見目麗しく飾り立て
「は………あの、アエラ……?笑えませんよ。」
「うん。本当だもの。」
「アエラ、それはあまりに突拍子もないのではないかい?」
「事実は小説より奇なりって、言葉、知らないよね~。こっちの諺じゃないし。」
戸惑ったようにシャルロッテとエリックが、アエラに話し掛ける。
当然の戸惑いだというように静かに答えていくアエラ。
そして、テオドールは
「…………。」
静かに押し黙っていた。
「とにかく、なぜ私が……」
「なんでって言われても……」
「身近にいる私に罪をなすりつける気ですか!?」
「………。」
酷いです、と、目を潤ませるシャルロッテ。
ありゃ……とアエラは首をかしげた。
「これは……気付いてない感じ?」
「気付いてない?」
「シャルはさあ、クッキーとか、ケーキとか焼くとき、ある材料いれるよね。あれは、驚いた。」
ああ……と、シャルロッテ。
しかし、突然はなしが切り替わって、戸惑いながら、シャルロッテは何も知らない男性二人に説明した。
「えっと……私東方の国から輸入されているそば粉を使って……」
「……なるほどな。」
「テオドール。今ので分かったのかい?」
テオはこくりと頷く。
つまり……と、アエラを指さしていった。
「そばアレルギー。だな。」
「あったりぃ~。」
アエラも指を差しかえし、クマのぬいぐるみをテオの頭にポフンと乗せた。
「アレルギー。ロエルが説明してくれた奴か。」
「あ、あれるぎー?なんですか、それ。」
「シャルロッテは知らないか、うんとねえ。」
アエラが手早く教える。
その様子を見て、エリックはテオドール小声でに話し掛けた。
その顔は険しくしかめられているようにも見えた。
「これじゃあ……犯人無しって感じだね。」
「まあ……そうだな。」
「ん?何か思い当たることが?」
「いや、考えすぎかも知れない。……時期が来れば、皆分かるだろう。」
「……そうだね。」
さて、シャルロッテはと言うと、アエラの話を聞きながら、少しずつ顔が青くなっていく。
血の気が引いていく……とでも言おうか……。
分かりやすく戸惑い、呆然としている。
「で、では……マリアナ様の不調は私の……」
「気づかなかったのは私達も一緒。誰のせいでもないんだよ、アレルギーってのは。知らなかったのでしょ?」
「知ってたら!知ってたら……こんなことしません。」
だよね。
天使的にもそう思うもん。彼女、めっちゃいい人やもん。
信じられないくらい仲間思いやもん。
多分。
天使はまだまだ人の本性見破るの得意じゃないから。
天使長様とか、上司はうまくみやぶるのになぁ……
経験の差ってやつだね。
「あ、謝りにいかなくては……」
「まあ、明日にしなよ。マリアナはとりあえず大丈夫なんだし、二人とも、落ち着いたほうが良いから。」
アエラはおもむろにベットから立ち上がると、向かいのシャルロッテの座る横に腰掛ける。
ねっ、と顔を覗き込むと、そっと背中を撫でてあげた。
ぽろぽろとシャルロッテの頬に涙が伝う。
「どうしましょう。また友達に戻れますか?」
「……うん。マリアナは、優しいこだから。」
「でも、殺されかけた相手に。」
「事故。そうでしょ?」
「じ……こ……?」
涙を拭ってあげながらシャルロッテを慰めるアエラを見て、エリックは一つ微笑んだ。
「さて、僕等は帰るかな。」
「ああ。いいのか?」
「長居したら、要らぬ疑いをかけられそうだ。」
「……ふん。」




