旅立ちの朝
魔王討伐の聖女逆ハーメンバーに選ばれたが、魔導士ノアはとにかく目立たないように
ひっそりとモブを続けてきた。
超絶美女の男装顔隠し、いつまでばれずにモブでいられるのか・・・・
魔導士・・ノア 20歳 銀髪アメジスト、絶世の美女・見た目の煩わしさから顔を隠して生きている。世界最強魔導士 馬に乗れない
第二騎士団長・・デューク・レイリック 23歳 黒髪切れ長の目・妖刀使い。真面目
聖女・・白鳥 ユリ 16歳 ピンクの髪に薄緑の目 わがまま、転生者、男はみんな私のもの
第二王子・・アルバルド・フォンディル 剣の技術は一流・ユリに夢中
魔導士・・ロン・カルダック 攻撃魔法が得意・女を見ると口説く
第一騎士団長・・ジン・ワルト ノアの唯一の理解者・剣の腕は一二を争う
ドンドンドン!!「おい!!ノア!!いるか!!」
・・・朝からうるさい・・・
バン!!!!
ドアをけり破る音がする。
「ノア!!大変だ!魔王が復活したらしい!!お前さん、討伐部隊にえらばれたぞ!!」
・・・もうすこし寝かせてほしいのに・・・
朝日を浴びて巨体がこちらを見下ろしている。眉間にしわが寄っているが彫りの深いグリーンの目の良く知った顔だ。
あ~あ、また修理しなきゃ・・ドア・・・
「・・ねえ、こっちまだ寝てんだけど、もう少し静かに開けれないの??騎士団長どの・・・」
・・・騎士団長と呼ばれた男ジンは息をのんだ。
・・何度見ても見慣れない、真っ白な妖精のような男が呆けてこちらを見ている。
「・・・くそ! ノア・・お前自覚足りねえ!けり破っといてなんだが、そんな恰好で寝るな!!」
ノアと呼ばれた男はシャツを羽織っただけの恰好で、銀髪をかき上げアメジストの瞳で睨んだ。
「ほんとにけり破っといて恰好も何もないでしょ・・・僕が朝弱いの知ってるでしょ??
そして、魔王なら昨日から感知してるから・・・・」
昨日からその兆候があった、昨日産まれた魔力が魔王のそれに近かった。まさか、攻撃魔法が苦手な自分が呼ばれるとは思ってもみなかったが、さしあたり封印要素だろう。
聖女も召喚され、こちらとしてはモブまっしぐらで行きたいのだが、、、
「・・・めんどくさい・・・それって王命だよね???」
「・・・ああ、王命だ。・・無論断ることはできない。討伐隊メンバーは第二王子アルバルト様、
聖女の百合様、第二騎士団長デューク、魔導士ロン・・そしてお前だ。」
はぁー、ため息しか出てこない、みな実力者なのだが、癖が強すぎる。テンプレで聖女はわがまま、
王子は百合様に振り回され中、ロンはたらし・・・・
第二騎士団長のデュークだけが、よくわからない。寡黙、何を考えているのかわからない。
まあ、見目はきらっきらだがな、、僕以外。
僕のことをみんなが嫌っているのは知っている。なんせ、全身真っ黒。不気味な術を使い、
まぁ古代魔法なだけで~。それをできてしまう僕って天才なのだが、まあね、転生者なだけ・・
古代語(日本語)読めただけだし!
ここにいる第一騎士団長のジンだけが僕の素顔を知っている。。何かと気にかけてくれるのはありがたいがドアけ破るのはいただけない・・・
この国は同性婚もあるから性別知らないはずだけど、どちらでもみんな気にしない様子。
「はぁ・・・。仕方ない・・・断るすべはなさそうだし、ちゃっちゃと倒してきますか~。」
「・・・ノア、俺はお前が強いのは知ってる。無論倒せないことはないということも、、
でも・・すげー心配だ・・・。見た目、ばれたらお前、王子にケツねらわれるぞ!必ず!!」
「・・それは勘弁・・大丈夫だよ、今までばれてないんだ。うまくやるさ。ジンも心配しなくても
絶対帰ってくるし、安心して王都守ってて!」
ジンは肩を落とし
「はぁ・・・・なんもわかってねぇ・・・
まあ、いつものことだ。気を付けて行ってこい。帰ってきたらお前の好きな葡萄酒をたらふくごちそうしてやる!!」
ノアは無邪気に笑った
「やった!葡萄酒!あれってワイン似でうまいんだよなぁ~!!」
ジンはため息と男臭い笑みを浮かべて、ほんと自覚足りねぇ・・・とぶつぶつ言いながら
「がんばれよ!」と去っていった。
さて、やりますか。。。空間ゲートオープン・・・亜空間の四次元ポケットをだす。毎日の食料だったり、
薬草などを詰め込む。聖女が傷を治せるのだが、なんか呪われそうだし・・・
ポーションは自作の最高級エリクサーへ、体には強化魔法をかける。だいたいのことは自己完結型だが、
一つだけ苦手なことが・・・
馬にのれない・・・・致命傷だ。誰に乗せてもらうんだ!聖女なら喜ぶだろうがこんな怪しいのだれも
載せたがるはずがない!かといって馬車を用意しろとか言えないし・・・
どうしたものか・・・!!