激動
人の生は短い。
勿論、他の動物とか、虫とかに比べたら、長い方ではあるが、平均して60年という生は天使の自分からしたら短いも短い。
あっという間の一時、
刹那の時間なわけで、
いつも思うのが、その60年の中で姿を変え続ける人の変化のスピードというものは、驚くべきもので、男子3日会わずば、刮目してみよ。なんて言葉が素直に受け入れられる。
そしてそれは、何も男子だけでなく。
いや、女子の方が顕著とさえ思える。
それこそ女性というものは、たった数分で自分自身を飾り立て、全く別の生き物のように仕立て上げる力と技術を持つ。
恐ろしいものだ。
さて、我らがアエラさん、ロエルさんは世間一般的な女性と違い、自らを飾り立てる行為、所謂お洒落、化粧等にさっぱり興味が無く、
しまい揃って基本ノーメイク。(マリアナやソフィアンやお姫様はちゃんとメイクしてるよ)
アエラに至っては服に興味もなく、ただ親がくれたものを、機能を追求して手を加え、適当に身に纏っている。
ロエルの方は姉ほどではないが、日焼け止めの魔法はかけるものの、ほぼ意味が無いほど日焼けするまで外で体を動かす。
それが間違っているとは言わないが、
そんな二人は、変化と言うものから遠い存在であった。
そんな二人が示し合わせたように、珍しくうっすら化粧をしていた今朝。
長兄が驚いたように二人を問い質したのであった。
「で?なんの為の化粧だ?アエラ、お前また何か企んでるのか?」
「え~。企んでないと言ったら嘘になる?」
いつもより舌足らずな声は、欠伸をかみ殺すようにあやふやで、
表情も見えずらい顔色も、いつもより元気が無さそうだ。
「何を……企んでる?」
「内緒。ロエルに阻止されたら困るもの。」
「えー……そんなことしないよ。暇じゃないもん。」
「嘘つけ。私を邪魔するためならなんだってするでしょ貴女は。」
「するね。」
こちらも、なれないメイクを器用にしてきたロエル。
アエラ、ロエルの化粧した顔は珍しいのか、近くを通る生徒が男子女子差異無くチラリと覗き込んでいく。
幸か不幸か、というのはおかしいが、とにかく二人とも持っているものはなかなかなのだ。
見違えるように手入れされたそれに惹かれない者はいないようだ。
いつもそれなら、見てるこっちも気分が良いのにね。
「話を聞け、アエラ。」
「テオお兄様オコなの?」
「いや、怒ってはいない。何を企んでいるのか聞き出したいだけだ。」
「いや、言うけどさあ。兄さんには関係ないと思うよ?」
「言ってみろ。」
「うん、あのね。」
「赤点回避極秘計画。」
「………?」
「あ、分かってないって顔。だから、赤点を回避すべく、こっそり勉強してるの。今言ったことにより、こっそりじゃなくなったけど。」
「は?」
「へ?」
説明しよう!
赤点回避極秘計画とは、
言い近似に脅されたアエラが、
母に告げ口されないため、赤点だけは取らないようにしようという心積もりの元、いつもの何倍も必死に勉強していることである。
説明終了。
「ごめん。分からん。」
「何が?」
「そう言う企み?」
「そうだよ。兄様なんだと思ってたの?」
「いや、もっとこう、人を欺く的な?」
「欺くって。学生の本分は勉学だよ?」
「う………」
戸惑ったようにテオドールが固まる。
それから急に青ざめる。
「う、ウチの妹がまともなこと言ってる。」
「なんて?」
「え……こっわ。姉さんが勉強って。」
兄妹の反応に腹を立てたのか、アエラはむっと顰めっ面。
腰に手を当て、無い胸を張る。
「失礼。私だって勉強くらいするし!今日の試験も全部書けたし。」
「なっ………」
「今日は異国語のテストがあったというのに…」
アエラの一番苦手な文系課目。
母国語は得意なのにね。
「先輩から教えてもらったもん!」
「図書の?」
「うん。」
「それは良いね。あの先輩頭良いっしょ。」
「凄い良い。頭おかしいくらい良い。」
んにゃ~、と叫ぶとアエラは一つ伸びをする。
左右に少し体を揺らすと、じゃっ、と、手をかざす。
「私、自分の部屋行って勉強する。」
「午後のテストは?」
「取ってる課目無いし。」
「あっそ。」
「じゃあ、頑張り給え二人とも。」
「うっわぁ~。我が姉ながらむかつく。」
「こんな妹いやだなぁ。」
と、軽口で盛り上がる三兄妹だった。
おしまい。
***
こんにちは。まりりあです。
書いてはいるものの、投稿できないことが多く、あー、今日も忘れてた。と、肩を落とす日々。
腰は痛いし。
さて、三兄妹の題名変えたのお気付きですか?
クマ殆ど出てきてねえな。と言う、考えによりです。
クマもっと出したいけど、出したらカオスになる。
と言うわけで、続きますよ?




