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天界の主  作者: 月花
第2章天魔戦争編
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魔使襲撃 day4

 お待たせしました。

 ルドルフ達は数多転移(メテニホ)で魔使が襲撃してきた3室付近に転移した。

 其処では、部隊Cと魔使が戦っていた。部隊Cは約30人に対し、魔使は少なく見積もっても100人は居る。


「隊長。前衛壊滅しました!」

「くそ、駄目だ。数が多すぎる。我々だけでは、奴らを全員殺せん。大天使長達の助けが来るまで、持ちこたえれるか……」

「ほう、中々数が多いな」


 後少しで、部隊Cが壊滅するというところで、ルドルフ達が合流した。


「重傷者はこっちで、治癒するから来て~!」


 アナが重傷者の治癒をし、他3人が魔使と戦うという作戦だった。


「後は大天使長(俺ら)に任せろ」

「分かりました!」


 部隊Cの隊員は、アナのところで治癒を受けた。


「センキ! 奴らの動きを鈍らせれるか? 動き回れたら、魔法の命中率が低下する」


 通常、魔法を使うには詠唱有りだと凡そ、3秒。その間に目標が動き、逃げられたら、その魔力は水の泡になってしまう。だから、動きを極限まで遅くすることで、少しでも命中率を上げる為にルドルフは言った。


「了解だ。呪縛魔法 対象動最遅(エラドウ)


 魔使達の地面に魔法陣が展開される。すると、手を握るだけでも、10秒は掛かる程まで、速度が低下した。


「これなら、いける! 炎魔法 広範囲爆発(バンシール)


 ルドルフの背後に16の魔法陣が展開され、そこから、火の弾が発射された。

 その火の弾が地面に着弾すると同時に、広範囲に及ぶ爆発が起きた。その爆発により、殆どの魔使が殲滅された。

 サンは腰に佩いてある聖剣を片手に持ち、深呼吸した。


「聖剣魔法 未来斬(ザイク)


 サンが未来斬(ザイク)を使うと、視界が白黒になった。白黒になると同時に、聖剣の剣身が白く光った。

 サンは魔使目掛けて、聖剣を振った後、指パッチンをすると、視界が元通りになった。


「貴様等の未来を先程斬った」


 そう言い、サンが聖剣を鞘にしまうと、魔使達の体が2つに別れた。

 三人が戦っていた様子を見ていた、部隊Cの隊長。クウォレカ・クリスは感心していた。


〈凄い……此れが、大天使長の力。到底、俺が辿り着ける領域ではない。そもそも、辿り着こうとするのが間違えだな〉


 クリスの故郷、モーデンは此処、ヘブン・エンターの観光町として栄えていたが、100年前の戦争で魔界軍に襲われ、廃都となってしまった。

 当時のクリスは6歳。何とか生き延び、物陰に隠れる日々を過ごしていた。軍の救助が来ないまま7日が過ぎ、クリスは餓死寸前だったところを当時の大天使長に救われた。


$100年前$


「君、名前は?」


 その一言で、完全に閉じ切ったクリスの心が再度開いた。


「く、クウォレ……」


 乾いた声で最後の力を振り絞り、クリスは言った。


「無理に言わなくて良い。其れより水を飲んだほうが良い」


 襲撃により、町の浄水システムは完全に停止し、飲み水も満足に手に入らなかった。

 大天使長は魔法で水の入った水筒を出し、クリスに渡した。

 クリスは渡された瞬間、涎が止まらず、全て飲む勢いで飲んだ。


「そんな勢い良く飲むと、体に悪い」


 案の定、クリスは咽た。

 クリスは大天使長に水筒を返し、名前を話した。


「……クウォレカ・クリス」

「ありがとう、おーい此処に生き残りが居たから、治癒してやってくれ」


 大天使長は大声で他の天使を呼んだ。

 すると、女性が駆けつけてきた。


「はい、何でしょう?」

「此処に生き残りが居たから治療してやってくれ。アナ中佐頼むぞ」

「畏まりました」


 アナは敬礼し、クリスに手を差し伸べた。


「おいで」


 クリスはアナと手を繋ぎ、軍の簡易拠点へ行った。


$現在$


 クリスはルドルフ達の元へ向かった。


「貴方方が助けに来なければ、我々の部隊は全滅していました」


 クリスは頭を下げ、感謝の言葉を述べた。


「いや、良いよ、別に。頭上げて」


 ルドルフが言うと、クリスは頭を上げた。


「で、此れからどうする?」

「ん~。奴が来るまで、残り3日だからな、残りは休みにするか」

「ルドルフ大天使長様。奴とは一体誰でしょうか?」

キロ・ドウラ(・・・・・・)だ」

「き、キロ・ドウラ……」


 クリスの頬に涙が流れた。


「ん? どうした」

「いえ……申し訳御座いません」


 クリスは手で涙を拭いた。


「部隊Cは一度、本土に戻り、本格的な治療を受けろ」

「ですが、キロ・ドウラはどうするのですか? 我々も戦わせてください」

「駄目だ」


 クリスの願いをサンはきっぱり断った。


「傷者が戦っていたら、逆に迷惑だ」

「……わかりました。其れでは我々は、アナ大天使長様の治癒を受けた後、直ぐ様本土へと帰還します!」

「ああ、分かった」

「それでは、失礼します」


 クリスはアナの治癒を受けに行く為、元の場所に戻った。


「そういえば、ミクロラは?」

「確かに見当たらないな……」

「ミクロラちゃんは、ザクロ休養基地本部で用事があるみたい」


 何故か、アナだけミクロラの居場所を知っていた。


「成る程……ありがとう。アナ、重傷者の治癒は後どの位だ?」

「もう直ぐ終わるよ」

「何故だ? おかしい……」


 サンは未来斬(ザイク)で斬った死体を見ていた。


「どうした? サン」

「いや、通常未来斬(ザイク)で斬った場合、死体は真っ二つになる。だが、今回は粉々に塵となっている。ルドルフの広範囲爆発(バンシール)では、跡形ものなく消え失せる……ということはーー」

「別の誰か。第三者の仕業……ってことか」

「信じがたいが、それが一番有力だ。ルドルフ、ドウラはこの様なことを出来るのか?」

「多分な。俺が見たのは反魔法、起源魔法と魔剣だ。その様な素振りは見せなかった……だが、奴は魔界軍のトップ、ルサノの左腕だ。その様な技も使えるだろう」


 サンは天界の中でも群を抜いて剣技に優れている、そのサンを超える程の剣技を持ち合わせているのか、定かではない事に加え、ルドルフと戦った時の力が本気という事も分からず、サンの頭はパンクしていた。

 天魔戦争のよりも前にも、魔使は幾度となく天界に襲撃しています。

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