サンの過去
「そうか……彼のベルーシ襲撃戦において、俺は中尉として前線で戦っていた…………」
サンの脳裏に過去の記憶が蘇った。
$ベルーシ襲撃戦$
「大佐! 魔界軍の総量は凡そ、600。それに対し現在出動している第1部隊の総量は多く見積もっても、200……戦力差が違いすぎます! 至急指示を」
当時の剣使部隊総隊長のハヴァ大将に曹長が言った。
「ふむ……第7部隊を出動させろ」
「はっ!」
曹長は敬礼し、音声通信で第7部隊に出動命令をだした。
$同時刻、第7部隊隊舎$
「第7部隊。至急出動準備に取り掛かれ! 準備できたものから、広場へ集合せよ」
「「「畏まりました」」」
命令を受けた第7部隊の隊員は直ぐ様、出動準備に取り掛かったが、一人だけ出動準備をしない隊員が居た。サンだ。
「サン中尉、早く準備しないと遅れますよ」
「……分かった。今直ぐ準備に取り掛かろう」
〈やはり、聖剣は……無理か〉
他の隊員の呼びかけでやっと、サンは準備をし始めた。
準備している最中サンは何度もため息をついた。
$2時間後$
全員が集合すると、第7部隊の隊長が出動命令をだした。
「これより、数多転移にて、転移する。転移したら戦闘になると思え!」
第7部隊隊長がそう言うと、広場に魔法陣が展開された。
「総員、抜刀!」
隊長の合図で全員が抜刀した。
「あっ! そうだ。サン中尉に渡したい物がある」
「はい! 何でしょうか?」
「これだ」
サンは、隊長の元へ駆け付けた。そして、隊長は魔法で剣を出し、サンに渡した。サンは渡されるがまま、その剣を抜刀した。
「これは……まさか」
「そうだ、聖剣だ。本来なら天剣を渡したいのだが、上がうるさいのでな」
本来、聖剣は中佐以上でなければ、持つのですら、困難。しかし、サンは違う。軍学園時代の剣技大会にて、優勝し、当時の大天使長の聖剣を触る事になった。皆が直ぐ落とすであろうと、思っていたが、普通に持ち、大天使長でも知らないその聖剣の秘めた力を暴き出したのだ。そして、軍学園を卒業して以降、聖剣を卒業祝いとしてもらった。しかし、初戦時にその聖剣はサンが使おうとしていた魔法に耐えられず、折れてしまった。
「有り難う御座います! 隊長」
サンは感極まった。なにせ数十年ぶりに聖剣に触れたのだ。
「よし、それでは、元に戻れ」
隊長の指示でサンは元の場所へ戻った。
「それでは、転移!」
隊長の合図と同時に魔法陣が光った。そして、第7部隊は転移した。
【同時刻、ベルーシ】
第7部隊は、臨時で建てられたベルーシ仮駐屯地に転移しており、第1部隊と会議をしていた。
「モスク少将、第1部隊の損害は?」
第7部隊隊長が第1部隊隊長のモスク・レッパ少将に質問していた。
「第1部隊 部隊Aの約7割が壊滅、続けて、部隊Cの部隊長が戦死した。1000人居た隊員は今では、200人を下回り。そして、もうじき、食料も底をつこうとしている。極めて危険な状態だ」
第1部隊は中隊の部隊Aと部隊B。小隊の部隊C。治療隊の部隊Dで構成されている大隊で隊員数は1200人。剣使部隊の中では最大規模を誇る部隊だ。しかし、ベルーシを襲撃した魔界軍の戦力は2000を超え、何とか、600まで減らしたものの、第1部隊の損害が思った以上に大きく、その援助として、第7部隊が出動した。
「ここからは、我々、第7部隊が前線を引き受ける。第1部隊は本土へ戻り、総隊長へ連絡、大天使長の助けを求めて貰おう」
「其れが、最善か……分かった。大天使長が来るには2,3日掛かる。それまでは、持ちこたえてくれ」
第7部隊隊長は「ああ、了解だ」と了承した。
第1部隊隊長。モスク少将は具現化魔法にて、第1部隊の隊員に帰還命令を出す。
「第1部隊の全隊員に告ぐ。至急、帰還準備をせよ! 準備出来た部隊から、本日拾捌時零零分までに此処、作戦指令室前に部隊毎に整列せよ!」
モスク少将が命令を出すと、各部隊から次々と返答が来た。
『部隊A。了解』
『部隊B。了解』
『部隊C。了解』
『部隊D。現在治療している者は? 送れ』
『此方、作戦司令室。現在、第7部隊が援助に来た。治療は第7部隊に任せる。送れ』
『部隊D。了解』
全部隊が了解すると、モスク少将は具現化魔法を解除した。
$拾捌時零零分$
既に、全部隊が作戦指令室前に集合していた。
拾捌時零零分に作戦司令室から第1部隊隊長。モスク少将が出てきた。
「各部隊、点呼開始!」
モスク少将が命令を出すと、各部隊の部隊長が点呼を開始した。
全部隊の点呼が完了すると、帰還用の魔法陣を描かせた。
暫くすると、魔法陣が描き終わり、今まで描いてた魔法陣が白く光った。
「総員、転移!」
モスク少将の合図と供に、魔法陣から光が溢れ始め、その光は第1部隊を包むように広がり、完全に包むと光は消え、第1部隊は転移した。
第1部隊が転移すると、第7部隊隊長が具現化魔法にて、金色の二つの星と三本の金色の線がついた鉄のプレートを襟に付け、輝かせながら、第7部隊全隊員に連絡した。
「先程、第1部隊は帰還した。これにより、現在ベルーシ仮駐屯地の命令権は私、ミン・クオレカ大佐に渡った。第7部隊、部隊Aは第1部隊がやっていた、負傷者や被災者等の治癒にあたれ、部隊B、部隊Dは大天使長が来るまで、前線で戦ってもらう。部隊Cは捜索活動をしてもらおう。私からの連絡は以上だ。数時間後、部隊長に詳細情報を書いた紙を渡す」
連絡を終えると、クオレカ大佐は具現化魔法を解除し、作戦司令室に入った。
2週間程、お休みを頂きます。
理由と致しましては、プロットの再編が主な理由と成ります。




