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窓の外の

「面倒くさい~!先輩代筆してくださいよ!」

「馬鹿か!とりあえず一文でも読んでからいえ。」

「え~、文字読むの面倒くさい!なんかもっとこう、美しい文章で渡してくださいよ。洒落た言葉と流れる文章で!」

「うるさい、書類は見やすさが優先だ。良いから早く書け!」

ここは高等部生徒会室。

と言っても、生徒会室自体は合同なので、高等部の机である。

周りの委員達がチラチラと見る中、アエラとモルガー

とはいえ、アエラは全然全くこれっぽっちも言うことを聞く気配がなく、うだうだと言っている。

「なんでこんなの書くのさ、必要?」

「ああ、事故や食中毒なんかが起きたときに、必要だろ。」

「あ、そゆこと。」

割合簡単に納得するんやなぁ~

かきかきし始めたし。

あらら~、意外と素直で良い子よね。

ようやく落ち着いて書き始めたアエラに、周りもほっと息をついた。

「先輩方、お茶どうぞ。」

「ああ、君は中等部の……えっと……」

お茶のコップを差し出した少女は、含羞むと、わたわたと答えた。

「ケレスです。ケレス・クラプロートです。」

「よろしく。うるさくして悪いね。」

「いえ、先輩の噂はかねがね、あの………シルバール先輩を御せられる唯一の御方だと。」

「いや、俺もこいつは無理だ。」

「こそこそ人のこと噂しないでよ。」

ん、と、アエラが書き終えた紙を差し出す。

ようやくおわったか、と、モルガーは受け取ると、目を通し始める。

んー、と伸びをすると、いただいたお茶のカップを取り、

「ありがたくいただくね。」と、ケレスに微笑みかける。

「あ、はい。粗茶ですが。」

ケレスも、はにかんで、胸元にだいたお盆をさらに抱きしめる。

こく、と一口飲んで、ふぅ~、と息を吐き出すと、アエラは人形を取り出して、遊ばせ始めた。

先ほどまで握っていたペンを持たせ、くるくると回らせる。

硝子細工のペンは光を浴びてキラリと光った。

中の紺色のインクがほんの少し机に零れた。

ケレスはその様子を、ほ~、と言いながらみていた。


その時……


がしっ!と音がするほどに。そのクマを鷲掴みにした者がいた。

そう、モルガーだ。


「ちょっ!クマが痛がってる!はなしっ……んん!んふ!」

アエラが叫ぶ、

が、その口に閉口魔法的ななにかをかけられたことによって悲痛な叫びが押さえ込まれた。

「………おまえさ、巫山戯るのも大概にしろよ。」

「ん?!んんふん!んんふふふんんふふふ!!」

「あの……なんと?」

「これが巫山戯てないとはどういうことだ、マジでやってるとしても認められるか!」

「なんで、分かるんですか?」

可哀想だと、ケレスが進言すると、モルガーも、落ち着いたのか、魔法を解く。

「はっ、急に魔法かけないでよ。」

「煩い。もう一枚やるから書き直せ。書き方が分からないなら聞け!この馬鹿。」

「うへ……ちゃんと書いたのになんで怒られてるの、私。」

「文字を書いていることは褒めてやろう。だが、言葉を飾るな。図書委員!」

「むう………」

どれ、とみようと覗き込んだケレスに、モルガーは無言で紙を渡した。

ありがとうございます、と小さく言い、覗き込む。

わらわらと何人か寄ってきて、ともに覗き込んだ。



         〖出店希望書〗

                責任者 アエラ・シルバール


店種 飲食店

商品 レモネード


備考 生物を扱っておりますので、空調魔法、鮮度調整魔法等扱

   っております。



と、書かれていた。

特に変わった様子はないようだが。

ん?と皆で首をかしげる。

「あの、モルガー先輩、なにがおかしいのでしょうか?」

「……それ、光魔法で透かしてみろ。」

「はい。」

光を、と、呟き、簡単な光魔法で紙を照らすと……


「あ……え…?」

「なにこれ…」

「すっげぇ……」

紺色のインクがほんのりピンク色に色付き、

紙一面に銀色の鳥の絵が浮かび上がった。

ピンクの文字の中を飛ぶ鳥。

驚いていると、


『ぴぃよぉ~』

「きゃ!」

「お、可愛いk……」

「お前は黙ってかけ!」

銀の鳥が飛び出して、ピンクの字とともに部屋の中を一回りして、日光に交ざって消えていった。

「どうやって……」

「アエラの魔法だ。そう言うの得意なんだよ、こいつは。」

呆れたように額を抑えるモルガー。

アエラはじろっと見て、はぁ~、とため息をついた。

「でも、モルガー先輩にはなぜかばれる。むぅ……」

「当たり前だ、お前から渡されたものはみんな魔術透視かけてるわ。」

「信用ないなぁ~はい、書けたよ。今度はなにもしてない。」

「ん。」


アエラは、あー、やだやだ、と紙を差し出すと、お茶を一気に飲み干し、立ち上がった。

「じゃ、帰るわ。」

「……おい、ちょっと待て。」

「待たない。グッドバイ!」

ドアを勢いよく開け放ち、アエラは出ていった。

「ちっ……」

残されたモルガーが珍しく舌打ちをした。




***

こんちは。まりりあです。

から揚げはもも肉か胸肉か。

考えても出てこない。

では。また次回。

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