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いったぁ。

悲鳴が上がる。

歓喜ではなくて、ただ単に負傷者がでたことへの悲鳴だ。

青い光とともにアエラの腹部から血が噴き出す。

服を破き、肉片が飛び散る。骨すら見える。

アエラの肉体はそのまま力なく倒れ込んだ。


「アエラ!」

「か、母さん。落ち着いて。」

「落ち着いてなど………いられません!」

「落ちるから、席から落ちるからぁ!!」

客席ではいつもなよなよしいアエラ達の母親が娘の窮地(死ぬ寸前ですがね)に思わず立ち上がっている。

母は強しだなぁ。

でもまあ、

天使的には送り込んだ人が呆気なく死にそうなわけで、

どげんかせんといかん!!って感じだね。

 

まあ、大丈夫だろうけどさあ。


「ぐっ、ごほっごほっ!!いったぁ…ちょっと、ソフィアン。やってもいいけど、先に言って。」

「ごめんなさい、アエラ。しかし、相変わらずの気持ち悪さね。」

「言うな。気にしてるんだから。」


再び悲鳴が上がる。

それもそうだろう。

どう見ても致死量の血を垂れ流し、腹に穴が開いたはずのおんなが、のうのうと立ち上がったもんだから。

悲鳴だって上げます。

お母さん、驚きすぎて倒れたよ?

ねえ。お母さんもさあ、そろっと自分の娘が普通じゃないことに気付いたほうが良いと思うよ?

ただで倒れる女じゃないって。


「あー。血たりね。」

「後で一緒にご飯食べましょう。」

「マリアナも一緒にね。」

ソフィアンがアエラの腕を引いて立ち上がらせる。

どちらも何もなかったかのようにこれからの話をし始める。

それから、でていこうとして、

「お?」

「あっ……」

生徒会員の前で立ち止まった。

思わずといったように固まる少女と。

いつの間にか現れたモルガー。


「なんで………なんでこう毎回お前はぁ!!」

「わぁ~。うるさぁ~い。」

「煩いじゃあない!巫山戯るな!とにかく、戦いは終わりだ!早く部屋にでも籠もってろ!!」

「え?なんで?これから遊ぼうかと、」

「お前は!お前はもう……」

流石のモルガーも頭を抱える。

彼女に関わる者の多くは、こうして苦労しているわけだが、彼はキングオブだね。


「あ、アエラ?マリアナの病室に行きましょう。先に言っててくれますか?私は、食べるものでも買っていきます。」

「そう?じゃあ、私の屋台寄ってきてよ。いもうとがいるからさ。」

「わ、分かりましたわ。」

行こ、と手を引くアエラ。

そこにいた者達は、それをただ見ていることしか出来なかった。



日中の賑やかさはどこへやら、夜は恐ろしく静まりかえり、重たく黒い闇が下りていた。

カーテンをしっかり閉めた部屋の中、ベットサイドのライトだけ付け、薄暗い部屋の中で王子エリックとテオドールが話をしていた。

「ねえ、テオ。」

「なんだ?」

「あのさぁ。私は、やっぱり事故で終わらせて良いと思わないんだ。」

「……掘り返すつもりか?」

「ああ、だって不自然な点が多すぎる。」

「それは、そうだが。」

「寝ている虎は起こすなって?それがいつか起き出した時、喉笛を食い千切られないように先に息の根を止めるのが、上策だろう?」

「まあな。」


コーヒーのカップを傾ける。

テオは良くコーヒー飲むのだが、王子様は嫌いなのだろう、少し眉をひそめる。

こちらは紅茶のカップを傾けた。


「第一に、事故だとしたら、シャルロッテがアエラの屋台で売っていたと偽って渡した意味が分からない。あれは、アエラに、罪をなすりつけるためじゃないのかい?」

「……だろうな。」

「気付いてた?」

「……(こく」

「さっすが。」

潜められた声が部屋の闇に溶けていく。

本に二人きりの部屋で、王子様はいつになく荒々しくため息をついた。


「アエラは、何か知ってるのかな。」

「あいつは、多分知ってるだろう。でも、話さないと思うぞ。」

「分かってる。」

あーあ、と、王子。

どうも、上手くいかないのが嫌になってくるようだ。

「もう、王族特権使う?拷問?」

「やめておけ。王族が命令しようと、あいつは絶対言わん。拷問なんかしても、あいつのことだ、」

「だよね。ふーむ。」

困った、と呟く。


それから、暫く二人とも無言だった。

ほんの少し、服のこすれる音と、他の部屋から聞こえる声。

そして、家鳴りのミシミシとした音。

それにすら掻き消されるくらい、小さな声でテオドールは沈黙を破った。


「ただ、アエラは悪いことはしないだろ。」

「……………わかってるさ。」

「面白いからと、ルールを破る奴じゃない。どっちかというと……」

「もう一人の妹?」

「ロエルは………あいつは、なんなんだろうな。」

「は?」


テオドールは黙って胸元からロケットを取り出す。

カシャッと軽い音をたてて、開く。

中には三人の写真。


「一番下のあいつは、一番分かりやすい。泣くとき泣くし、怒るときはすぐ怒る。だが、だからこそよく分からない。」

「妹のことなんか、兄が分かるはず無いじゃないか。」

「アエラは、あいつは感覚で生きている奴だ。ロエルは、そんなアエラをほんの少し、羨ましがって妬んでる。だから、誰よりも努力して、努力して、一体何を掴もうとしてるのか。」

「シルバールの家督とか?」

「それなら良いんだが、もっと、何か大きなモノを、実現させようとしているようにしか思えない。三兄妹の中で、一番敵に回したくないのはあいつだな。」



***

こんにちは。

眠たいです。

最近、ゼリーにはまりまして、毎朝食べています。

リンゴゼリーが美味しいです。

マンゴーもなかなか。

ぶどうは文句なし!

レモンゼリーがこの世の至高。

しかし、プリンが昔から食べられなくてですね。そろそろ克服すべきかな、と思っております。

では、また次回。

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