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7 秘めたままにすべきもの

よいしょ。と、王子であるエリックがマリアナの隣に座る。

急いで立ち上がろうとしたマリアナの手をがっちり掴むと、引いた。

「だぁめ。君は、ここに居るの。」

「で、でも。」

「でもじゃないでしょ。僕といるの嫌い?」

「う………。」

眉を歪めるとそのまま腰を下ろす。

よしよし、と、エリックは頭を撫でた。

「けっ、何がよしよしなのよ!私のマリアナにぃ!」

「ちょっ、ちょっと、アエラ。」

「ハハッ、アエラ、君という人は全く飽きないね。国の王子にそこまで言うのは君くらいだよ。」

「ん?俺も言ってあげようか?」

「遠慮しとくよ、テオ。」

こうして、頭を噛まれるのはなかなか痛いからね。と、頭にかぶりついたネコの人形を指さす。

「きっ、きゃぁー!アエラ、今すぐ止めなさい!!」

「え~。マリアナのためだよ?汚物消毒、害虫駆除。」

「ア、アエラ。あなたいつかこの国から追放されますわよ?」

二人の友達から諌められ、イヤイヤネコを消す。

むっとした表情だ。

「何度噛まれても慣れないね。」

「外傷はないからねぇ。脳に直接痛みアタック!」

そう、先ほどのネコもまた彼女の魔法の一つであるため、幻の存在に噛み付かれたような痛みを擬似的に感じさせられているだけ。

この方法でやれば、傷も残らないため、訴えられない。

よく考えられている。

しかし、それすらも王族の一人であるエリックが訴えれば、どうにでもなる。

適当な罪をでっち上げても良いのに、そうしないのは、一重に彼が面白い物好きで、いつか彼女の力は役に立つとふんでいるからである。

まあ、拷問とかに。

そして、彼女の方も完全にお巫山戯でやっているからである。

相手は兎も角。


「って言うか。王子様がここくるの珍しいよね。」

「そうだね。たまにはね。」

「お前の舌に合うものなんか無いだろここ、」

「そうでも無いよ。」

と、言いながら自前のサンドイッチを取り出す。

「くわんのかーい。」と、すかさず突っ込んだアエラは完璧に無視されました。

「ここに来なくちゃいけない『理由』があったんだ。ねぇ、マリアナ。」

「っ………。」

突然名前を呼ばれて、マリアナは肩をふるわせる。

「な、なんの……事でしょう?」

「……ばれてないと思った?」

「…………。はい……。」


………。

コワッ……

怖いですぜ、王子ハン。神さまである私でもびびりますわぁ~。

ちょいと、その垂れ流してる不機嫌オーラ止めてくんださいな!

おお……、通りかかった下級生達が逃げていく。

この中で正常な顔をしてるのは……

「アエラ、俺にも食わせろ。」

「え~。お兄さま、私の特別スペシャルヤバいほど美味しいサンドを食べるおつもりですか?高く付きますよ?」

「中身ハムとレタスだろ。あ、俺ハム嫌いだから抜け。」

「お兄さま、まだハム食べられないんですかぁ~。プププー」

「ベーコンがあるのにハムを食べる意味が分からん。」

そう!

我らがお馬鹿兄妹である。


「………二人とも。ちょっと黙って。」

「「!?」」

おっと……ブラック王子となり果てたエリックにぎろりと睨まれて、流石の兄妹も口をつぐむ。

うん…。

やっと黙ったよ。


「で?何週間も婚約者から逃げ回って、一体どう言う了見だい?」

「そ……それは……」

口をつぐみ、何も言い出せないマリアナ。

それどころか周りも静まりかえり、空気中の微生物ですら息を潜めているような緊迫した静けさが空間を包んでいた。


「はぁ……。」

エリックが腹立たしげに着いたため息にマリアナは肩をはねる。

「ご、ごめんなさい。」

「……謝罪は求めてない。分かるよね。……ま、いいや。今回は不問にするよマリアナ。言えることがあるなら言ってね。」

これでも心配なんだから、と言い残すと、エリックは席を立つ。

サンドイッチのバスケットを置いて、その場を後にした。

テオドールが慌てて後を追う。

しばらくの間なんの音もしなかったが、徐々に緊張が解けていき、ざわざわとしたいつもの食堂に戻っていった。


「こっわぁ………王子様。」

「あれは、空気読まなすぎですわ。怒られて当然。」

「そう?」

まだ青白い顔をしたソフィアンがアエラを諌める。


マリアナは二人の横で震えるように肩を抱いていた。

「あ……、その、大丈夫?」

「えっと……とりあえず保健室に行きましょうか。」

「そうだね。」

立てる?とまりりあです。に聞いても反応はない。

とりあえず、魔法でネコを出すと、そのモッフモフの手でマリアナを抱き上げさせた。

それですら抵抗をしないマリアナ。

寝てるのではないかと思うが、死んだ魚の目はきちんと開かれている。

「行こう。午後の授業、一科目目私魔法史だし、別にでなくても良い奴だし。」

「私は……ちょっとまずいかもですわ。国土の授業ですの。」

保健室に行ったところで出来ることは少ないが、少し静かなところに移動したかった。



「え……。」

モブ男は思った。

誰か、このバスケットを持って行ってください。



***

こんにちはぁ~。まりりあです。

花粉か埃か、とにかくくしゃみが止まらない今日この頃。

鼻をかみながらの執筆です。

誤字脱字ありましたら、おしらせください。

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