表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/74

光を纏って瞬いて

瞬きの瞬間すら勿体ないような、そんな輝きだった。

朝に輝く太陽よりも眩しく、

夜に光る星よりも美しい。

そんな彼女は私の友達だった。


この国に彼女あり、

傾国の美女と言うわけではないが、

素朴な微笑みは希少なもので、

そう……たとえば狐の皮衣……

私達の産み出すクマのような望にそったもので無くても、

動的な可愛らしさと言おうか、

元気の良さとはまた違う、

そう、それこそ瞬き、羽ばたき。

揺れる洋服の裾をほんの少し土で汚し、

カタカタと靴底を鳴らして石畳を行く様子は、否応なしに目を奪われた。


「ロエル、ソルテル!早く!」

「ええ。分かってるから、走ると危ないよ!」

「俺もか?」


三人の友達の大切な一日をそれはもう楽しもうと、そ死ね記憶に残そうと心に刻んでいた。

全てをしっていても、

何が起こるか分かっていても、

それでも、

それでも、


最後くらい、楽しんでもいいよね、神様。




…………、否、

神に頼まれても困る。

神は見てないからさ、天使に頼んでみ?どうにかしちゃるけん。

まあぁ~、力を貸してやらんこともなぁいかなぁ~。

あ、こんちは、天使でぇ~す。

いえい!

最近影薄かったって?言わない言わない。

天使は輝くリングの力で、いつでも何所でもスポット浴びているのです!!

天使だから、天使だから!!

さてと、何度も言うけどさあ、神様ってあんまり此方を見てないわけ。

神とはいわば神聖ーな方々なわけ。

そう言う方達はさあ、あんまり混沌としたものを好まないの、

んで、好まなけりゃ消せるし、なくせるのが神様の力、それでも神様達はその程度の我が儘で生き物を消すのが忍びなく、仕方なく天使達に管理を任せ、見ないように過ごしているの。

ん、まあ、時たま気まぐれで助けたりとかするらしいけど、

それってほんとに稀だからね。

よくある、神が下りてたって奴のうちのほんの小さな小さな一部分。

後はまあ、人間の第六感とかそこらへんじゃね?

天使は人間のことよく分からないのです。

だからさあ、ロエルさんのように神に祈る方々を見ると、ほんの少しだけど胸が痛むわけ。

信じて祈りを捧げても、こっちの上司は彼女たちのことをば、ただの人の一人としか思ってない。

祈られたってみてないし、

と言うか、聞いてないし。

ってな感じで、テキトーにあしらうのが大体。

そんなのは少し、可哀想だと思う。



かたっ、と音がする。

聴覚が鋭いロエルは、すぐに気が付いたように其方を向いた。


家の石壁と石壁の間。

暗い隙間から呼ぶ、


「ロエル?次は何を食べればいいのでしょう?」

「ん?ん~。シャドーっていうお菓子あったよね?」

「ああ、あれなら教会が売ってるやつが一番美味い。」

「へえ、どんなものですか?」

「小麦粉とバターと砂糖を混ぜて、捏ねて、焼いたやつに蜂蜜とか、砂糖漬けの花とか果実をのせたやつだ。」

「とても、甘そうですね。」

「否、教会のやつはレモン風味のクリームを挟んであるから、意外とあっさりしている。」

「なるほど。博識ですね。」

「毎年きているからだ。」

案内してください、とナレッジドが言うと、ソルテルはああ、と答え付いてこいと言うように歩き始める。

出来るだけ人通りが少ない道を選び、ゆっくり歩いてくれているところ、ソルテルの優しさが滲み出ていた。

ロエルはそれを見てクスリと笑う。

それから、誰にも聞こえないように、否、誰にも聞かさないように呟いた。

「勿体ないな…。やっぱり勿体ない。うん、勿体ないよ。」

噛み締めるように言うと、小走りで二人の後を追う。

背後からの視線を気にしないようにし、

誰が追ってきているかは何となく予想が付く。

一人じゃあない。

せめて、一番都合が良いやつに捕まえて貰えるように、

そっと敵を惑わす。


「アエラ姉さん。聞こえてる?」

ロエルは、ここではないどこかに話し掛ける。

耳に付いた貝の形のアクセサリがほんのり青く光った。

『ロエル。これ、すっごく可愛いんだけど?ねえ、クマに通信機付けるの間違いだよ?電話みたいに耳に当てたら、お腹のふわふわ加減が気持ちよすぎて辛い。』

「………クールにね。姉さん。」

『分かってる。分かってるけど……ほわわ』

ロエルは思った。

こいつもう駄目かも知れない。と、


そして、

「王子様。女の子を付けるのは不躾じゃない?」

「ばれてたの?」

「当たり前。隠す気ないでしょ。」

「まあね。」

影からふと姿を現した王子に、小さく礼をした。

「ばれてたって事は、もう分かってるの?」

「………さあ。でも一つ、私に用があるなら、コッチが行くまで動かないで。」

誰かが、つばを飲み込むのが分かった。

緊張からか、恐ろしさからか、

少なくとも、当事者からしたら目を背けたいような嫌な雰囲気だった。

「……何言ってるの?そんなの良いと思ってるの?」

温和な王子が表向き柔らかく問いかける。

ロエルは裏も表も読んで、それでも尚王子の意とは真逆に動く。

「良いか悪いかなんて、今更愚問だとは思わない?私はまだお祭りを楽しんでるの。そっとしておいて頂戴。」

「……ふふっ。こっちはもう三人も刺客を殺したよ?誰の刺客で、如何して私がここにいるのが分かったのか、ぜひ聞き出したいね。」


王子の影の中、何かが蠢いた。

それは、死体を抱えた黒い服の男達だった。


「暗殺部隊なんか呼び出して、ほんっと趣味悪い。」

「君のための特別仕様。喜んで貰えると思ったのだけど?」


***

瞬き(またたき)と、瞬き(まばたき)って同じ漢字だと言うことを、今日しりました。

難しい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ