二女。戦います!
固唾を吞んで見守る。とは、このこと。
体育館に集まった面々は、これから起こる戦いに興奮を押し殺していた。
毎年この戦いの場で、新たななにかを持ち出してくるアエラ。
そしてその相手に相応しい、この学園でも珍しい個性魔法の持ち主、ラクト・ポリエ。
その者達の戦いの火蓋が、ついに今、切って落とされた!!
はい、ストップ。
ここで、個性魔法について説明しまってせ。
どうも、天使ちゃんです~!!イエイ!
さて、個性魔法とは、文字通り、個性的な魔法のことであり、家系によって、人によって、唯一使える魔法のことです。
つまり、この、ラクトさんにしか使えない魔法ってこと。
この魔法は使える人もごく少数、
また、使いこなせない人も多く、国でも自分の力として使いこなせるのは両手で数えられるほどの人数。
つまり、このラクトさんは、凄い人だった。
あ、ちなみに、アエラの使ってるのは別に個性魔法じゃないっすよ。
飽くまで、使い方が分かれば誰でも使える奴です。
たぁ~だぁ~、
彼女の場合、使い方の説明が下手くそすぎて、誰にも理解できず、Personal definitionつまり、彼女自身の勝手に決めた定理って奴が誰にも理解不能なため、使えないってことです。
よって、天才的馬鹿と、天より才能を与えられた人の戦いってことになりますね。
わっくわく~
「え~、ラクトさん。だっけ?」
「お久し振りです。シルバール嬢。」
「あ、うん。えっと……ごきげんよう?」
「はい。」
あ、ちなみに、こんなにカタカタなのは、元々二人が婚約者同士だからね。
アエラにあった当日にクマクマアタックくらって卒倒し、解消されたけど。
別に、ラクト的には嫌でもなかったから、アエラのことは、『変なお嬢さん』程度にしか思ってないんだけどねぇ。
「始めます。両者構え。」
審判兼、進行役の生徒会係員が声をかける。
普通ならここで両者とも武器を構え、せんいを見せるところなのだが、
「アエラ嬢。相変わらずの戦闘方法なのかな?」
「まあ。そちらこそ。」
「僕は、自分の力以外は上手く使えないからね。ごめんね、変わりばえなくて。」
「いいえ、あなたの力は強力ですから。」
「君にそう言われると、嬉しいね。さ、始めようか。」
「ええ、」
「始め!」
女生徒の声が響いたと同時、
その場では二つのことが同時に起きていた。
一つ、アエラを手に乗せた人形が天井すれすれまで飛んでいた。
もう一つは、
「ちっ……外したか。」
「こっっわぁ……もうやだこいつの能力ぅ!!」
青い稲妻が地面を走っていた。
ラクトの力。それは電気だった。
とはいえ、彼は稲妻と呼んでいて、飽くまで自然環境の中にあるものと形容している。
人間が電気を作り出せる時代ではまだなく、
彼の能力の利便性から、皆が使えるように開発は成されているが
未だ進歩は雀の涙、亀の歩み。
通常時、彼が炸裂させるそれは、ほんのちいさな稲妻で、金色の糸がパチリと弾ける程度なのだが、戦いとなると、相手を死には至らしめないものの、いつもの十倍ぐらいの力を出す。
だが、今回は……
「やっぱり。避けるよね。」
「ねえ、どうして私に放つときだけ本気なの?それあたったら死んじゃうよ?」
「君なら当たらないだろ?」
「ゴム人間じゃないんだから、擦れば感電するから!」
クマの上からアエラは、声を張り上げる。
それに向けて、彼はまた稲妻を走らせた。
さて、皆様に訴えたいのは、ここは空気中であると言うこと。
皆様のなかで、中学校を卒業した方は分かるでしょう。『真空管』というものを憶えていますか?
通常。空気中に電気を流すことは、それはそれは大変なことなのであります。たとえば、雷や静電気など、ありますが、あれはとてつもない電気が一気にぐあっ!つてなって起きています。
真空管はその内部を真空にすることで、電気の粒にぶつかるものを無くし、電気が流れやすくしたものです。
さて、電気の流れを阻害するものが多くある空気中に電気を流すこと、
どれだけ難しいか分かりますか?
静電気は一万ボルト、大人気ゲームのキャラクター黄色いネズミは十万ボルト、雷は二百万ボルトくらい。
彼の出しているものは、まさに擬似雷と言っても過言ではなく、
つまりどういうことかというと……
こいつやべぇってことです。
次回に続くぅ!
***
こんにちは。まりりあです。
アエラちゃん、戦ってるところ書きたかったんですよね。
って、書き始めたらまさかの長丁場に。
マリアナとソフィアンほったらかしでなにかいてるんだろう。
ま、いいか。
では、また次回。




