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スクリーンにも映らない。

眩しい光が目の前に溢れて……


「あ”いだ!!」


思い切りずっこけた。



こんにちは。此方二手に分かれてしまった本編をどうにか進めるために急遽派遣されました天使でございます。以後お見知りおきを。

この度はこのようなことになり、天界も大変でした。

やれ何処に行った。

やれ、これからの進行はどうなるのかと。

本編の方の進行を行っています天使も、決して仕事が出来ないやつではありませんが、なんというか、放任主義がありまして。

どうにかしてこいと上司に叱られた故、昔より親交のあります私に来てくれと頭を下げてまで連れてきたのです。

ああ、もとの天帝様達のお食事係に戻して欲しい。

ここの仕事は慣れませんが、どうにかしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。


さて、長々とご紹介させていただきましたが、これから私が進行させていきますルートの主人公、ロエルさんは強かに顔面を強打したようで、鼻の頭を涙目でさすっておられます。

まあまあ、真っ赤になっちゃって…、熟しすぎたニンジンみたい………。


「痛い、もう!こんななら移動魔法なんて使わなかったのに!」

荒々しく踏みつけてしまったドレスの裾を持ち上げて、悪態をつかれました。

そうですね。痛そうです。

折角の綺麗なドレスも整備されていない道路の上に尻餅をついてしまったため茶色く汚れてしまいました。

田舎故、人がいなかったことが唯一の救いでしょうか。

はあ、と小さくため息をつかれますと、立ち上がり、パンパンと布を叩きます。

乾いた土がパラパラと落ちました。

それでも落ちきれない汚れは、これ以上染みこませないようにと放置します。

「早めに宿探して、洗うか。一晩で乾くかな?着替え……は、心許ないな……」

がさごとそスカートを捲り上げると、太股に括り付けてあった小さな鞄からお財布を出します。

貴族のお小遣いとはいえお小遣いはお小遣い。何年も贅沢をしたり、無駄遣いをするような金額はありません。

「早めに仕事探すか……依頼人探すかな…?」

鞄の中のものをちらと見下ろすと、また小さくため息をついた。

「あー、ほんとになんで私だけハードモードなの?泰治と愛花が羨ましいわ。」

ここにはいない兄姉を恨めしそうに顔を歪めまして、まあ、仕方がないか。と呟きます。

なんだかんだ恨みきれないのが、兄姉の悪いところです。


一つ、んー、と背伸びをすると、気を取り直したようにぽてぽて歩き出します。

地図もなにもありません。

ただ、人のいそうなほうに……

「こんなとこに人とかいんのか?絶対見つけられない自信がある。」

歩き始めて三歩。

早速止まって愚痴りました。

もういっそ、このままここで座って、何かが起きるのを待とうか……

「あ…………」

「お………?」

あからさまに顔を和ませた。

ええと………地獄に仏……とか言うやつですかね?とにかく、人が一人馬車に乗って向かってきます。

あちらも気が付いたのか、ロエルさんと同様、小さく声を上げました。

「あの!」

「はあ、こんなどごろでなにやっでるど?」

「訛り!」

「ああ?どーこがなまっでると?」

「何もかもがだよ!」

……なんでしょうか、このキャラクターガラガラ喋りますね。バグでしょうか。

なまり……鉛?

というのがあるとこのバグったみたいになるみたいですね。後で聞いてみましょう。

「というがてめぇ、ここらでは見ない顔だなぁ。」

「うん。町の方から来たの。」

「汚えが、いいお召し物着て。どっかいいとこの嬢ちゃんか?」

「そう。ねえ、近くに村か何かあるの?」

ロエルさんの問いかけに、おじさんは困ったように首をかしげました。

それからうっすらと生えた髭を一つ撫でると、重たそうに口を開きました。

「あるにはあるがなー、よぞのもんが来たどなると、どまるとごろがねえなあ。」

「どま……ああ、泊まるところ。否、ご飯が食べられればそれでいいけど。野宿するし。」

……年頃の女の子が野宿って……。

天使監視役として怒られそうで怖いです。

おじさんもこれには何とも言えない顔をしている。


「ま、まあ。とりあえず領主様んところいぐか。」

「領主様がいるの。」

「ああ、お貴族様だな。」

「おお~。」

そこに泊めて貰えないかな、とロエルが言うと、おじさんは困ったように笑った。

どうやら相当気難しいお貴族様らしく……

まあ、どうにかなるか、とはロエルの談である。


どうにかなるなら、

こんなとこには来てないのでは、と、思わずにはいられません。

その懐に入れたものも含め、捨てられるものはあまりないのですから。

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