表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/74

10 おやすみなさい。クマ

一日の終わりは、決まってクマの頭を撫でるらしい。

それにしても、女の子の部屋をノゾケルトハ……なかなかいい職業だ、この天使というのは…

おっと、失礼。

此方天界。そして、ただいま仕事中です。

送り込んだ馬鹿……ではなくて、個性的三兄妹の長女にして、唯一この話を知っている少女。

きっと良い働きをして……、

「ふわあああ~!!ねっむぅ~」

「あ、アエラさん。静かに。」

………あー、うん。期待出来なさそうかな。

叫びながらクマの頭なで回してるし。

ベットの上に溢れんばかりのクマとウサギとネコのぬいぐるみ。

そして、こぼれおちそう…いや、最早少し身動きを取る度に音をたてて床に落ちる本と紙とペン。

ちっとはかたずけろよ。と突っ込みたくなる。これが……汚部屋。

いや、汚ベット。

同室の子が頑張ってくれているから、部屋はどうにか綺麗さを保っている。

ほんと、感謝だわ。

「……ねえ、」

「なんですか?」

「シャルってさあ、常識人だよね。」

「まあ、あなたと比べたらそうでしょう。」

「ちぇっ……」

「拗ねましたか?さあ、早く寝ましょう。明日も学校ですよ。」

微笑むと、少女は髪を結んでいたリボンを解き、ベットに潜った。

「おやすみなさい。アエラさん。」

「ん~。」



窓辺の机の上に置かれた蝋燭の炎が揺れる。

小さなその光はその周辺のみを照らし、壁に向かって眠る少女の美しい寝顔を映しだすことは無かった。

な~んて?

適当にナレーション付けてみましたけどね。

これで暇なんだよ、天使って。

問題児だからよく見とけとか言われたけど、夜中まで何かしでかしたりしないだろ。



「………良いこと思いついたぁ~。」


………。

前言撤回。

こいつに時間とか関係ないや。

あ~あ。

こいつ夜中に騒いで怒られては『時間に縛られる人生は嫌だ!!』『朝の五時じゃない。夜の五時だ!』とか、意味分かんないこと言ってたわ。

まじ止めてくれ。

お前が、意識ある間中見てなきゃいけないんだぞ。

時間外労働だよ。

訴えるよ?

…………。

天使の仕事に時間とかないか。

あー、あれだ、に本で言う自衛隊とかと一緒。

常に仕事中。

だる。

閑話休題。

何を思いついたんだよ。


「クマちゃ~ん。こっちおいで~。」

『……ピコピコ。』

「おっと、足の裏にピコピコ鳴る機能付けたやつだったか。」

え、ちょっと待って。

なにその幼児用の靴みたいなやつ。

歩く度ピコピコ鳴るやつ。

無駄すぎる。

「よし~。やるぞ~。んでは、皆様。これからこのクマちゃんに、生き物の意識が覚醒したことを認識して、頭突きをくらわず機能を付けたいと思いまぁ~す。」

おお~。

じゃない!

何度その機能。

いるの?ねえ、いるのそれ?

ぶっちゃけぐだらないよ。頭湧いた天界でも売れないよ、それ。

虹色に光るスプーンが大ヒットした天界でも、きっと売れないよ?

つか、誰に話し掛けてるの?

こっわ…

「よし、クマちゃんお座りして。」

『………ぴゅ~』

「あー、これ、お尻に音鳴る機能付けたやつだわ。」

賑やかなクマだな。

大道芸人のちんどん屋もびっくりだよ。

「起きたら気付く………声を発したらとかで良いか。流石に意識感知機能をこれに付けるのは無理ゲーだな。」

「あ~。ねっむ。ちゃっちゃとやって、ちゃっちゃと終わらせよ。」

アエラはクマの胴体に頭を擦りつけると、むぅ~と、唸りはじめた。

うん。

相変わらず変なやり方~。

なにそれ?

君たちが使ってる、『魔法的な何か』略して『魔法』はさ、一応うちの上司である神様からもたらされた奇跡ってことになってるわけ。

でさあ、

なにそれ。

ちょっと、困るよね。そう言うの。

まあ、良いけどさあ、そうしかできないならそれでも。

でも、出来れば持っとこう、神への祈りとかを唱えながらやってくれると、こっちも助かるというか、

今度の視察で褒められるというか……

「出来た!」

あ、出来たの?

もうさ、その、頭おかしい器用さ。どうにかして欲しいよね。

こっちが大変だから。

……。

ていうかさ、言葉を発したらとか。

嫌な予感しかしないというか。

期待を裏切らない結果が目に見えるというか。


「よし、スイッチ入れて。」

アエラの魔力で一瞬淡く光ると、アエラの手を離れ、宙に浮いた。

それを見て、アエラは一つ頷く。

それから、本やその他いろいろなものを落としながら布団に潜り込む。


「おやすみ。クマちゃん。」

あっ………

やっぱり。

アエラの声に反応し、クマの人形がアエラの頭を襲う。

バフン!というか、最早バスッ!という痛そうな音で頭に頭を振り下ろした。

馬鹿だな~。この子。


「いっ………たぁ!!なにすんのクmブファ!!」

怒ってアエラが喚く度に、クマの無慈悲な頭突きが食らわせられる。その煩さに  も目を覚ます。

「……むぅ……何してますの?」

「シャル!!止めて、ねえ、この子止めてバフゥ!!」

「はあ?あなたの魔法を解くことは私には不可nンバッ!!いっ……」


うん。

こうして夜は更けるのであった。




***

こんにちは。まりりあです。

五月。つまり、ゴールデンなウイークがあるはず。

ないなぁ。

今日ももっぱら家でした執筆です。

あと、ドラマ見たり。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ