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料理2

さーてさて、危険は去ったので、今日の野営となる

今日は疲れたとのことで何もしていない姫は休んでいるので僕一人で作る夕食となる

今日のメニューはなんとーーーカレーライス!!

この世界にはなじみのない食事だと思うが僕は大好きなのでせっかくなら食べてもらおうと思う

食べるかはわからないが・・・・

まず森に入りジャガイモもどきを蹴り倒し、玉ねぎもどきの悲鳴を聞きつつ皮をはぎ、

マンドラゴラの雄たけびは聞いたら気絶するので口をふさぎ、

そしてなんと!カレーライスにした理由がここに!

臭木が生えていたのだ!

臭木というのはこちらの言い方で、僕はカレーの木と呼んでいる。こちらの人はカレーを煮込んだらうまくなるのを知らないらしい。あとこの木は煮込まないとえぐみがあるからみんなおいしいことを知らない。

カレールーをもらうには少し緊張する

「カレーの木さん、おいしいカレールーを分けてください」

ぺこりとお辞儀する。と、お辞儀などされたことがないのであろういつも邪険に扱われているカレーの木は

既に感動して泣きそうになっている。

これはいけるかもしれない

思いっきり息を吸い込み、僕の十八番をお披露目する


「・・・・あるー日~♪ 森の中~ くまさんに~ 出会った~~~♪・・・」

三番まで歌いきる。どうだ!!!


沈黙の後


パチパチパチパチ!!!!!!

うおおおおおおおおん!!!!

木の枝で拍手喝采!喜びのあまり泣き出した。

よしきた!!!!僕はガッツポーズとお辞儀も忘れない

「・・・ご視聴ありがとうございます!涙をわけてもらうよー!!」

カレーの木は歌が好きなくらいだから言葉がわかるのか、うんうんと大きくうなずきびしゃびしゃカレールーを飛ばす

それを丁寧にいただき懐にしまった。

後はライスだ、コメはマーメイドのような水辺にすむ動物にわけてもらう

これは簡単

まず水辺に移動。

そして櫛を出す。するとどこからともなくわらわらとマーメイドを子供にしたような幼児体系の動物が

わらわらと寄ってくる

この動物髪がなんとパンク状態なのだ

「おお~これはとかし甲斐がありそうだー!順番だよ~並んでー!」

というときれいに一列に並んだ。

髪に米粒がたわわに実ったマーメイドたちの髪を丁寧にとかしてゆく。

パラパラと米が落ちきれいなピンクの髪に戻ってゆく

すっかりストレートになったマーメイド達は{ピーピーギャゥー!!}と喜んで去っていった

これをお水と炊いてライスにする。

カレールーも無事煮込み終わってみんなのところへ持っていく。

顔がにやけてしまう・・・どんな反応をするのだろう・・・・

全員に配り終わるとみんな唖然・・・・・

王子が言った

「貴様は俺にこれを食えと・・・・???なんだこの汚い物体は!!!!」

今にも剣を抜きそうである

ロンも弓を持ち出す勢いで

「お前喧嘩売ってるのか・・・死にたいんだな・・・幸いなことにお前がいなくても誰も悲しまん」

デュークも沈黙している

その中で一人違った反応の物がいた



姫が・・・・泣いていた・・・・

それを見た王子が今度こそ剣を抜く

「姫にこのような無礼を働き泣かせるとは、もはや許せん・・・お前はここで死ね!!!」

今にも切りかかろうとしたその時

「待って!!!」

止めたのは意外にも姫だった・・・・

「・・・急に泣いてごめんなさい王子・・・・私は大丈夫・・・違うの・・・

嫌で泣いたんじゃないの・・・・この料理・・・・私の故郷の料理なの・・・・

よく母が作ってくれて・・・・思い出しちゃったの・・・・」



王子が言った

「なんだと!?これが??この汚物のようなものがか!?これは食べ物なのか!?

しかも母上が作っていたものなのか??」

一気にまくしたてる

姫が静かにうなずいた

「・・・そう・・・思い出さないようにしてて、でも本当はすごく食べたかった・・・・

ノア・・・ありがとう・・・・いただきます・・・・」

初めて姫は合掌してスプーンで一口食べた

みんな息をのむ


「・・・・・おいしい・・・・母の味に似てるわ・・・・愛情の味・・・・」

姫は黙々と食べた。

それを見てみんなも勇気を決して一口食べる・・・




王子が一言・・・・

「うまい・・・・・なんだこの絶妙な辛さとスパイスのうまみは・・・・お前は・・・・

・・・いや、なんでもない・・・また姫のために作ってくれ・・・」


ロンも完食だ

「さっきは悪かったなぁー、ところでおかわりある???」

あきれてしまう・・・・


デュークも無言だがおいしかったらしく珍しくおかわりをした


すっかり作ったカレーはなくなり、旅で和やかな空気が流れたのは初めての事だった。

姫がノアのところに歩いてゆく

「ノア・・・今までごめんなさい・・・今日の料理・・・おいしかったわ・・・

また・・・作ってくれる・・・・?」

ノアは慌てて立ち上がり

「もちろん!私の料理でよければ姫の好きなものできる限り作ります!」

僕はうれしすぎてちょっとはしゃいだ声になってしまった



料理ってすばらしい!!!





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