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天界の主  作者: 月花
第X章 特別編
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特別編 Part 1

 今回は本編冒頭より前の話です。

 今日は1月半ば。天界は大雪に見舞われていた。


「んーっと。疲れたー」


 私は背伸びをした。新年と言うこともあってか、確認する資料の量が何時もより多い。


「お疲れ様です、ルビエル様。後10枚です」

「えっ……本当?」

「はい」


 レナは自信満々に言った。


「あの、ルビエル様。少しお伺いしたいことが有りまして……ルビエル様は【ワシャール】という国を知っていますか?」

「知ってるけど」

「どういう国か教えて欲しくて」

「ワシャールは、天界の南西に位置する国で、そのワシャールの特徴は独特な文化」

「文化ですか……」

「何でも、神を信仰するらしい」


 ワシャールの文化の特徴は神界に居る神を信仰する。


「レナ。倉庫にワシャールの詳細情報が載ってる資料が有るから持ってきてくれる?」

「分かりました」


 レナは資料を取りに倉庫へ行く。

 少しするとレナがフォルダを持ってきた。


「此れですか?」

「うん。此れがワシャールの詳細情報の紙。昔のだけど」


 あれを作ったのは、確か10年位前だったかな。


「そう言えば、」


 私は手帳を確認する。手帳には1月12日 ワシャールに出張と書かれていた。


「やっぱり、ワシャールに出張しにいく予定がある。レナも行く?」

「はい。私はルビエル様の秘書なので」

「了解。今月の12日だから準備しといて」


 1月12日。今日はワシャールに出張しに行く。

 私は音声通信(デン・コノフ)を使った。相手はレナ。


「レナ。準備できた?」

『一応出来ました』

「行き方は転移で良い? 早く着くし……」

『大丈夫です。今から、そちらに向かいます』

「はーい」


 私は音声通信(デン・コノフ)を切った。

 暫くすると、自室のドアがノックされた。

 

「ルビエル様。入っても良いでしょうか」

「入って良いよ」


 自室にレナが入ってきた。


「それじゃあ、もう行こっか」

「あ、はい」

「移動魔法 光速(ラシミ)


 光速(ラシミ)を使うと、視界が一瞬歪んだ。瞬きをすると、視界に見慣れない光景が広がっていた。


「此処がワシャールだよ」


 視界には木造建築や着物と呼ばれる服を纏った人々が歩いている。


「凄い。まるで異世界みたいですね。それで、今から何処に?」

「今から、天界ワシャール支部に行くんだけど……」


 私は周辺を見渡した。すると、一つだけ異様な光景のビルが目に入った。高さ200mはある。ワシャールで最も高い建物に加え天界ワシャール支部でもある建物名は【フレースラット】。


「それじゃあ、早速行こっか」

「分かりました」


 私は無詠唱の移動魔法を使った。


「こ、此れが天界ワシャール支部ですか……大きい」


 天界ワシャール支部は【フレースラット】を初めとする5つの施設で構成されている。

 私達は【フレースラット】へ移動した。

 【フレースラット】へ入ろうとすると警備員に止められた。


「すいません。身分等をご確認できる物を見せてください。又入室許可証でも構いません」


 身分を確認できるものでしょ? 何があったけ。あっ、そう言えば輪があった。

 私の頭上に白色の輪っかが現れた。

 輪っかの中は階級が分かるように模様がある。


「此れで良い? 一応、大天使官長何だけど……」

「失礼しました。どうぞ中へお入り下さい」


 輪っかを見せると、すんなり通してくれた。


「ごめん、この子も入って良い? 私の秘書だから」

「はい、大丈夫ですが、念のため輪を見せて貰えますか?」

「あ、はい。分かりました」


 そうレナが言うと彼女の頭上に黄色の輪っかが現れた。


「大天使官長秘書ですね。入室を許可します」

「ありがとうございます」


 私達は【フレースラット】に入った。


「【フレースラット】の内装は吹き抜けで、確か……60階建てだった気がする」

「大きいですね。天界本部の高さだけなら3倍位ある……」


 天界本部の高さは凡そ70m。【フレースラット】は各国の支部の中で一番大きい。


「今から、一応、ワシャールの国長(こくちょう)の所に行くのだけど、国長室の場所がわからない……どうしようレナ?」

「えーっと。誰かに訊くか、案内図を見れば良いかと」


 成る程、その手があった。

 早速、私達は案内図を探した。なんと、案内図は入口の真横に置いてあった。


「あった! 案内図。えーっとどれどれ?」


 私は案内図で国長室の場所を確認をした。しかし、国長室の名前は無かった。


「無いんだけど……」

「国長室の場所をお探しですか? ルビエル様」


 困惑していると誰から声が掛けられた。


「貴女は?」

「すみません。自己紹介がまだでしたね。私はワシャール国長の近衛。サーリア・N・ルザールドと申します。以後、サーリアと御呼びください」

「それで、サーリア。国長室は何処にあるの?」

「はい。ご案内します」


 私達は階段まで案内された。

 サーリアが階段の壁を触ると、地下への階段が出現した。


「どうぞ、此方へ」


 私達は、地下へと続く階段を下った。階段を下ると、一本の道に出た。


「何で、案内図に国長室が書かれてないの?」

「国長は反逆者に狙われているので」


 反逆者……だからあんなに厳重なのか。


「着きました。此方が国長室です」


 サーリアはドアをノックした。


「キーナルド様。ルビエル様をお連れしました」


 ドアが勝手に開いた。すると、中から老人が出てきた。


「お久しぶりでございます。ルビエル大天使官長殿。私、キーナルド・スクシャルでございます。どうぞ、中へお入りください」


 私達は国長室へ入った。

 ソファーに座り、私は質問した。


「キーナルド。反逆者って何?」

「……反逆者とは、自称邪神と繋がっている者達です。我々も策を打っているのですが……奴等は闇魔法を使うので」


 闇魔法は天使の弱点。反逆者は堕天使の可能性が高い。


「成る程。その反逆者を私に倒して欲しいから呼んだといことね」

「はい。お願いできますか?」

「大丈夫だけど……」

「有り難き幸せ」


 キーナルドは頭を下げた。


「何処に居るか分かる?」

「はい。西の森林に拠点を持っております」

「オッケー。入ってくるね」


 軌道(イリア)を使って、森林にある拠点に転移した。その拠点は古びた屋敷だった。


「此処が拠点ですね」

「そうだね。早速入ってみよっか」

 久し振りにルビエルが出てきました。

 特別編は約1万字あるので、パート分けします。

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