻、ジュラ駐屯地$


 二人はもう使われてないジュラ駐屯地の特別魔法練習場に転移していた。

 センキは特別魔法練習場の電気をつけに行くために地下の電源管理室へ向かった。センキは地下に続く扉を開け、中の螺旋階段を下った。


「埃が凄いな。ゴホッ、ゴホッ」


 センキは埃で噎せた。

 センキは階段を軋ませながら何とか、地下に着いた。その後、センキは電源管理室に入り、機械を弄り特別魔法練習場の電気をつけた。電気をつけると次は周辺に被害が及ばない様にするため、センキは魔法牆壁起動室へ向かった。魔法牆壁起動室の中の固定魔法陣を起動させると、センキは特別魔法練習場の中に戻った。


「姉ちゃん、ごめん。遅くなった」


 電気の起動に少し戸惑った為、アナを30分位待たせた事をセンキは謝った。


「良いよ別に。それより、今からどうやって魔法を練習場するの?」

「ああ、それなら……」


 センキは特別魔法練習場の壁に設置されたスイッチを押した。すると、木の人形が現れた。


「木形じゃん。って、でもこれだと……」

「うん。このままだと、属性魔法しか無理だから、ここにあるダイヤルを回すとーーほら、変わったでしょ」


 センキがスイッチの隣に設置してあるダイヤルを回すと、次々に木の人形が、剣技、呪縛、破壊、治癒、封印、属性魔法用の姿に変わっていった。


「じゃあ、ここは治癒魔法用にして、あっちを呪縛魔法用にしよう」


 センキは2m離れたところにあるスイッチを押し、木の人形を出現させ、ダイヤルを呪縛魔法のところにまで、回した。


「よし、じゃあ、準備は整った事だし……練習開始!」


 センキの前には左右に素早く動いている木の人形があった。センキはその木の人形の進行通路の真ん中らへんに魔法陣描く。


「呪縛魔法 対象動鈍伍拾(フセントゴーバル)


 センキが詠唱すると、魔法陣を踏んだ木の人形の動きが先程の半分になった。


「よし! 出来た。次は……何がでるか」


 センキがダイヤルを一周させると、先程の木の人形が消え、新たに動きが遅い木の人形が現れた。

 センキはその木の人形の腹に魔法陣を描き、「呪縛魔法 対象動早廿(ムセント・ニーバル)」と詠唱した。すると、明らかに木の人形の動きが早くなった。


$数時間後$


 センキはアナが倒れてる事を発見し、ペットボトルに入ってるりんごジュースを投げ渡した。

 アナは投げ渡されたりんごジュースを飲むと、疲労のあまり寝てしまった。


「寝ちゃったか……。まっ、今日はこのくらいにするか」


 センキはアナにタオルをかけた後、地下の魔法牆壁起動室に向かった。

 魔法牆壁起動室に着くと、センキは固定魔法陣から魔力を吸い上げた。その後、電源管理室に行き、電源をつける時と逆の工程をし、電源を落とした。電源を落としたことにより、再度真っ暗になり、センキは懐中電灯をつけ、アナの元に戻った。

 アナの元に戻ると、センキはアナを抱っこし、軌道(イリア)で寝専9室に転移した。

 センキはアナに布団をかけると、寝専11室に転移し、寝た。

初めて、キャラ別で同じ日を書いて思ったことは、一つのキャラで色々書きすぎると、別のキャラの地の文が書きにくいと言うことです。

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