練習 day1
遅れました。
彼らが転移した場所が野球ができるくらいの広い平野だった。
ルドルフは、そこの地面に魔法陣を描く。その魔法陣から、木で作られた人形が現れた。
「練習の内容だが……軍学園4回生の軍入隊試験練習みたいな、基礎訓練を永遠とするわけではない。実績形式で行う模擬練習を4日する」
「模擬練習って言っても、何すんだ? 敵を倒すって事だろ?」
「さっき、創った木の人形を使う。この人形は、魔法こそ使用しないものの体力が非常に高く設定されている」
体力が高いとあらゆる魔法攻撃に対しても、耐える。練習には好都合というか訳だ。
「剣技魔法 微塵斬激」
サンが腰に佩いていた聖剣が虹色の光を纏う。そして、鞘から出すと同時にあの木の人形の腕が斬られていた。
「おおー。流石」
「はぁ。はぁ……どうだ?」
「見事な剣筋だ、サン。俺も練習しないと……」
ルドルフは剣を出し、腰に佩いた。
「火魔法 蒼炎天弧。剣技 通魔付与」
蒼炎天弧を剣に付与し、剣を鞘から出す。ルドルフが剣を振ると、蒼い炎が弧を描きながら、木の人形に直撃する。しかし、蒼い炎は燃え広がず、その場で鎮火した。
「くっそ、延焼耐性を着けたのが間違いだったか」
「まぁ、蒼炎天弧だし……。ルドちゃん」
アナは、落ち込んでいるルドルフを慰めるように言った。
「あれ? 俺達どうやって練習すればいいのか」
「動かせるっけ? これ」
ルドルフは魔法陣を改良すると、木の人形が動き出す。
「こいつの動きを鈍らせれば良いのか……」
フゥーっと息をつき、センキは魔法陣を描く。
「呪縛魔法 対象動鈍卅」
魔法陣から黒い縄が現れ、木の人形に巻き付く。すると、さっきまで1往復するのに10秒しか掛からなかった人形が、17秒も掛かった。
「此れで、いいか? 30%鈍らせたのだが」
「上出来だ、センキ。今まで見てきた呪縛魔法の使い手でお前が一番良い」
大天使長歴がこの中では一番長い、サンは、他の呪縛魔法の使い手と比べても一番出来が良いサンを誉めている。
「治癒魔法の練習どうすればいい?」
治癒魔法は基本、味方の傷を癒したり、魔力の回復を促せたりする魔法。故に魔法練習では、傷付いた人形等を用いる。
「じゃあ、先程サンが斬った腕を治せるか?」
「や、やってみる」
アナが胸元にあるペンダントを持つと、そのペンダントが神々しく光った。
「治癒魔法 傷癒唄」
そう詠唱すると、虹色の音符が現れ、その音符が腕を持ち上げる。次第に腕が治っていく。
「久しぶりに使ったけど、できた……」
「それじゃあ、木の人形を複製してっと」
ルドルフが魔法陣を描くと木の人形が4体に複製される。
「具現化魔法 複製具現化魔法の応用だ」
木の人形は各々、普通の人形、魔法耐性のある人形、左右上下に動く人形、傷付いた人形になっている。
「それでは、自主練習を開始する」




