こんにちは。此方長兄戦い中。
妹達のきら星の如き活躍も、兄さんのそれを掻き消すことは決してない。
なぜなら、
兄より強い妹はいないのである。
多分……
さあ、このお兄ちゃん。
テオドールに至りましては、魔法はそこそこ、ロエラのような器用な戦いもできません。
では、なにで勝つか……
そう、
その有り余る体力と、人より少しは回る頭を使うのです。
来る攻撃の全てを大きく避け、
それでは体力が……と心配になりそうなほどの動きを、かれこれ三十分。
相手方がまだ倒れないのかと精神的に疲れ始めている頃である。
で、なにか策はあるのかって?
そんなもんね……
「おお……策無しでもいけるもんだな。」
ないですよ?
頭は働くけど、働かせたくないという、アエラのことを言えない人格である彼は、
その妹同様。
楽しければ全て良し。
無理して考えるくらいなら、考えない方がましじゃね?
と言う、
ある意味生き上手と言うか、将来胃に穴が開くほど追い詰められることなどないのだろうなぁ…という感じの御仁。
まあ、良い性格してるよな。
向かってくる相手をひょい、ひょいっと躱していく。
別段、専攻でもない槍術で、でているのは彼のみである。
魔法、剣、槍。
その他五つほど項目はあるものの、
それの家元などもいるこの学校において、
なんか解らないけど、これでいいか…、
と決めた競技で勝ち上がるのはほぼ不可能。
何ですが、時どーき、その不可能を可能にする頭おかしい奴が現れるんですよね。
世界って広い。
天使びっくりだよ。
「くっそっ………さっきからちょこまかと……男ならどんと構えてみせんか!!」
「嫌だ!どんと構えたら突かれる。傷がついたら痛い!」
……おいおい、
観客席は呆然だよ。
なんか、急に口論が始まったもんだから、
これ……ん?これは……何だ?
ってなってるよ?
あと、女の子がくそはないと思うよ。
天使的に。
「知るかそんなこと、当たれ!」
「当たらない!」
「槍を高飛びの棒みたいに使うな!神聖な槍を!」
「あー、聞こえないー。神聖だろうか、何だろうが、道具は何でも使いよう。つまり、役に立っていればそれが使い方だ!」
「んな暴論があるか!」
んん……。
お~、お相手もさ、お嬢様なわけよ。
一応、お貴族の娘さんなわけ。
どう考えてもさ、荒くれた感じになってるよ?
客席で両親らしき方々が卒倒してるよ?
大丈夫なの?
「くっ……攻撃の一つも繰り出してないくせに、勝てるとおも…………」
「どうした?なにか、あったか?」
「………お前、頭良いのね。」
「悪くはない。自分が頭良いかどうかなんて、分からないだろう。」
「それもそう……ね、」
客席はよく分からないというように一様に黙りこんでいる。
そう、
二人が何を話しているのか、分からないのだ。
「ようやく、かかったか。」
「槍術の戦いで、魔法を使ってくるとは、」
「ルール違反ではない。」
「ああ、マナー違反ではあるがな。」
「マナー、それは、破ったところで罰せられるのか?」
「いや。」
「じゃあいい。お前は、足が疲れて、動けなくなった。そうだな。」
「……そういうことにしとけ、と?まあ良い。また、戦うときがきたら、私が勝つからな。」
「その時まで、槍をしてたら。」
「……ちっ……」
低めた声で話を交わすと、
女は目を閉じた。
ひと思いにやってくれと言うことだろう。
テオドールは、ゆらりと槍を持ち上げると、
ひゅっ……という音と共に首元に突きつけた。
「ふっ……いい音!出来るならやれよ。」
「やったら疲れるだろ。」
***
こんにちは。
まりりあです。
最近、ぼんやりしていたら、暑い鍋を掴んで火傷しました。
痛ひ………
では、また次回。




