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天界の主  作者: 月花
第X章 特別編
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特別編 Part 2

 屋敷に入ると、床が軋んだ。

 別に体重が重いとかではなく、屋敷そのものが古いから。

 屋敷の明かりをつけようとしたが、電気が通っていないのか明かりは付かず、仕方なく光魔法を使った。


「光魔法あまり使いたくなかったのだけど……」


 邪神と繋がっているのであれば、魔法を感知する魔法が張られている可能性がある。だから使いたくなかった。

 廊下を伝っていくと、大広間に出た。大広間には豪華なシャンデリアなどがあり、まるで何かの会場の様な雰囲気を醸し出していた。

 それにしても、まだ人影はおろか、気配すら感じていない。

 何か裏があるに違いない。そう私は確信した。


「不気味ですね。少し寒気がします」

「さあね。唯一分かることといえば、此処は反逆者の拠点ということだけ。いつ反逆者が襲ってくるのかわからない。まぁ、取り敢えず進みましょ」

「それも、そうですね」


 私達が入ってきた廊下の反対側に廊下があり、其の廊下に進んだ。

 この廊下は、来客用なのか他の部屋が無数にあった。

 廊下の奥に、明らかに怪しいドアがあった。


「開けるよ?」


 私はドアを開けた。すると、何処からか声が聞こえた。


「総員、攻撃準備!」


 誰かがそういうと、私達を囲むように無数の魔法陣が現れた。


「対象は2名。放て!!」


 言葉が発せられると、魔法陣から各属性の魔法が放たれた。

 私は咄嗟に反魔法を張った。

 魔法による煙で視界が真っ白になったが、その視界の中でも一際目立つ赤い光があった。

 あそこね……。

 攻撃が止み、私は赤い光の元へ行った。

 そこには、一人の男が立って指示していた。


「なっ!? 馬鹿なあの量の魔法、普通なら防ぐ間もなく死ぬはずなのに……」

「ごめんね。私、普通じゃないいの。なんたって、大天使官長(・・・・・)だから」

「ふっ、其れが何だ。たった一回の攻撃を交わしただけではないか。闇魔法 毒霧(ジェザ)


 魔方陣から紫色の霧が出てきた。


「反魔法 |毒隔空間《スパール・エポエア」


 神経性の毒ね……。反魔法張って良かった。

 毒霧は部屋中に蔓延した。その毒により、先程の魔法を使った天使達がバタバタと倒れた。

 レナを守っている反魔法は毒耐性がある。毒霧(ジェザ)程度の魔法なら弾く筈だけど……やっぱり心配。

 

『レナ! 最悪毒が入ってきたら、移動魔法で逃げて』


 思音声通信(デン・ソーコノフ)を使い、レナに警告を出した。


『了解です』


 霧が止むと、男は新たに魔法陣を描く。


「ほーう、毒霧(ジェザ)を凌いだか……だが、これならどうだ? 封印魔法 反魔法(フーリ・スカ)


 そう言うと、薄紫色のオーラが魔法陣から出てきた。そのオーラと反魔法が接触すると、反魔法が割れた。


「このエリア内では、反魔法は使えない。火魔法 火鞭(バッゾ)。反魔法が使えない今、貴様には防ぐ術がない。これの意味が分かるか? THE ENDだ!」


 男は右手に、火を纏った鞭を持っていた。

 反魔法が使えないとすると……、火魔法だから、水魔法で対抗するしかないかな? 多分、水魔法を使うって読まれてる筈……なら、炎反射(フレーリ)


 炎反射(フレーリ)を使うと、朱色の板が現れた。

 男が鞭を降ると、その振った際に生じた風が炎に変化した。


「なっ……反魔法だ、と。 反魔法(フーリ・スカ)内では、反魔法は使えない筈なのに…………。何故だ!」

「確かに、 反魔法(フーリ・スカ)内では、反魔法は使えない。逆を言うと、反魔法以外は使えるって事」

「どういうことだ?」


「まぁ、簡単に言うと、一応、今創ったの。魔法をね」


 男は驚愕した。其れも其のはず、魔法というのは、何年も時間を掛けて創る。魔法創りに長けている者でも数秒で魔法を創るということは、非常に難しい。しかし、私は違う。主要世界を創り、他にも数多の世界を創った、世界創造主の一人。数秒で魔法を創るなんて容易い事。


  火鞭(バッゾ)炎反射(フレーリ)がぶつかる。しかし、火鞭(バッゾ)の炎により、朱色の板に罅が入ったが、炎反射(フレーリ)の自己修復機能により、罅が修復された。


 その事を知らずに、男は私を罵倒する。


「どうだ? 魔法とはいえ、即席だ。さぞかし、魔法耐性と魔力消費量は釣り合わないだろう…………馬、鹿な……」

「あれ? さっきまでの威勢はどうしたの。起源魔法 序章(ファンド)


 半径1mの魔法陣を描く。その魔法陣から灼熱の青い炎が噴射された。


「確かに、反魔法(フーリ・スカ)内では、反魔法が使えない。そう、使用者(・・・)もね。この意味が分かる? 直ぐに魔法を創れない貴方は魔法を防げない」


 遠距離なら、避けれる可能性がある。それを踏まえて近距離で使った。

 青い炎は男を燃やした。しかし、 男は少し火傷をした程度だった。そう、摂氏1000度を超える炎で。


「この俺に火は効かん。俺には邪神様の加護がある」

 後、1ヶ月程で、天界の主が一周年を迎えます。

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