妹のため
こんにちは。
今日はですね、ついにお偉い神が見に来る日なんですわ。
おっ。怖。
ぜってえ上二人を見せたら殺される。
生きてないけど、息の根止められる。
存在消される。ので~、
一番まともな妹を見せようと思います。
あ、これはこれは、天使長殿。
おまちしておりました。
どうぞ此方へ。
え?三人?
あ~、いえいえ、今日は一人しか都合着かなくて。
はい、はい。そうですよね。
あ、では、どうぞ。あ~、今、はい、授業中……ぽいっすね。
あ、コーヒーとか……
あ、いらない。そっすか。
「………であるからして……」
「……カリカリ……」
教室内は、思った通り先生の声とペンのこすれる音しか聞こえなかった。
よかったあ~。
『にゃはははは!!』
「……………。」
あ~、嘘。
隣の塔からバカ女の声が聞こえるわ。
まじ止めてくれ。
あ、今の声ですか?あー、ネコ?地上にはネコっていう大きな声でなく動物が……あ、ご存じ?それです。
「次の問題……テオドールさん。」
「はい。」
うん、いいお返事。
よし、いい子だ!
ほら、見ましたか、天使長殿。あー、はい。静かにします。
「では……ここについて。」
「あっ…………え、はい。……ぁ…ぇ…、」
…………。
ん?
んん?
んんん?
おっとお…これは……分からないのか。
でもほら、分からなかったらどうするか……とかあるよね。
先生に言ったり、友達に聞いたり。
そうそう。それがいい。
「あ、あの、先生わかりm……『ちょぉっっとまちゅのじゃあああ!!』……?」
た”あ”あ”あ”あ”!!
や、止めろ!!
お、おまっ……
く、来るなぁ
「おねーちゃんだぁ!!!」
「アエラさん!授業中です!!」
もう……やだぁ……
ほらぁ~、天使長驚いてるよ。
あごはずれそうなってるよ?
どうすんだよこれ。
あ”~。もう駄目。天使長の方見れない。
バカ姉こと、アエラは、担当の先生(あまりに問題行動が多いため、学校が専門に付けた先生、凄くね?)をひきずりながら教室に入ってきた。
「おねーちゃんが解いてあげる!」
「か……」
「か?あ、可愛いって?照れるぅ~」
「帰れこのボケナス!!」
「ナ………ス………それは……腐っても鯛的な言葉?」
「鯛は腐っても鯛だ!だがなあ、茄子は腐ったら生ゴミなんだよ!畑の肥料なんだよ!」
「な!なんですってぇ!!」
………。
かぁ……、もぅ……止めて……
痛いから。
隣からの視線が痛いから。
痛っ、いたたたたた!!
痛ったぁ………。胃が死ぬから…
やめぇ……
「あー、アエラさん。自分のクラスに戻ってください。先生も、もう少しちゃんとしてください。」
「す、すみません。今すぐ出ていきますので。あ、アエラさん。行きますよ。」
「え~。もう!そんなこという先生はこうだ!えい。」
た”あ”!!馬鹿、おまっ……
止めろよ。
あ~あ、ほら、先生二人ともでっかい亀になったよ。
可愛い瞳の亀さんになったよぉ~。
やだぁ~。
これじゃ授業できないじゃん!
と言うか、自分、上司にナイフ突きつけられてるんですけど。
え?
これ、どうすんの?
「やっと静かになったぁ~。んで。どの問題?あ、君ちょっと教えて。」
「は!はい!えっと……ここです。」
「おお~。魔法科学ぅ~。私得意だからまかせて。私達が使う魔法的な何かってさぁ、考え方的には簡単なの。はい、テオドールさん。魔法で最も大切なことは?」
「………確信と感覚。」
「そう!そんな感じ!私は『Personal definition』つまり、個人的定義って言ってるんだけど、分かりやすく言うと、自分の中でこうなればこうなるんじゃね?って言う確信が強ければ強いほど魔法ははっきり形になる。」
そこでアエラは、先ほど声をかけた少年に指を指す。
「はい君!」
「うえっ!あ。はい。」
「名前は?」
「ソルテル・シュレガーです。」
「シュレガー?モリーの弟?」
「モリー?モルガール兄さまのことですか?」
「んあ?そんな名前だっけ?」
モルガールってあれな。元中等部生徒会長で長男の友達な。
あっぶな……割と真面目にアエラが先生代理務めてるから、天使長機嫌直りつつあるわ。
首飛ぶと思った。
「ま、いいか。で、ソル。君はm「帰れ!!このバカ女!!」」
………。
肘鉄。
まさかの肘鉄。
いったあ……もろはいったやん。
妹の方も肩で息してるしさ。
アエラ気絶したから先生立ち戻ったのはいいけど。
「………、先生。続きを。それから、姉のことお願いします。」
「え、ええ。」
「あー、では、授業を続ける。」
青筋だよ?
大天使長殿お怒りだよ?
え?どうなるの?
ちょっ、まっ……
……………。
***
こんにちは。まりりあです。
竹の子って、固い。