友達遊び
「ソルテル!星祭りって知ってる?」
「あー、なんか、伝説を元にして遊びまくるイベントのことだろ。ロエル、脇が空いてる。甘い。」
「わたくしも聞いたことがあります。国中でお祝いするらしいですね。祝賀パレードもあるそうです。」
「ふーん。もらった!」
カン!と、固いもの同士がぶつかる音がして、木刀が空を舞う。
ロエルとソルテルの木刀がぶつかった音が。
そしてザスッと音がして、木刀が地面に突き刺さる。
肩で息をする両者に、姫様ナレッジドこと、ナーレは、パチパチと手を叩いた。
「お二人ともお強いです。」
「そんなこと無いよ。」
「ああ。まだまだ修行中の身だ。」
また負けちゃったし、と、ロエルは吹き飛んだ自分の木刀を拾いにかける。
膝下のドレスで、よくもまあそこまで動けるものだ。
「ロエルも強くなってきている。入学当時、初めての手合わせに比べたら天と地だ。」
「はいはい、お褒めいただき恐悦至極。地から天にグレードアップしたところで、私ではソルテルに勝てないわけだ。」
「そう言う意味で言ってない。」
「後ろめたい解釈しか出来なくてごめんねえ。」
顔をしかめたソルテルに、ロエルはそっと手を差し出した。
互いに手を握り合う。
ここまでが試合だから。
「ロエルも、凄くお強いですよ?私なんかと比べたら。」
「ナーレは、魔法使うんだっけ?」
「はい。」
でも、全然……と、ナレッジドは下を向いて拳をきつく結んだ。
まあたしかに、彼女はお世辞にも強いとは言い切れない。
なんというか、教科書通りの魔法を、教本通りに実践するだけだ。
それでは臨機応変でない。
実際の戦いでは不利も不利、学園のみなが教本を読んでいるのだ。
誰にでも対策が出来る攻撃で、強いはずがない。
「ナーレは、オリジナリティがないと思う。」
「そうだねえ。今度アエラ姉さんとかに師事たのんでみる?」
「お願いできるのなら。」
「うん。ナーレなら、アエラ姉さんの意味不明な説明もかみ砕けるかもね。」
「………酷だな。お前も付いててやれよ。」
「私にも理解できないっつーの。」
汗をふきふき、ロエルはナーレの座るベンチに腰掛ける。
ソルテルも近くに寄った。
「で?なんで急に星祭りの話なんかをしたんだ?」
「ん?」
手合わせ中の急な発言がよっぽど頭に残ったのか、ソルテルが
ロエルに問う。
ロエルはソルテルを見上げると、
ああ、と、言って理由を説明し始める。
「今朝、姉さんと話したの。私も姉さんも、星祭りって行ったことなかったから。」
「そうなのか?お前の屋敷、ここからそう遠くないだろ?」
「うん。でもまあ、母さん達が私達が人目に触れるのを嫌がってさ。」
過保護なんだから、とむくれるロエルに、その他二人は何となく分かると相づちを打った。
「それど、今年こそは行きたいな!っと。」
「いいんじゃね?俺毎年行ってるし。」
「わ、私も、御一緒したいです。」
「姫様は、大丈夫なの?」
危なくない?と、ロエル。
ナレッジドはうっ、と言い詰まると、
「に、兄様に、聞いてみます。」
「あー、王子が一緒ならいいんじゃね?あの方も毎年行ってるみたいだし。」
「そうなのですか?」
意外そうに言うナレッジドに、ロエラはう~んと唸る。
相変わらず、王族というのは、兄弟姉妹であっても互いに疎遠なのだ。
王子様の方は、妹姫の行動を逐一確認しているみたいだけれど。
「もしいいよって言われたら、一緒に行こうね。」
「はい、勿論。楽しみですわ。」
「俺は、案内役としてこき使われそうだから、遠慮願いたい。」
「あら、そんなことしないわよ。」
「はい。そんなふうにはいたしません。」
ロエルと、ナレッジドは互いに顔を見合わせると、同時にソルテルの方を向く。
嫌な予感にソルテルは唇を引きつらせた。
「大切な荷物持ちだもん。」
「身を守る盾として、頼りにしております。」
「う………甲乙付けがたい仕打ちだな。」
荷物持ちか、盾か、
とにかく、人として扱われないようだと、ソルテルはため息をついた。
「何となく、予想はしていた。母さんは父さんのことをいつもそう言っているから。」
「では、お願い。」
「楽しみですね。星祭り。」
キャッキャと楽しげに話す二人を横目に、
父親の大変さを痛感したソルテルであった。
「両手に花と、考えよう。」
ソルテルが自分の心にそう言い聞かせたのは言うまでもない。
***
こんにちは。まりりあです。
今年一番のトウモロコシを食べました。
妹に、トウモロコシ茹で上がったよ。と、言おうとしたら、思い切り噛んで、トウモロシコと、言ってしまいました。
あるあるをやらかすまりりあでした。
滑舌には意外と自信があったんだけどなぁ……。
では、また次回。




