能力の正体
「ここまでくりゃ大丈夫だろ。」
「そ、そうね。」
人混みから離れた奥地にあるレンタルルームに逃げ込んできた。
下手に噂が広まってなければ良いのだが・・・・。
「俺のせいですまないなクリア・・・。って、おいどうした?」
クリアの様子が少し変だった。
物欲しげな表情でこちらに迫ってくる。
「ねぇセツナ、私もう我慢できない。」
「え・・・ちょっ・・・・クリア・・・さん?」
「早くあんたの大事な物を見せなさいよ。」
「わざとだな。わざとやってるんだよな。」
「いいからとっとと見せなさいってば!」
「あああああああああああんっ・・・・。」
カポン・・・・・。鹿威しが鳴ったかのように錯覚する。
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「じゃあ読むぞ。」
「どーんと来い。」
「移動高速化、攻撃上昇、防御上昇、魔法高速詠唱、サンダーボルト、ボルケーノインパクト、エクスプロージョン、タイダルウェイブ・・・・」
何故こんなに大量のスキルを持っているのか全く理解出来ずにとりあえずひたすら一つずつ確認していく。
クリアにも聞いて貰っているのはグレン達の記憶喪失、そしてユーリの失踪を解決できるスキルが無いか一緒に検討してもらうためだった。
そしてかれこれその数が千を超えた頃だった。
「・・・・ボマー、フライ、チャーム、マジックアーム・・・・ん?なんだこれ?」
「何かいいものでもあった?」
「あ、いや。能力名にしては珍しく英文で書かれてある。power to see through ability 直訳すると能力を見抜く力・・・・。これってもしかして・・・。」
「うん。さっきの男と同じ物で間違いないでしょうね。それとさっき出た二刀流も私のと同じよね。あの鑑定士に聞いた通りあなた以外に私しか二刀流は持っていないはずよ。」
「みたいだな。何の偶然・・・ってこともないよな。多分下まで確認すればその能力が必ずあるはずだ。」
俺の目をしっかりと見て、クリアは深く頷いた。
それからその能力だけにスポットを絞ってひたすら画面をスクロールしていく。
「あった。オリジナル能力、パーフェクトコピー。」
「やっぱりね。能力詳細を確認してみて。」
「ああ。えっと・・・・能力者に触れる、もしくは体感した能力や見たことがなくとも他者から伝聞した情報により実在する能力について使用法を理解している場合のみ発動する。その能力を完全にコピーし、自らの能力として保持及び使用することが可能となる。使用方法はその能力を思い浮かべて詠唱する、または強く念じることで発動する。だってさ。」
「な、なんてチート能力なの。」
「それは俺の台詞だ。こんな能力だったなんてな。つまり俺はあのPvP以前にお前の二刀流を見た、あるいは触れたことがあるってことだよな。」
「なっ・・・・なななな、あんたいつ私に触ったのよ!どこ!どこに触ったのか正直に言ってみなさいよ!」
クリアが顔を真っ赤にして退いていく。
「はぁ!?別に触ったと決まったわけじゃないだろ!さっきから勘違いしすぎなんだよ!」
「だったら触ってないって証明してみなさいよ!あんたの前で二刀流なんて見せたことないんだからあんたが痴漢するくらいしかこの能力が発動することなんて無いのよ。」
「俺が二刀流を獲得したのは二年も前なんだぞ?その時お前のことなんて知らん・・・・あ。」
「ほう、何か心当たりがあるようね?言ってみなさい。言って楽になりなさい?」
「あ、いや。二年前、アジトの通路で一人の女の子にぶつかったような気がするんだ。確かその子も金髪だった。それは二年前のお前だったのかもしれないな・・・・と。」
「やっぱり触ってるじゃない!」
「何言ってんだ、話聞いてなかったのか?事故だ、不可抗力だ。」
「むーっ。」
クリアは頰をぷっくりと膨らませてそっぽを向いた。
「えー・・・・俺が悪いのか?」




