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9.初めてのボス攻略



「やった、またレベルアップしました!」


 リリィが無邪気に飛び跳ねる。


 Cランクダンジョンを破竹の勢いで進んでいった俺とリリィは、気がつくと最下層まで来ていた。


 小さめのダンジョンとは言え、予想外のスピードだった。


 その間にリリィはどんどん経験値を稼ぎ、気がつけばレベルが20も上がっていた。

 並みの冒険者なら1年かけてたどり着くレベルだ。


「かなりいいペースだ。やっぱり才能があるな」


 確かに俺の持つ“経験値+”スキルの効果は大きかったが、しかし誰でもこのペースで成長できるわけではない。

 効果の恩恵をどれだけ受けられるかは人による。

 その点、リリィは才能があった。


 あの奴隷商には悪いが、相当な逸材なのだ。


「もっと頑張ります!」


「そうだな。この調子で、ボスも行っちゃう」


 ダンジョンの最奥にいるボス。

 本来、レベル20程度の冒険者が一人で攻略できるほど弱い相手ではないが、俺と一緒ならなんとかなるだろう。


 俺たちはさらにダンジョンを進んでいき、ボスの鎮座する部屋の前まで辿りつく。


 道中ほどんと苦労しなかったので、体力は有り余っていた。

 

「よし、じゃぁ行くか」


「はい!」


 俺はボス部屋の扉を開ける。


 中から出て来たのは、ミノタウロスだった。

 Cランクくらいのダンジョンではよくダンジョンのボスになっていることが多い。


 もちろん、本来であればレベル20くらいで倒せるような相手ではないが……


「グァァァ!!」


 ミノタウルスは俺たちを視認すると、咆哮してきた。


 俺は<索敵>スキルを使って、敵の弱点を探る。

 ミノタウルスは、その体のどこかに<核>を持っている。そこを集中的に攻撃すれば、比較的簡単に倒すことができるのだ。


 そしてそれはすぐに見つかった。


 この個体は左足の太もも。


「リリィ、左足の太ももを狙ってくれ!」


「わかりました!」


 ここに来るまでに、すでにモンスター慣れしていたリリィは、恐れることなくまっすぐミノタウルスに向かっていく。


「やぁぁ!」


 もちろんミノタウルスも愚鈍ではない。

 そのままでは迎撃されてしまう。


 だから俺はこれまでずっとそうだったように、ミノタウルスにも妨害スキルをかける。


「“グラビティ・バインド”!」


 重力の力で、ミノタウルスの動きを阻害する。

 流石にゴブリンのように完全に動きを止める、というのはできなかったが、それでもかなり動きが緩慢になった。


 その結果、リリィの剣は見事に敵の斧を交わしてミノタウルスの太ももに突き刺さった。


「ぐぁぁ!!!!!!」



 ミノタウルスの絶叫が響く。


 だが、それもつかの間。ミノタウルスはリリィを振り払おうと、その斧を振り下ろす。

 ――リリィはそれをまともに受けてしまい、地面に吹き飛ばされた。


「ぐうッ!!」


 すぐにリリィのHPを確認するが、幸い俺の<肉体強化>のスキルのおかげもあって、致命傷にはなっていなかった。


 だが、このまま連撃されれば流石にまずい。


 俺はポケットから<火炎弾>を取り出して、ミノタウルスに投げつける。


 魔法を閉じ込めた玉はミノタウルスの太ももに直撃する。

 火炎弾そのものはもともとあまり大きな威力は持ってないが、それでもウィークポイントに直撃したことで、ミノタウルスは大きなダメージを負った。



「リリィ、今だ!」


 立ち上がりつつあったリリィに俺は檄を飛ばす。


「は、はい!」


 核が埋まっている足が炎に包まれ、悶えているミノタウルスに、リリィは再び突撃を敢行する。


 リリィの渾身の剣が、再び敵の太ももに突き刺さる。


「グァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」


 絶叫、そして次の瞬間ミノタウルスはバタリと地面にひれ伏した。



「や、やったぁ!」


 なんとかミノタウルスを倒すことができた。


「よくやった、リリィ」


 俺はリリィのところに歩み寄っていき、その頭を撫でる。



 ――経験値2000を獲得しました。


 ――経験値+(S)のスキルによるボーナス経験値が20000入りました。


 ――レベルアップ(20→25)しました。


 ボス討伐の経験値が入り、リリィは一気に5つもレベルアップする。


「ご主人様! めちゃくちゃレベルが上がりました!」


「ああ、よかった。よく頑張ったな」


 俺はさらにリリィの頭をわしゃわしゃと撫でる。


 初めてのダンジョン攻略にしては、予想以上の戦果だ。


みなさまに、何卒お願いがあります。


ランキングに乗れるかどうか、最初の1日で決まってしまいます。


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