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問題解決はご自分で。

マリアナの容態も安定してきたとして、

ソフィアンとロエルに任せ、アエラ、エリック、テオドールの三人は後夜祭で盛り上がる校内を抜け、近くの寮まで来ていた。

何時もは男子禁制の女子寮は見張りの教師もいなく、

アエラ達以外にもこっそり男女で親しげにはいっていく姿が見える。


「みんなふじゅ~ん」

「こんな時しか忍べないからな。」

「ふふっ、いい方ぁ」

楽しげに話す兄妹をエリックはじっと見た。


「あのさ…急いでよ。」

「そうせかさない。ほら、入って入って。」

「ちょっ……アエラさん?なんで?その方達は?」

我が物顔で自分とシャルロッテの部屋に二人を誘い込む。

テオはお邪魔しまぁ~すと何ら気にすることはなかったが、

先に寮に戻っていたシャルロッテと初めて女子寮に入るエリックはドギマギとしていた。


うん。

せめて、先にアポ取ってたほうが良くない?

君だけの部屋じゃないんだぞ!

プンプン。

って、天使は怒ります。

あ、こんちは、天使で~す。

今回も楽しく皆さんとともに見させていただきまぁ~す。


「あ、ごめんごめん。気にしないで、」

「気にしないでって、あ、もし良かったら椅子どうぞ。」

「ありがたく借りるよ、えっと……」

「シャルロッテです。」

エリックにぺこりとおじぎをする。

テオドールは呆れたようにエリックを見て、肩をすくめた。

「アエラとドーナツ焼いてた子だぞ?」

「ああ、通りで……」

見覚えがある、と言い、エリックも軽く会釈をした。


お嬢様お坊ちゃまの集まる寮とはいえ、

そもそも来客は想定されてない作りで、

座れる椅子は勉強用の机のものとドレッサーのもの。

では、アエラが自分のベットに座れば、三人座りきれるのではと思ったそこのあなた。

惜しい、

惜しいなぁ…

今までの37話のうちに分かったこと。

特に第10話にこんな描写がありましたね。


『ベットの上に溢れんばかりのクマとウサギとネコのぬいぐるみ。

そして、こぼれおちそう…いや、最早少し身動きを取る度に音をたてて床に落ちる本と紙とペン。

ちっとはかたずけろよ。と突っ込みたくなる。これが……汚部屋。

いや、汚ベット。』


憶えてる?

まあ、憶えてなくてもいいけどさ、

とにかく。彼女の椅子という椅子の上には人形と本が所狭しと置かれているのです。

はい。

つまり。椅子なんてものは無いのです。

「アエラ、お前もうちょい片付けろよ。」

「んー?テスト期間になったら片付くから。」

「テスト期間は勉強しろよ。」

妹とともにベットに座った兄は、その場にあった本を二、三重ねて本棚らしきところにおく。

人形も幾つかどかしてどうにか座り心地の良いベットを見つけ出した。


さて、と、アエラはがいう。

「本題に入ろうか。」

テオドールと、エリックも、顔を少し引き締める。

シャルロッテは所在なさげに本を閉じたり開いたりしていた。


「マリアナのこと、これは、たしかに犯人がいる。なんで私だと?」

「倒れる直前、お前の屋台で売られていたクッキーを食べたからだと。」

「……はぁ。やっぱり?でもさぁ、私屋台でクッキーとか売ってなかったよ?」

「?」

不思議そうに首をかしげる三人。

「だが、ソフィアンはたしかに。」

「モルガーに書かされた出典書にはそうとしか書かなかったよ。まさかモルガーがその違いに気付かないとでも?」

「それは……そうだな。」

エリックも、テオドールも、モルガーとは長い付き合いなので、彼が何事にもきっちり取り組み、隙間を漏らさないことは分かっている。

だから、

「やっぱり、おかしい、か。」

あれだけアエラを疑っていたエリックも彼女の無実とまではいかないが裏にないかがあることを認めざるをえなかった。



そんな三人の話を聞いていて、思い至ったところがあるのか、シャルロッテがアエラに声をかける。

「あの、話し合いならでていくけど?」

「ううん。シャルもそこにいて。」

「え、でも……」

「マリアナのことなの。シャルも仲いいでしょ。」

「それなり……にはね。」

殆どアエラの仲立ちのせいだけど、と付け加える。

せいじゃなくておかげ、と、アエラは言い直した。


いにくいなぁ……と苦笑いするシャルロッテ。

アエラは、ポテポテと歩くと、ベットに腰掛けている彼女の隣に座って、笑いかけた。

そして、息を吐くように言葉を吐く。


「それにさあ、真犯人にはいてもらわなくちゃ。ねえ、シャルロッテ?」

「っ………」



………。

そこにいる全員が押し黙っていた。

否、何も言えなかった。

突然の真実はいつでも驚きの事実なものだ。


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